「加齢とともに上まぶたが重く被さってきた」
「夕方になると目が疲れて開きにくい」
「昔よりも二重幅が狭くなり、目が小さく見える」
こうした上まぶたのたるみに対する根本的な若返り治療として、近年非常に多くのご相談をいただくのが「眉下リフト(眉下切開)」です。
眉下リフトは、眉毛の直下にある余分な皮膚を切除することで、本来の二重幅や目の開きをスっきりと蘇らせる優れた術式です。しかし、カウンセリングの現場でよく耳にするのが、「眉下リフトをすると、目が引っ張られてつり目になったり、表情がきつくなったりしませんか?」というご不安の声です。
実は、この懸念は決して思い過ごしではありません。眉下リフトという手術には、構造上「つり目っぽくなりやすい」という弱点が確かに存在します。
では、つり目になってしまうリスクを避けるためにはどうすればよいのでしょうか。 その鍵を握るのが、「目頭切開(リドレープ法)」を適切に組み合わせることです。
今回は、なぜ眉下リフトでつり目が引き起こされるのかという解剖学的メカニズムと、リドレープ法を併用して優しい目元を作る「引っ張り合う力のバランス設計」について、実際の症例を交えて解説します。
なぜ眉下リフトで「つり目」になってしまうのか?
眉下リフトの弱点を正しく理解するためには、上まぶたの皮膚がどのようにたるみ、それをどのように引き上げるのかという「皮膚の余り方と張力の方向」を知る必要があります。
原因①:上まぶたのたるみは「目尻側」に集中する

人間の顔の構造上、加齢による上まぶたの皮膚のたるみは、目頭側よりも「目尻側(外側)」に強く偏って現れます。 眉尻側の皮膚は骨の支えが少なく、重力の影響を受けて垂れ下がりやすいためです。目尻側の皮膚がたるんで被さると、二重のラインが外側から潰され、三角目のように老けた印象を与えてしまいます。
そのため、眉下リフトでたるみをしっかりと解消しようとすると、必然的に眉尻側(外側)の皮膚を多く切除するデザインになります。
原因②:斜め上・外側へ皮膚が引っ張られるベクトル

眉尻側の皮膚をしっかり切除して縫合すると、上まぶた全体には「目尻側(斜め上・外側)へ強く引き上げられる力(ベクトル)」が働きます。
外側に向かって皮膚が引き上げられると、目尻の位置が上がったように見えたり、まぶたの傾斜角が外上がりになったりします。その結果、「たるみは取れたけれど、なんだか目つきがキツくなった」「つり目のようになって表情が怒って見える」という不自然さが生じてしまうのです。
原因③:蒙古ひだによる「目頭の下向きのつっぱり」

特に東洋人の目元には「蒙古(もうこ)ひだ」と呼ばれる皮膚の被さりを持つ方が多くいらっしゃいます。 蒙古ひだが発達していると、目頭側の皮膚は下向き・内側に向かって強く引っ張られています。
この状態のまま眉下リフトで外側(目尻側)だけを斜め上に引き上げると、「目頭側は下へ引き下げられたまま、目尻側だけが上へ吊り上がる」という極端な高低差が生まれてしまいます。目頭の丸みやつっぱり感が強調され、目元全体のバランスが崩れてしまう原因はここにあります。
つり目を防ぐ鍵は「目頭〜上方向への変化」を作ること
眉下リフトによって生じる「目尻側への引き上げベクトル」を相殺するためには、反対方向である「目頭〜上方向へ引き上げるベクトル」を同時に作ることが極めて重要です。
外側へ引っ張られる力に対して、内側・上側からも適切にテンションをかけることで、目元全体の傾斜がニュートラルに整い、引きつれ感のない自然な丸みと優しさを保つことができます。
目頭〜上方向へのベクトルを作る代表的な術式
この「目頭〜上方向への変化」を作るアプローチには、いくつかの選択肢があります。
- 二重整形(埋没法・二重全切開・眼瞼下垂手術): 黒目の上から目頭側にかけての引き込みを強化し、目の縦幅を広げる。
- 目上切開: 目頭のやや斜め上の皮膚を処理し、蒙古ひだの立ち上がりを上方向へ持ち上げる。
- 目頭切開(リドレープ法): 蒙古ひだの下向きのつっぱりを根本から解除し、目頭を水平〜やや斜め上へツンと綺麗に開放する。
どの手術を組み合わせるべきかは、元々の二重の有無、まぶたの開き(目力)、そして蒙古ひだの強さによって決まります。
今回ご紹介する症例では、「目尻側の強いたるみ」に加えて「目頭の丸み・下向きのつっぱり」が大きな悩みであったため、つり目感の予防と目頭の形状改善を同時に叶える「目頭切開リドレープ法」を選択しました。
なぜ目頭切開の中でも「リドレープ法」なのか?
私が目頭切開において積極的に採用している「リドレープ法」には、目元若返りにおいて大きなメリットがあります。
- 傷跡が下まつ毛のキワに隠れて目立ちにくい: 従来の目頭切開のように鼻側の平らな皮膚を切開するのではなく、切開線を下まつ毛の生え際に沿って配置するため、術後の傷跡が陰影に紛れやすく非常に自然です。
- 不自然な変形を防ぎ、自然なシャープさを形成できる: 皮膚を無理に切り取るのではなく、下まぶたの緊張を解除して皮膚を自然に再配置するため、粘膜(涙湖)の過度な露出を防ぎ、ツンと整った上品な目頭を形成します。
【症例解説】眉下リフト×目頭切開(リドレープ法)のリアルな変化
実際の症例写真を見ながら、術前から術後6ヶ月までの変化、そして全体のバランスを具体的に確認していきましょう。
【術前の状態と術後6ヶ月の対比】

- 術前(Before): 目尻側に皮膚が強く被さり、二重幅が狭くなっていました。また、眉と目の距離が開き、目頭には下向きに巻き込むような丸い蒙古ひだが確認できます。
- 術後6ヶ月(After 6M): 眉下の余分なたるみが切除されたことで、眉と目の距離(白線の長さ)が自然に縮まり、間延び感が解消。さらにリドレープ法によって目頭がツンと開放され、目の横幅が美しく広がっています。
【つり目変化を打ち消す仕組み(引っ張る力のバランス設計)】

- 術前(上段): 目頭側は「下向きに巻き込む丸い蒙古ひだ」、目尻側は「被さりの強いたるみ」が目立っています。この2つの要素が重なると、眉下リフト単体ではつり目感が強調されやすい状態です。
- 術後6ヶ月(下段): 眉下リフトで目尻側を引き上げると、どうしてもつり目方向に引っ張られやすくなります。そこでリドレープ法を合わせ、目頭の丸みを解消しながら内側〜上方向へ変化を加えることで、そのつり目感を綺麗に打ち消しています。画像にある矢印のように、お互いの引っ張りを相殺してバランスを整えています。
目尻側への引き上げに対して、目頭側にも適切に引き上げる力を加えることで、単体手術では得られない「調和の取れた自然な目元」が完成します。
【傷跡の回復プロセス(術直後〜6ヶ月の経過)】
術後の傷跡がどのように落ち着いていくのか、6ヶ月目までの治癒経過を追っていきます。

- 術直後: 眉下と目頭に縫合糸がついていますが、出血や極端な腫れは抑えられています。
- 術後1ヶ月: 抜糸を終え、創部が一時的に硬くなったり赤みが出やすい時期ですが、メイクをすれば十分にカバーできる状態です。
- 術後6ヶ月: 赤みや硬さが完全に落ち着き、左右差なくパッチリとした明るい目元へと完成しています。
【至近距離・斜めから見る傷跡の馴染み方】

写真の通り、眉下リフトの傷跡も目頭切開の傷跡も、半年ほど経つとほとんど目立たなくなります。術直後は赤みや縫合線がありますが、6ヶ月後には眉毛の毛流や目元の自然なシワに馴染み、斜め近くから見ても周囲に気付かれないレベルまで綺麗に落ち着きます。
丁寧な減張縫合(内部の組織をしっかり寄せて皮膚表面にかかるテンションをなくす縫合技術)を行うことで、切開手術であっても傷跡を綺麗に落ち着かせることができます。
「同時に行うか?時期を分けるか?」は診察で判断
「眉下リフトを受けるなら、必ず目頭切開も同時にやらなければいけないのか?」というと、決してそうではありません。
患者様一人ひとりの骨格、まぶたの厚み、蒙古ひだの張り出し具合、そして普段どの程度まぶたや眉毛を動かして表情を作っているかによって、必要な処置は大きく異なります。
- 眉下リフト単体で十分に自然な仕上がりになる方:もともと蒙古ひだが薄く、目頭側の開きが良好な方。
- 二重整形(埋没法や眼瞼下垂)との組み合わせが適している方:たるみだけでなく、まぶたを開ける筋力(眼瞼挙筋)自体が緩んでいる方。
- 目頭切開(リドレープ法)の併用が推奨される方: 蒙古ひだが強く下向きにつっぱっており、眉下リフト単体ではつり目感や目頭の丸みが目立ってしまうリスクが高い方。
また、ダウンタイムの確保期間やご予算に合わせて、「まずは眉下リフトを行ってたるみの改善度合いを見てから、必要に応じて後日目頭切開を検討する」というように、ステップを分けて治療を進めることも可能です。
診察の段階で入念なシミュレーションを行いながら、最適な組み合わせとスケジュールをご提案します。
まとめ:目元の若返りは「全体のバランス設計」がすべて
眉下リフトは、余分な皮膚を取り除いて若々しい目元を取り戻す非常に優れた手術です。 しかし、「ただ皮膚を切り取るだけ」では、外側への引っ張りが強くなり、つり目感や表情のキツさといった予期せぬ違和感を生んでしまうことがあります。
大切なのは、目の開き、二重のライン、目頭の形状、そして顔全体のバランスを解剖学的に把握し、皮膚にかかる力の方向を緻密にコントロールすることです。
- 上まぶたのたるみや被さりが気になってきた
- まぶたが重く、夕方になると目が小さく見える
- 目頭の丸みや蒙古ひだのつっぱりを解消したい
- いかにも整形したような不自然な顔にはしたくない
- 眉下リフトを受けたいがつり目になるのが不安
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度MAe Clinicのカウンセリングにお越しください。一人ひとりの目元の骨格と皮膚の特性を丁寧に見極め、後悔のない自然で美しい仕上がりをご提案いたします。
眉毛下皮膚切除(眉下リフト)
- 眉毛下皮膚切除(眉下リフト):340,000円(税込)
- 眼輪筋リフト:+110,000円(税込)
- 眉下4点セット(眉下切開術+ROOF切除+上眼瞼脂肪取り+眼輪筋リフト):698,000円(税込)
- モニター割引制度あり(要審査)
- リスク・副作用:腫れ、内出血、左右差、イメージ違い、傷あと、眉毛の毛量減少、眉毛の形の変化、つり目様変化、ひきつれ、感染、糸の露出など
目頭切開
- 単体(Z法):285,000円(税込)
- リドレープ法に変更:+98,000円(税込)
- モニター割引制度あり(要審査)
- リスク・副作用:腫れ、内出血、左右差、イメージ違い、傷あと、後戻り、目頭の丸みの残存、感染、糸の露出など
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