妊娠・出産・授乳後の垂れた胸、豊胸で解消できる?

「妊娠・出産・授乳によってバストがしわしわになってしまった」というご相談をよく受けます。出産を経験した方ならば同じお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

今日は、産後垂れてしわしわになってしまった胸を戻すことはできるのか?

そんな質問に形成外科専門医で多くの乳房再建に携わってきた私がお答えしたいと思います。

目次

妊娠・出産・授乳がもたらす胸の変化

妊娠するとエストロゲンやプロラクチンといった女性ホルモンが多く分泌され、乳腺も発達し、それに伴い胸も大きくなります。個人差はありますが、平均2カップ程大きくなります。

しかし、授乳後は女性ホルモンが減少するため乳腺が萎縮し、胸も小さくなります。一度大きくなった胸は皮膚が伸びています。一度伸びた皮膚は戻らないので、胸が小さくなるとハリを失い、垂れた胸になってしまうのです。

あとは、授乳後にクーパー靭帯が伸びたり断裂したりすることで、胸の形が変化(垂れる)することがあります。クーパー靭帯は乳腺を支える組織で、胸の形を保つ役割を担っています。

【クーパー靭帯の伸びや断裂の原因】
授乳時に赤ちゃんにバストを引っ張られることで伸びる
授乳中や授乳後に前かがみの姿勢になることで負担がかかる
搾乳時に強すぎる力をかけることで負担がかかる

産後の垂れた胸を戻すには

産後の垂れた胸のセルフケアとして、筋トレやナイトブラ矯正、サプリなどがありますが、これだけではどうしても元に戻すことは厳しいです。

垂れた胸の改善におすすめなのは「豊胸手術」です。

産後垂れてしまった胸というのは、妊娠中に胸が大きくなり皮膚が伸び、授乳後胸がしぼんだ状態なのですが、伸びた皮膚のゆとりがある分、豊胸によって大きくしやすい状態でもあります。

豊胸手術にはいくつか種類があるのですが、今日は代表的な「脂肪注入豊胸(コンデンスリッチ)」と「シリコンインプラント」について解説します。

豊胸の選択肢

脂肪注入豊胸(コンデンスリッチ)

ご自身から採取した脂肪をバストへ注入し、バストアップや胸の形を整える施術です。

お腹や太ももから脂肪を採取します。

採取した脂肪を遠心分離にかけ、健全な脂肪細胞のみを抽出します。抽出したコンデンスリッチファット(CRF)をバストに注入します。ご自身の脂肪を使用するため、見た目も触り心地も限りなく自然なバストに仕上がります。

メリット

・痩身効果もある

・自然な触り心地

・自己組織を使うため拒絶反応がない

デメリット

・瘦せ型の場合は不適応になることがある

・ボリュームアップに限界がある

シリコンインプラント

シリコン製のインプラントを胸に挿入することでバストアップする施術です。皮膚に数cmの切開を入れ、そこからインプラントを挿入するスペースを作り、挿入します。切開部位は、「腋窩」「乳房下溝」の2ヶ所です。

脂肪注入豊胸に比べ、しっかりとしたサイズアップが可能なので、バストアップ効果をはっきり感じたい方におすすめです。

メリット

・確実にバストアップできる

デメリット

・触った時にシリコンインプラントの縁に触れやすい

・シリコンインプラントを挿入する際の傷が残る

産後の豊胸手術を受ける最適な時期

産後の豊胸手術のタイミングとしては、基本的に断乳後であれば、手術は可能です

上記でも説明したように、胸が垂れるのは、妊娠中に胸が大きくなり皮膚が伸び、授乳後胸がしぼむからなのですが、伸びた皮膚のゆとりがある分、産後(授乳後)というのは豊胸によって大きくしやすい状態です。

産後に豊胸となると抵抗がある方もいると思うのですが、上記の理由から産後は豊胸に適した時期とも言えるのです。

豊胸手術のあとにもう一人子供が欲しくなったら?

豊胸手術をした後にまた妊娠し授乳出来るのか心配に思う方もおられると思います。

結論から言うと、「豊胸手術をしていても基本的に授乳に影響はありません。」

豊胸手術では、脂肪豊胸でもシリコンインプラントでも、乳腺や乳管には触れない部分に注入(挿入)するため、母乳の成分に影響を与えることはありません。ですので、豊胸手術をした後でも問題なく授乳が行えます。

豊胸手術の費用とリスク

豊胸手術の料金表

本日は脂肪注入豊胸とシリコンインプラントのみの説明をしましたが、当院では様々な術式での豊胸手術での対応が可能です。その方の現在の胸の形や理想の形をお伺いした上で最適な方法をご案内しております。

コンデンスリッチ脂肪注入豊胸¥1,100,000
シリコンインプラント豊胸(モティバ)¥990,000
ハイブリッド豊胸¥1,700,000
プチ豊胸(片側100mlまで)¥300,000
THE DAY豊胸¥400,000
乳頭縮小乳頭縮小¥200,000
乳管温存¥290,000
乳輪縮小¥350,000
モントゴメリー腺除去1個¥20,000

リスクについて

脂肪注入豊胸のリスク

・吸引部の皮膚が硬くなる、凹凸になる ・施術箇所の知党の麻痺・ 鈍さ、 しびれ ・皮膚の色素沈着 ・注入部にしこりができる ・テープかぶれ ・傷跡のもり上がり・ 凹み・ 色素沈着 ・感染 (化膿) ・仕上がりに左右差があると感じる ・物足りないと感じる ・膨らみすぎていると感じる ・血腫 ・皮膚の壊死

シリコンインプラントのリスク

・感染 (化膿) ・糸が露出する ・仕上がりに左右差があると感じる ・施術箇所の知覚の麻痺・ 鈍さ、しびれ ・傷跡のもり上がり・ 凹み・ 色素沈着 ・皮膚の表面が凸凹になる ・皮膚の壊死 ・血種 ・バストの位置が高すぎる、低すぎる ・左右差 ・バッグの輪郭が浮き出る ・バッグが胸の中で動く ・ 被膜拘縮(カプセル拘縮)

実際の症例

術式:コンデンスリッチ脂肪注入豊胸 術後1ヵ月
妊娠・出産・授乳によってバストがしわしわになってしまった、、、というお悩みの患者様の症例です。この患者様はデコルテからバストにかけての段差を気にされており、その部分がきれいな曲線になるようにしっかりと脂肪注入を行いました。脂肪注入は気になる部分に脂肪を入れつつ、ナチュラルにバストアップできる手術です。バッグ豊胸は全体のボリュームはアップできるのですが、気になるところはカバーできない可能性があります。ある程度胸の形をデザインしながら注入できるのが脂肪豊胸の良いところです。またお写真はお見せできないのですが、乳輪乳頭縮小も同時に行いました。妊娠・出産・授乳に伴い乳房だけでなく乳輪も変化する方も多いです。豊胸を同時に対応することも可能です。
施術料金:¥1,100,000 ※これ以外に、他院修正代・検査費用・麻酔費用等がかかることがあります。※モニター等で変動があります。
リスク・副作用:出血、血腫、感染、しこり、仕上がりに左右差を感じる、色素沈着、物足りないと感じる、皮膚壊死、傷跡、施術部位の麻痺・しびれ、脂肪採取部の凹凸・拘縮

まとめ【授乳後垂れた胸は豊胸手術で元に戻せる】

今日は妊娠・出産・授乳で垂れてしまった胸は元に戻せるのかどうかについて解説しました。

豊胸で元に戻すことは可能、タイミングとしては授乳が終わっていたらいつでも可能です。

現在の胸の状態や理想の形によって、最適な手術方法が異なるため、カウンセリングが非常に重要となります。

私は長年乳房再建の手術に携わり、インプラントバック豊胸はもちろん、お腹や太ももの自家組織をお胸に移植し、神経、血管など縫合しつなぎ合わせる難易度が高い乳房再建の手術もたくさん行ってきました。

豊胸において、求めるお胸の形を再現できる高い技術力と豊富な知識を兼ね備えていると自負しております。

授乳後のバストでお悩みの方がおられましたら、是非お気軽にご相談にお越しください。

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