手術をしても治らないクマがあるって本当?裏ハムラ法で改善する「影」と残る「色味」の真実

「目の下のクマを解消して、すっきりとした明るい目元になりたい」とカウンセリングに来られる方は非常に多くいらっしゃいます。ただ、最初にお伝えしておきたいのは、「手術をすれば、すべてのクマが跡形もなく消えるわけではない」ということです。

この事実をあらかじめ正しく理解しているかどうかで、治療を受けた後の満足度は大きく変わります。

目の下のクマには、手術によって根本的に治療できるものと、手術での改善が困難なものがあります。今回は、手術で治るクマと治らないクマの違いを解剖学的な視点から解説します。

目次

手術で「治るクマ」と「治らないクマ」の決定的な違い

目の下にできるクマは、その原因によっていくつかの種類に分類されます。

手術で根本的に治せる「影クマ(黒クマ)」

目の下に凸凹(段差)ができ、それが光の加減で影となって黒く見えているクマです。これは、脂肪の突出や靭帯の引き込みといった「立体的な構造の乱れ」が原因であるため、手術によってフラットに整えることで劇的に改善します。

手術での改善が困難な「茶クマ(色素沈着)」「青クマ(血行不良・皮膚の薄さ)」

茶クマ(摩擦や紫外線による色素沈着が原因)
青クマ(皮膚の薄さによる血管や筋肉の透けが原因)

皮膚そのものがメラニン色素によって茶色くくすんでいる状態や、皮膚が薄いために皮膚の下にある血管や筋肉の色味が透けて赤紫色や青色に見えている状態です。これらは皮膚そのものの色調やテクスチャー(質感)の変化によるものであるため、外科的な手術だけで完全に消し去ることは困難です。

凹凸による影が消えるだけでも目元は格段に美しく若々しくなりますが、皮膚自体の色調はうっすらと残る場合があります。この違いを事前に知っておくことが、術後のイメージギャップを防ぐために非常に重要です。

手術で改善する「影クマ」の根本的な原因

では、きれいに解消できるはずの「影クマ(凸凹)」がなぜできてしまうのか、まぶたの裏側の構造からお話しします。原因は大きく分けて2つあります。

原因①:余分な眼窩脂肪による膨らみ

生まれつきの骨格や、加齢による支持組織の緩みによって、眼球を支えている「眼窩脂肪」が前方へと押し出されるように突出してきます。

眼窩脂肪が前方へ突出して「膨らみ」を作る一方で、その下はティアトラフ靭帯に引っ張られて「凹み」のまま留まります。この隣り合う強烈な高低差によって、光が遮られて暗い「影(黒クマ)」が生まれます。

原因②:皮膚と骨を繋ぐ「ティアトラフ靭帯」による凹み

膨らむ脂肪のすぐ下には、皮膚と骨(眼窩縁)を強力に繋ぎ止めている「ティアトラフ靭帯」という頑丈な靭帯が存在します。

まぶたの断面図です。青いラインで示されているのが「ティアトラフ靭帯」です。この靭帯が杭(くい)のように皮膚を奥の骨側へと強く引き留めているため、目の下に深い「凹み(溝)」が形成されます。

この「前に飛び出す脂肪(膨らみ)」と、「奥へ引き留められる靭帯(凹み)」のダブルの作用が、目の下に深い影を作り出し、目元を老けて見せる根本的な原因です。

ここで注意しなければならないのは、凹みを伴うクマの場合、この引き留めている靭帯(ティアトラフ靭帯)の処理をしない「通常の脂肪取り(脱脂)」だけを行っても、凹み部分が残るためクマは根本的に改善しないということです。

裏ハムラ法がクマを解消し、目元を美しくするメカニズム

この「膨らみ」と「凹み」の強力な高低差を、一度の治療で同時に、かつ最も自然に解決できる術式が「裏ハムラ法(経結膜眼窩脂肪移動術)」です。

裏ハムラ法は、以下のようなステップで目元の土台を綺麗に整えます。

  1. 靭帯の解除: 目の下の凹みの原因となっている、皮膚を奥へ引き留めている靭帯を丁寧に剥がして解除します。
  2. 脂肪の移動: 靭帯を剥がしてできたスペースに、すぐ上にある余分な眼窩脂肪を減らさずにスライドさせ、凹んでいる部分に敷き詰めるように移動(再配置)させて固定します。

裏ハムラ法の大きなメリット

この手術の最大の強みは、すべてご自身の自家組織だけで治療が完結する点にあります。凹みを埋めるために、ヒアルロン酸などの異物を注入したり、太ももやお腹から脂肪を採取して注入したりする必要がありません。そのため、将来的なしこりのリスクや、注入物の吸収による後戻りの心配がなく、非常に安全性が高いと言えます。

さらに、余計な膨らみと凹みが改善されて土台が平らになることで、もともと持っていた涙袋の輪郭がキュッと引き締まって浮き出て見え、チーク(頬の位置)が高く若々しく見えるという素晴らしい効果もあります。

術直後から3ヶ月目までのリアルな経過とダウンタイム

裏ハムラ法は、皮膚の表面を切開しないため傷跡は見えませんが、まぶたの裏側(結膜側)からアプローチする繊細な手術です。実際の症例をもとに、時系列に沿ってリアルな経過を解説します。

① 術前と術直後:むくみや腫れが最も強く出る時期

上段(術前)では目の下に脂肪の突出による膨らみと、その下にしっかりとした凹み(溝)が確認できます。下段(術直後)は手術当日の状態です。皮膚の表面に傷はありませんが、組織の処置を行っているため、目の下に腫れが生じます。この段階の腫れは正常な経過ですので、心配いりません。また、左目の下の皮膚の表面には、うっすらとした皮膚自体の色味が確認できます。

② 術後1週間と術後3ヶ月:組織が馴染み、すっきりとした目元へ

上段(術後1週間)では、腫れのピークが過ぎ、急激にむくみが引いて馴染み始めていることが分かります。下段(術後3ヶ月)になると、目の下の余分な膨らみと靭帯による溝が完全に解消され、目元がフラットに整っています。土台が綺麗に整ったことで、涙袋の輪郭が自然に引き締まって見えます。

③ 全体の経過プロセス

上から順に「術前」「術直後」「術後1週間」「術後3ヶ月」の経過です。徐々に腫れが引いていき、3ヶ月目に向けて目の下が滑らかに整っていくプロセスが一目で分かります。

術前に目立っていた凸凹の影が完全になくなったことで、光が均一に当たるようになり、目元全体の印象が格段に明るく、健康的で若々しく変化しているのが分かります。

※見た目の大きな腫れやむくみは3ヶ月ほどで落ち着きますが、皮膚の裏側の組織が完全に柔らかくなり、本来のしなやかさを取り戻して本当の意味で完成するまでには、半年〜1年ほどの期間を要します。

クマの「色味」はどうして残る?お悩み別の原因と正しいアプローチ

手術によって目の下の凸凹(影)をフラットに整えても、皮膚自体が持っている「色味」がどのように変化するかは、クマの種類によって大きく異なります。

裏ハムラ法を行うことで同時にアプローチできる色味もあれば、どうしても手術での改善が難しく、術後のスキンケアや美容皮膚科治療が必要になるものもあります。ご自身のクマのタイプに合わせて、正しいアプローチを知っておきましょう。

① 赤クマ:眼輪筋の圧迫が原因 ➔ 裏ハムラ法でほぼ改善します

赤クマは、目の下の非常に薄い皮膚から、すぐ下にある「眼輪筋」という筋肉が赤く透けて見えている状態です。

  • 原因: 前方に飛び出してきた眼窩脂肪が、眼輪筋を内側から強く押し出し、圧迫することで筋肉の赤みが皮膚表面に透けやすくなります。
  • アプローチ: 裏ハムラ法によって眼窩脂肪の膨らみを適切な位置へ移動させ、筋肉への圧迫を解消してあげることで、赤クマはほとんどの場合すっきりと改善します。

② 青クマ:血行不良と透けが原因 ➔ 裏ハムラ法で血流が良くなり改善が期待できます

皮膚の下を通る血管が青暗く透けて見えるのが青クマです。眼精疲労や睡眠不足などが主な引き金となります。

  • 原因: 血行不良によって血管が拡張し、目立ちやすくなっていることに加え、目元の組織の滞りが影響しています。
  • アプローチ: 睡眠などの生活習慣の改善も大切ですが、手術においては裏ハムラ法が非常に有効です。裏ハムラ法では、骨と皮膚がくっついている「ティアトラフ靭帯」を丁寧に剥がして解除します。このプロセスによって目元の引き込みが解放され、滞っていた血液の流れがスムーズになるため、青クマも同時に改善することが多くあります。

③ 茶クマ:皮膚自体の色素沈着が原因 ➔ 手術ではなく、摩擦の排除と皮膚科治療が必要です

茶クマの正体は、皮膚の表面そのものにメラニン色素が定着してしまっている「色素沈着」です。

  • 原因: 目の周りをこする癖(摩擦)や、メイク落とし、紫外線などの刺激が慢性的に加わることで、過剰に作られたメラニンが排出されずに停滞しています。
  • アプローチ: 皮膚の表面自体のトラブルであるため、外科的な手術だけで綺麗に消すことはできません。
    • 日々のケア: まずは「目の周りを絶対にこすらない(摩擦ゼロ)」を徹底することが何より重要です。
    • クリニックでの治療: メラニンの生成を抑えるトラネキサム酸の内服や、ハイドロキノンクリームの塗布といった美容皮膚科治療を組み合わせることで、徐々に明るい色調へと導いていきます。

このように、裏ハムラ法は単に凸凹を平らにするだけでなく、赤クマや青クマといった「一部の色味」に対しても解剖学的に非常に良い効果をもたらします。

一方で、皮膚自体のくすみが原因の茶クマに対しては、手術という土台作りの後に、ご自身での丁寧なスキンケアや適切なインナーケアを根気よく積み重ねていくことが、明るい目元を叶えるための最短ルートです。

脱脂(脂肪取り)だけをおすすめしない、もう一つの理由

目の下のクマ治療を検討する際、「通常の脱脂(経結膜脱脂術)」を勧められるケースが非常に多いと思います。脱脂は、飛び出している眼窩脂肪だけを抜き取る比較的シンプルな手術です。

確かに、脂肪の膨らみだけが目立ち、その下に凹み(溝)が一切ないごく初期のクマであれば、脱脂だけでも綺麗に仕上がることがあります。しかし、現代社会においてカウンセリングに来られる方の多くは、膨らみだけでなくその下にしっかりとした「凹み」や「靭帯の引き込み」を併発しています。

もし、凹みがある目元に対して脂肪を抜くだけの脱脂を行うと、以下のようなリスクが生じます。

  • 目の下のさらなる平坦化・凹み: 膨らみは消えますが、もともと凹んでいた部分はそのまま残るため、目元全体がげっそりと痩せこけたような、不健康な印象(老け感)になってしまうことがあります。
  • 小じわの増加: 中身(脂肪)を抜き取ることで、風船の空気が抜けた時のように皮膚が余り、目の下に細かいシワがどっと増えてしまうケースが多々あります。

裏ハムラ法は、突出した脂肪を「捨てる」のではなく、凹んでいる部分に「移動させて再配置する」ため、目の下のボリュームを適切に温存しながら完全にフラットな状態を作ることができます。これにより、シワが生まれるリスクを最小限に抑え、ふっくらとした若々しい健康的な目元を維持することができるのです。

まとめ:満足度の高い治療のために正しい知識を持つこと

目の下のクマ治療において最も大切なのは、「何をすれば自分のクマが最も綺麗に改善するのか」を正確に見極めることです。

皮膚そのものの色調や薄さによる色味は、手術だけで完璧に消し去ることは困難ですが、原因である「膨らみ」と「凹み」の強力な高低差を裏ハムラ法で平らにならすだけでも、見違えるほど清潔感のある美しい目元が手に入ります。

私はカウンセリングの際、手術によって得られる劇的な変化だけでなく、現在の皮膚の質感がどのように残るのかといったリスクや限界も含め、解剖学的な根拠に基づいた事実を濁さずにすべてお伝えしています。

ただクマを消すだけでなく、あなた自身の素材を活かして、お顔全体のビジュアルを最も高めるための最適なデザインを一緒に考えていきましょう。少しでも目元のクマやたるみにお悩みの方は、ぜひお気軽に私のカウンセリングへお越しください。

裏ハムラ法

  • 定価: 48万円(税込)
  • リスク・副作用: 腫れ、内出血、左右差、下眼瞼の下垂、内反、外反、イメージ違い、感染、感覚鈍麻、血腫など。

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