こんにちは。Mae Clinic院長の前田翔(日本形成外科学会認定専門医)です。
今日は鼻中隔延長についてお話したいと思います。
・鼻中隔延長について
・鼻中隔延長の施術内容
・鼻中隔延長のメリット、デメリット
・鼻中隔延長のダウンタイム
・当院での症例
について解説していきます。
鼻中隔延長とは?
鼻をテントに例えると、鼻中隔軟骨はテントの支柱に当たり、鼻の土台となる役割を担っています。
鼻中隔延長は、この土台となっている支柱(鼻中隔軟骨)に軟骨を移植・固定することで、鼻先、鼻柱を下方向に伸ばしたり、鼻先の高さを出す手術です。
鼻中隔延長の施術方法について
鼻中隔軟骨は鼻のど真ん中に位置していて、鼻の土台となっている軟骨です。
これに耳介軟骨、肋軟骨、鼻中隔軟骨などを移植して、鼻先を伸ばしていきます。
軟骨は、【耳軟骨<鼻中隔軟骨<肋軟骨】の順に強固になります。
鼻先はもともと柔軟な可動性のある部位です。鼻先の延長に硬い素材を使用するほど鼻先は固定されて動きにくくなり不自然にみえることがあります。
そして、硬ければ硬いほど、長さや高さをしっかり出すことが出来ますが、その分土台となる鼻中隔軟骨に負担がかかります。土台が負担に耐え切れず曲がってしまうと、当然ながら移植した軟骨も曲がってしまい、鼻が曲がった状態となってしまいます。
そのため、無理な延長をしないということが重要となります。
手術は、静脈麻酔あるいは全身麻酔で行います。広い術野を確認しやすいオープン法で行います。
鼻柱(左右の鼻の穴の間)を切開し、鼻中隔軟骨を露出させます。鼻中隔軟骨に移植軟骨を固定し、鼻中隔を延長します。延長した鼻中隔に合わせて、鼻翼軟骨を形を整えながら縫い合わせていくので、必然的に鼻尖形成も行われます。
必要があれば鼻先に軟骨移植も行うことがあります。延長した鼻先に合わせて鼻根や鼻背にプロテーゼを入れたり、軟骨を移植することもあります。
このように鼻中隔延長は単体ではなく、複合的な手術になることが多いです。
鼻中隔延長のメリット
- しっかりと鼻先の高さや長さを出すことが出来る。
- 理想の鼻に近づけやすい。
鼻中隔延長のデメリット
- ダウンタイムが長い
鼻の土台となる鼻中隔軟骨まで触るので手術は複雑になり、手術時間も長くなります。その分ダウンタイムも長くなります。 - 鼻先の軟骨が浮き出る
鼻中隔延長することにより、鼻先の皮膚は引き延ばされて薄くなります。そのため、鼻尖の軟骨の輪郭が浮き出る可能性があります。 - 鼻が曲がる
延長素材が硬ければ硬いほど、長さや高さをしっかり出すことが出来ますが、その分土台となる鼻中隔軟骨に負担がかかります。土台が負担に耐え切れずに曲がってしまうと、当然ながら移植した軟骨も曲がってしまい、鼻が曲がった状態となってしまいます。 - 軟骨移植が曲がってくる
移植した軟骨自体が長期的な経過で曲がる可能性もあります。
【耳軟骨>肋軟骨>鼻中隔軟骨】の順に曲がりやすいと考えられています。軟骨素材それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で延長素材を選択することが重要となります。
鼻中隔延長の一番気になるリスク「鼻が曲がる」についてはこちらで詳しく説明しています。
鼻中隔延長のダウンタイム
3~5日目:固定抜去。
1週間目:耳の固定抜去。
2週間目:鼻腔内抜糸。
個人差はありますが、大きな腫れは1~3週間程度。その後3~6ヶ月ほどかけて残りの腫れが引いていきます。
それでは実際の症例を見ていきましょう。
鼻中隔延長の症例
術式
鼻中隔延長(中隔軟骨)、鼻尖形成軟骨移植、鼻背細片軟骨移植(隆鼻術)
術後1ヶ月
施術内容
鼻先を中心に鼻筋と小鼻のバランスが取れるように、顔全体の調和が取れた上品な顔立ちを目指しました。
肋軟骨なしでお顔の軟骨のみ使用しています。
正面からの写真では団子鼻が解消され、鼻先が細くなっているのがはっきりと分かります。
鼻根部と鼻先が低いことでわし鼻のように見える鼻筋でしたが、鼻骨は削らずに高さの足りない部分に細片軟骨を移植することで滑らかな鼻筋になるように調整しています。
小鼻の広がりも気にされていたポイントですが、鼻先を高く前に出すことで小鼻の皮膚を引っ張り膨らんだ印象を減らしています。
施術時間
90~180分
リスク・副作用
・術後の痛み、腫れ ・内出血 ・鼻の穴の引きつれ ・鼻尖の違和感 ・鼻閉感(鼻が通りにくい感じ) ・感染(化膿) ・血種 ・創部離開 ・糸が露出する ・鼻尖の曲がり、変形 ・鼻柱が分厚くなる ・鼻柱が凸凹する ・延長した鼻が長すぎる・鼻尖が高すぎる ・延長した鼻が短すぎる・鼻尖が低すぎる ・傷跡の盛り上がり・凹み・色素沈着
Mae Clinicでの鼻中隔延長治療
鼻中隔延長料金
鼻中隔軟骨使用:¥670,000(税込)
耳軟骨使用:¥560,000(税込)