鼻整形のテープ固定はいつまで必要?専門医が動画で“正しい方法”を解説

術後の鼻のテープ固定は、仕上がりを綺麗に保つために欠かせない工程です。
固定を怠ると、腫れが長引いたり、鼻先が丸くふくらんでしまう原因になることもあります。

鼻整形後のダウンタイムは不安が多い時期ですが、
正しい方法と期間を守ることで、完成度をぐっと高めることができます。
このページでは、専門医が動画付きで“正しいテープ固定のやり方”と“いつまで必要か”をわかりやすく解説します。


目次

なぜ鼻整形後にテープ固定が必要なのか

鼻の手術後は、内部で「腫れ」「出血」「浮腫(むくみ)」が起こり、皮膚や軟骨がまだ安定していません。
この時期に外から軽く圧をかけて支えることで、

  • 腫れを早く引かせる
  • 鼻筋や鼻先の左右差を防ぐ
  • 傷跡の癒着を整える
    といった大切な役割を果たします。

特に瘢痕(はんこん)が厚くなると、鼻尖(鼻先)がふくらんで見えることがあります。
これは皮膚の下で線維組織が硬く盛り上がってしまうため。
術後のテープ固定はこの「瘢痕肥厚」を防ぎ、鼻先をシャープに保つためにも重要です。


正しいテープ固定の方法(動画で解説)

テープ固定の基本手順

  1. 頬のサイズに合わせてテープを3枚切ります。鼻根から鼻先に向かって少し重ねながらテープを貼ります。
  2. 長めにテープを1枚切り、鼻根から鼻背に沿ってテープを貼り、鼻先にループを作ります。
  3. できたループの粘着面を貼り合わせます。(鼻先を包むイメージ)
  4. 3〜4cm程度にテープを切り、鼻先を包むように上から貼り付けます。
  5. 余分な部分を切り、全体のバランスを整えたら完成です。

ポイント:

  • 術後3か月までは夜間も含めてテープ固定を行うことが理想です。
  • 在宅中や就寝時はできるだけ貼るようにしましょう。
  • かぶれた場合は一度休み、肌が落ち着いたら再開します。
  • 洗顔時は優しく泡洗いを行い、テープは毎日清潔なものに貼り替えてください。

テープ固定はいつまで必要?

鼻整形の固定には、「ギプス」と「テープ」の2つの段階があります。
まずは手術直後、骨や軟骨をしっかり安定させるためにギプスで固定します。
このギプス固定は通常1週間、鼻骨の骨切りを行った場合は約2週間が目安です。

ただし、ギプスを外した時点では、鼻の内部の腫れや瘢痕(はんこん)はまだ落ち着いていません。
見た目が安定していても、実際には内部で組織がゆっくりと動いている段階です。

そのため、ギプスが外れたあともテープ固定を続けることがとても大切です。


テープ固定を続ける理由

  • 腫れやむくみの再発を防ぐ
  • 瘢痕の盛り上がりを抑えて鼻先の丸みを防止
  • 鼻筋や鼻尖の左右差を整える
  • 最終的な鼻の形を“育てる”

特に鼻尖部(鼻先)は瘢痕が厚くなりやすく、放置すると丸く膨らんで見えることがあります。
テープ固定で軽く圧をかけることで、余分な線維化を防ぎ、シャープな鼻先を維持できます。


固定期間の考え方

僕のクリニックでは、基本的に術後3か月間のテープ固定を推奨しています。
最初の1〜2週間は日中も含めてしっかり固定し、
その後は在宅中や夜間を中心に固定を続けます。

夜は血流が緩みやすく、むくみが戻りやすい時間帯です。
寝ている間だけでもテープをしておくことで、鼻先のふくらみ(tip bulging)を防ぐことができます。


固定をやめるタイミング

  • 鼻の硬さが落ち着いて、むくみがほとんどない
  • テープを外しても形が変わらない

この状態になったら、少しずつテープの頻度を減らしてOKです。
ただし、自己判断せず、必ず医師と相談しながら進めましょう。


テープ固定を怠るとどうなる?

  • 腫れが長引く
  • 鼻先が丸く・広く見える
  • 傷跡(瘢痕)が硬くなる
  • 鼻筋の左右差が出やすくなる

「もう大丈夫かな」と自己判断で外してしまうと、
形が安定する前に皮膚が引っ張られて歪みが出ることもあります。
鼻整形は“手術で終わり”ではなく、“固定で仕上げる”ものです。


よくある質問と注意点

Q. テープが剥がれてきたら?
上から重ね貼りせず、一度剥がして新しいテープに貼り替えましょう。
重ねると皮膚が引っ張られて赤みやかぶれの原因になります。


Q. かぶれてしまう場合は?
医療用の低刺激タイプ(3Mマイクロポアなど)を使用してください。
赤みや痒みが強い場合は一時的に中止し、医師に相談を。


Q. テープ固定中に仕事や外出は?
問題ありません。
日中はマスクをしていればほとんど目立ちません。


Q. テープの跡が気になるときは?
保湿を心がけましょう。
時間とともに跡は自然に薄くなります。
無理に擦ると色素沈着の原因になるため注意してください。


Q. テープを3か月も続けるのは大変…やめてもいい?
途中で完全にやめてしまうと、瘢痕が硬くなり鼻先が丸く見えることがあります。
最低でも夜間だけは続けるようにしましょう。
「形が安定してから外す」が鉄則です。


Q. テープの種類に指定はありますか?
基本的には、医療用紙テープ(3Mマイクロポアなど)が推奨です。Amazonなどでも購入できます。
通気性がよく、肌に優しいタイプを選びましょう。
絆創膏や布タイプは粘着が強く、皮膚を傷める可能性があります。


Q. 自分で貼るのが難しいときはどうすれば?
動画を見ながら練習すればコツがつかめます。
どうしても難しい場合は、通院時にスタッフが貼り方を再確認しますので、遠慮なく相談してください。


Q. 花粉症や風邪で鼻をかみたいときは?
鼻を強くかむと内部の腫れが悪化します。
できるだけ優しく、片側ずつ軽く押さえるように。


まとめ

鼻整形のテープ固定は、見た目を整えるためだけでなく、
鼻先の形を守り、瘢痕を防ぐための大切な工程です。

手術直後の1〜2週間は、ギプスでしっかりと形を支えます。
その後も在宅時や夜間だけでもテープ固定を続けることで、
鼻のラインはより滑らかに、自然で上品な仕上がりへと安定していきます。

少し手間に感じるかもしれませんが、
この“固定の時間”こそが、鼻を美しく育てるための最も確実なステップです。
焦らず丁寧にケアを続けることが、理想の形へのいちばんの近道です。

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