鼻整形をした後、感染リスクについて不安になる方は多いと思います。
一体感染リスクはいつまで続くのでしょうか?他にも感染したらどのような症状が出るかなどお話したいと思います。
鼻整形後の感染、なぜ起こる?
皮膚や鼻の穴の中は常に菌がいる状態です。鼻の手術によって開いた部分から菌が入り込んで繁殖することで感染が発生します。特にプロテーゼや糸などの異物は感染源になりやすいです。
感染が起こってしまうと、手術部位が炎症を繰り返し、最悪の場合皮膚が壊死してしまうこともあります。
なぜプロテーゼや糸などの異物が感染源になりやすいのか?
それは「血流」が関係してきます。術後、手術した部位に細菌が付着しても、血流があると血液の中の細菌を倒す細胞が働いてくれます。しかしプロテーゼや糸は「人工物」なので、血流がありません。体内の細菌が手術部位に細菌が付着すると、繁殖して感染を起こしてしまうのです。
そのため、耳介軟骨や肋軟骨などの自家組織に比べ、プロテーゼや糸などは感染リスクが高いと言われているのです。
感染には血流が大きく関係しています。術後の感染予防のためにも、血流が悪くなることは絶対にやめましょう。
血流が悪くなる大きな要因、タバコ
ニコチンは血管を収縮させ、血流を悪くします。喫煙することで、術後の感染リスクはグッと上昇します。手術前後は必ず禁煙しましょう。最低でも術後1ヵ月は禁煙してください。
鼻整形の感染リスクはいつまで続く?
鼻の感染リスクがいつまで続くか、これは異物があるかどうかで大きく変わります。
異物(プロテーゼや糸)がなかったら基本的には手術をしていない人と同じ状態になります。
異物があった場合は、術後の急性期(術後約2週間)が終わった後でも、何年たったとしても、異物に細菌がついて繁殖して感染症を起こす、というリスクはずっとあります。
そのようなリスクがあるということを踏まえて、鼻整形を検討する必要があります。
鼻感染の兆候、起きたらどうなる?
鼻整形の感染の兆候には、次のようなものがあります。
・手術部位の異常な熱感、強い痛み、強い腫れが長引く
・鼻の色が真っ赤
・鼻がテカテカしている
感染の兆候が見られた場合、まずは抗生剤の投与を行います。濃がたまっている場合は切開して洗浄します。それでも改善しない場合は、移植物の抜去が必要になります。
感染を放置すると、皮膚がひきつる、破れる、プロテーゼが飛び出る、皮膚が凹むなどの症状が出る可能性があるため、必ず治療が必要です。
感染リスクを避けるために
かなり怖いことを言いましたが、術後感染は割合としてはかなり低い割合です。ですが、0%ではないので、感染リスクを避けるためにも以下のことを注意しましょう。
- 血流が悪くなるようなことはしない
先ほども言ったようにタバコは絶対にだめです。あとは免疫が下がると感染リスクが高くなるので、十分な睡眠や規則正しい生活を心がけてください。 - 適切な傷口ケア
術後清潔を保つことが大切です。綿棒で優しくケアをしましょう。 - 手洗い
生活の場には目には見えない菌がたくさんいます。手洗いは感染予防の基本です。 - 人混みを避ける
人混みにいくことで風邪などにかかってしまうと免疫力低下→感染リスクに繋がるため、人混みも避けましょう。 - 医師のフォローアップ
術後の経過観察はとても重要です。手術して終わりではありません。フォローの通院のご協力をお願いします。 - 異物(シリコンプロテーゼ)を使用せず、自家組織を使用する
自家組織での移植は、拒絶反応や異物反応、アレルギー反応が起こりにくいため、プロテーゼに比べると感染リスクも低いです。
軟骨の採取部位としては
・耳介軟骨(耳)
・肋軟骨(胸)
・鼻中隔軟骨(鼻の奥)
などが一般的です。移植軟骨についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
鼻中隔延長などの鼻整形で使用する移植軟骨(耳介軟骨、肋軟骨、鼻中隔軟骨)どれが一番いい?
異物(オステオポール、メッシュ)使用後の他院修正をした症例
症例①
オステオポール、メッシュを使用してきて、鼻が不自然な形になってしまっていました。
異物を除去し、すべて自家組織で鼻を創りました。
オステオポールやメッシュなどはお手軽ですがリスクも大きいので要注意です。
症例②
まとめ
以上、鼻整形後の感染リスクについて解説しました。
- 術後の感染は「血流」が大事
- 人工物(シリコンプロテーゼなど)は血流がないため、感染リスクは高まる
- 自家組織だとしっかり血流もあるので人工物に比べて感染リスクは少ない
- タバコは血流が悪くなるので必ず禁煙
- 術後の生活する上で感染予防は大事
当院はオステオポールやメッシュなどの抜去、他院で行った鼻整形後の修正手術も行っています。お悩みの方はぜひご相談ください。