口周り(小鼻、人中、口角等)の手術は傷跡が残りやすい?傷跡を軽減するためにした方がいいこと

人中短縮や小鼻縮小など、顔のバランスを整えるために行われる人気の施術です。ですが、手術を受けて「傷跡が残ったらどうしよう」と不安に思っている方も多いと思います。

確かに口周りの手術は他の部位に比べると傷跡は残りやすいです。ただ、その理由や軽減する方法を把握しておくことで、傷跡は残るというリスクを軽減することができます。

今回は外側人中短縮を行った患者さまの傷跡の写真とともに、傷跡が残る理由や、傷跡をなるべく残さないための対策を解説したいと思います。

目次

口周りの手術は傷が目立ちやすい、その理由は?

小鼻、人中・口角等の口周りの手術は傷が目立ちやすいです。

これは口元付近の安静を保つのは難しいから。
生きている限り、食事や会話が不要な人はなかなか居ません。

話す、食事をするたびに、複雑にグネグネとよく動きます。
他の部位だと傷跡をテープで固定し傷の安静を保つこともできるのですが、口周りは何かと汚れやすいのでテープで固定もできません。

ですが綺麗に治す方法が無い訳ではありません。
傷跡を残さないための対策を説明していきます。

口周りの手術、傷跡を残さないためにしたいこと

どの整形もそうですが、皮膚切開を伴う手術は傷跡が完全に消えることはありません。
ですが、傷跡が残るにしても、目立たない形での施術は可能です。傷が目立たないようにするための対策を説明していきます。

①術前後のスキンケア
 保湿から併用施術まで

②傷のケア
 保湿、遮光、保護、この3つが重要

③安静を保つ
 やりにくいけどやれることはある

④手術技術は高く
 縫合技術と適応判断

⑤出来るだけ皮膚を切らない
 治療法の選択が一番大事

この5つとなります。
まずは基本から→徐々に根本的なこととなっていきます。

①術前後のスキンケア

まず傷をきれいに治すためには、
【乾燥を防ぎ皮脂分泌をコントロール】
することが重要です。

乾燥している状態が一番ダメですが、皮脂でテカテカの皮膚も良くないです。

では実際にどの施術をすれば皮脂を抑えられるか?

マイクロボトックス

マイクロボトックスは、皮膚の比較的浅い層にボツリヌストキシン製剤を細かく、少量ずつ注入する施術することで、皮脂腺や汗腺に働きかける施術です。

小鼻関連の施術は術前にマイクロボトックスを打つことで、皮脂の分泌を抑えて傷の炎症を抑えることができます。また、鼻を動かす筋肉にも効かせることで傷への負担を減らすこともできます。人中短縮で鼻下の皮膚を切るときも必ずオススメします。

ハイドラフェイシャル

ハイドラフェイシャルは、洗浄と同時に吸引をすることで、毛穴の汚れをとり、古くなった角質を除去することができる装置です。手術直前にはハイドラフェイシャルで毛穴の汚れを取っておくと良いです。皮膚常在菌の増加を抑えることで、傷の感染や炎症を抑えることが出来ます。

②傷のケア

傷そのものに対してのケアも重要です。
「保湿」「遮光」「保護」この3つが基本です。

保湿

保湿することで適度な湿度を保ち、皮膚の修復力を高めます。傷跡が乾燥してしまうと、痒みや痛みが出てくるほか、赤みがいつまでも残ってしまうため、しっかり保湿を行いましょう。当院では傷跡の保湿にワセリンをお渡ししています。

遮光

傷跡は、紫外線に当たると色素沈着を起こしてしまいます。色素沈着は起こしてしまうとなかなか治りません。色素沈着を起こさないように、しっかり予防することが重要なのです。最低でも半年は、日焼け止めや遮光性のテープなどでしっかり紫外線対策を行いましょう。

保護

傷跡を掻いたりこすったりすると、傷跡が赤くなったり、また傷になったりしてしまうことがあります。傷跡は触らない、刺激を与えないということが大切です。

③傷の安静を保つ

口元周辺はなかなか安静を保ちにくい…
ですが、やれることはあります。

ダウンタイムの確保

まずはダウンタイムをしっかり確保しましょう。これは基本です。
術後、入浴や飲酒、激しい運動など血行が良くなることをすると、出血の原因となり、腫れや内出血に繋がりダウンタイムが長引き、傷跡にも影響します。

口周りを動かさない

極力喋らない、食事は吸わない・噛まないで飲み込めるものにする等、口周りをなるべく動かさないようにしましょう。特に口角の手術では大きく口を開けないように気をつけましょう。

ボトックス

上記のように日常動作で意識して気を付けることも大切なのですが、ここでもやはりボトックスが有効です。表情筋の動きを止めてしまうことで、傷の安静を保つことができます。

テープ固定

口周りは汚れたり動かしたりで厳しいのですが、小鼻の傷跡はテープ固定も有効です。
傷跡はさまざまな方向に引っ張られると、傷自体が広がってしまい、治りも悪くなります。そのため傷跡はテープで固定してあげるといいでしょう。

④手術技術

縫合の美しさは基本のキです。
手術が上手に行われていなければ、いくら術後のケアが完璧でも傷はきれいに治りません。

切開位置やメスの入れ方、皮下の剥離と切除量の調節等などは形成外科の経験があると有利です。

けど直接美容の道を進んでいる先生達の中にもとても上手な先生は沢山いるなと感じます。
個人のバラツキが大きいです。

⑤できるだけ皮膚を切らない

根本的な話になりますが、そもそも皮膚を切らない。
切らなければ傷はできないわけですから。

「できるだけ切らない」
「切らないでなんとかする」

切らないでも結果が出るように努力する。ずっと考える。
そうやって色々な治療法が開発されてきたのです。

人中短縮に関しては、切開法も行っていますが、『傷がつかない人中短縮』もあります。これは僕のオリジナルの術式です。
口腔内から切開、口輪筋を切除短縮するため、皮膚に傷をつけることなく半永久的に人中を短くすることができます。人中短縮効果は欲しいけど見えるところに傷は絶対につけたくない方におすすめです。

実際の口元の手術の傷跡の写真

写真は鼻と外側人中短縮(口唇上)を併用した方、の抜糸直前です。

どの整形もそうですが、皮膚切開を伴う手術は傷跡が完全に消えることはありません。
ですが、傷跡が残るにしても、目立たない形での施術は可能です。傷が目立たないように工夫しながら切開、縫合を行っています。

縫合は皮膚と上口唇の境目に沿って縫うので、傷あとも目立ちません。1週間でこの程度です。

抜糸直後の状態です。傷あとはほとんどわかりませんね。抜糸が終わるとメイクで隠すことも可能です。傷あとの赤みはこれからもっと引いていくので、まだまだ目立たなくなります。

まとめ

口周りの手術は他の部位に比べると傷跡は残りやすいが、その理由や軽減する方法を把握しておくことで、傷跡は残るというリスクを軽減することができる

ということが分かったかと思います。

口周りの手術の傷跡が残りやすい理由
→口元付近の安静を保つのは難しいから。(話す、食べる)

口周りの手術、傷跡を残さないための対策として、
①術前後のスキンケア
②傷跡のケア
③安静を保つ
④手術技術は高く
⑤出来るだけ皮膚を切らない

この5つが重要。

僕は特に口周りの手術を得意としていますので、症例写真の通り、傷跡をほとんど目立たないように手術することが可能です。

ですが、口周りの手術を行うにしても、人中を短くすればいい、唇を薄くすればいい、など単純なものではありません。

パーツをきれいにするのはもちろん大事ですが、三次元的な凹凸、立体感のバランスも必要なのです。
そのため、口周りのバランスやその他の部位の位置関係も考慮した上で、適切な治療方法を選択する必要があるのです。

ぜひお気軽にご相談ください。

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