目頭切開は必要?埋没と併用した時のダウンタイムと効果の違い

二重埋没を希望される患者様から、
「目頭切開も一緒にやった方がいいですか?」
というご質問は、本当に多くいただきます。

私は毎日、さまざまな目元の診察を行っていますが、二重の形は「まぶたの皮膚の厚み」や「脂肪量」だけで決まるわけではありません。
実は、目頭(蒙古襞)の形や強さが、二重ラインの“内側”に大きく影響することが多いのです。

このコラムでは、
目頭切開は必要なのか?
埋没と併用するとどんな効果があるのか?
ダウンタイムはどれくらいなのか?

を、症例写真(術直後〜3ヶ月)を交えながら、できるだけ分かりやすく解説していきます。

目次

二重だけでは理想の形にならない理由

“内側が見えづらくなる”のは蒙古襞の影響

二重埋没だけでは理想の形にならないケースがあります。

「幅を広くしたのに、写真だと内側だけラインが消えてしまう」
「平行二重にしたいのに、どうしても末広に戻ってしまう」

…こういった悩みの原因が、まぶた単体ではなく蒙古襞(もうこひだ)=目頭の皮膚のかぶり具合にあることは珍しくありません。

蒙古襞が強いと、綺麗なラインを作っても、内側が蒙古襞に押されて弱く見えることがあります。

ここでよく聞かれるのが、
「じゃあ目頭切開は必ず必要なんですか?」
という質問です。

結論は、
必要な人もいれば、不要な人もいる。
これに尽きます。

ただし、二重と目頭は切り離して考えるのではなく、“セットでバランスを見る”ことが非常に重要です。

埋没法で二重を作りながら、目頭の方向・開き具合を一緒に見ていくと、より自然で大きく見える目元に仕上げることができます。

目頭切開が必要になるケースとは

「目頭切開の必要性」は、診察すると割とハッキリ分かれます。
医師として見るポイントは、以下の4つです。

① 蒙古襞の強さ
蒙古襞が強いと、二重の内側がどうしても弱く見えます。こういう場合は、目頭をほんの少し整えるだけで、二重ラインが一気に自然に広がることがあります。

② 理想の二重デザイン(平行/末広)
平行型二重を希望される方は特に、蒙古襞の強さが大きく影響します。

蒙古襞が強いままで平行型を作ろうとすると、内側のラインだけ消えてしまい、「写真では平行っぽいのに、正面では末広に見える」ということが起こります。

③ 黒目の位置・見え方
目頭の白目がどれくらい見えているかも、自然・不自然の判断材料になります。

“ただ切る=自然に見える”ではなく、その人の顔が持っている“自然の許容範囲”を見極めることが大切です。

④ 顔全体のバランス
目頭だけが強調されると、
・きつい
・鋭い
・寄って見える
といった印象が出やすくなります。

無理にする必要はない
私は診察で、
「やらなくていい人にはやらない方が自然です」
と必ずお伝えしています。

目頭切開は“万能な魔法の手術”ではなく、必要な部分だけ最小限に整える方が、上品で自然な目元になります。

埋没と目頭切開を併用するメリット

二重埋没と目頭切開を組み合わせることで、内側のラインが自然につながりやすくなり、特に以下のようなメリットがあります。

① 二重の内側が安定しやすい
蒙古襞が強い方でも、目頭を整えることで二重がスッと流れるように続き、安定したラインに仕上がります。

② 平行二重が自然に作りやすい
平行二重は蒙古襞が強いと再現が難しいのですが、切りすぎなくても、ほんの少し整えるだけで自然な平行に近づきます。

③ 横幅+縦幅のバランスが整う
目頭の形が整うことで、黒目の見え方が変わり、目全体が明るく見えるようになります。

④ やりすぎると不自然
これは最も重要です。
目頭を開きすぎると、
・寄って見える
・鋭い印象
・人工的な目
になりやすいです。

そのため私は、埋没ラインと目頭の方向を何度も確認しながらミリ単位で微調整し、その方にとってもっとも自然な位置を探します。

リドレープ法の特徴とZ法との違い

今回の症例でも使用しているリドレープ法は、傷が顔の前面に出にくく、自然に馴染みやすい術式です。

リドレープ法の特徴

・正面から見える傷が非常に少ない
・皮膚のテンションと向きを考慮した切開
・傷が広がりにくい
・自然なラインに馴染みやすい

直後はどうしても赤みが強く、傷が大きく見える時期がありますが、これは正常な経過で、時間とともに必ず落ち着きます。

Z法も良い術式

Z法が悪いというわけではありません。
適応が合っていれば非常に綺麗に治ります。

重要なのは術式の“優劣”ではなく、蒙古襞の形と、自然なデザインにどの術式が合うか。ここを丁寧に見極めることです。

二重埋没+目頭切開のダウンタイム経過:術直後〜3ヶ月のリアル変化

● 術直後
腫れ・赤みが強く、目頭の傷が大きく見えますが、これは正常な初期反応です。

● 術後1週間
腫れのピークを過ぎ、赤みは残るものの抜糸後はメイクで隠せる方が増えます。

● 術後1ヶ月
「傷が最も硬くなる時期」です。
つっぱり感もまだ残っていますが、一時的なもので、この後しっかり馴染んでいきます。

● 術後3ヶ月
赤みが落ち着き、傷が薄く自然に馴染みます。二重のラインも安定し、全体のバランスが整います。

今回の患者様では、“内側のラインが弱く見える原因”が蒙古襞によるものでした。
埋没と目頭切開を併用することでラインが自然につながり、3ヶ月時点では傷も目立たず、非常に自然な仕上がりになりました。

まとめ:目元は「足し算」ではなく「設計」

目元の美しさは、ただ広げれば良いというものではありません。
必要な部分を最小限に整え、その人が持つ自然なバランスの中で最大限の美しさを引き出すことが大切です。

「埋没だけで足りるのか?」
「目頭切開は必要なのか?」

これは診察で判断できます。
あなたの目元にとっていちばん自然で負担の少ない方法を、一緒に相談しながら決めていきましょう。

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