タレ目にせず目の横幅だけ広げたい|白目拡大術で本当に可能?【専門医が解説】

「目を大きく見せたいけど、タレ目っぽくなるのは嫌なんです」

私の外来では、「白目を広げたいけどタレ目にしたくない」といったご相談をいただくこともあります。白目拡大術=タレ目形成と思っている方もいらっしゃいますが、実際には設計によって、タレ目風にすることも、横幅だけを自然に広げることも可能です。

今回は、“タレ目にせず、目の横幅だけを自然に広げたい”というニーズに対して、白目拡大術が本当に適しているのか、どこまで可能なのかを、専門医の立場からお話しします。


白目拡大術とは?

白目拡大術

白目拡大術とは、文字通り「白目(=黒目の両端にある結膜部分)」の見える範囲を広げ、目を横方向に拡張して大きく見せる手術です。特にアプローチするのは目尻側(外眼角)で、黒目の外側にある白目の“余白”を広げることで、ぱっちりとした印象をつくることができます。

私が行っているのは、「島田式白目拡大術」と呼ばれるオリジナルの術式です。1500例以上の症例経験をもとに再構築・アレンジしており、他院にはない独自の設計を特徴としています。

以下のような複数の施術を、目元の構造やご希望に応じて組み合わせることで、より自然に、戻りにくく、印象をコントロールすることが可能になります。

  • 目尻切開
  • 目尻靭帯移動
  • 涙袋形成
  • タレ目形成(結膜切開)
  • 下眼瞼脱脂(クマ治療)

目尻側の構造を多方向から整えることで、白目の範囲を無理なく広げます。ナチュラルに目力を出したい方におすすめの施術です。


白目拡大術でタレ目にせず、横幅だけを広げることは可能?

結論から申し上げると、白目拡大術でタレ目にせず、横方向のみの拡張は可能です。

その鍵となるのが、「靭帯の剥離方向と固定角度の設計」です。

たとえば、靭帯を外側にのみ動かし、下方向へのテンションを加えなければ、タレ目の印象は出ません。逆に少しでも下に引くと、目尻の位置が変わり、目の形そのものが変化します。

また、白目拡大術では、まぶたの裏側からのアプローチ(結膜切開)を通じて、CPF(眼瞼筋膜)を縫い縮め、瞼板に固定する操作を加えることがあります。この固定位置の選定と縫縮の強さによって、目尻をどの方向に引くか(あるいは引かないか)を細かく調整できます。つまりこの工程により、下制をほとんど加えずに横方向のみの拡張にとどめる設計も可能です。

“目尻の位置を変えずに白目の面積だけを広げる”には、以下のような術前評価と精密な設計が必要です。

  • 結膜の余裕の見極め
  • 靭帯の可動性
  • 骨構造とのバランス

私の白目拡大術では、これらの構造を精査したうえで患者さんごとに最適なバランスを見極め、必要最小限の剥離・固定で、タレ目にせず横幅を自然に広げることが可能です。


実際の症例:白目拡大術+目頭切開で横幅を広げたケース

before
after

今回ご紹介するのは、「白目拡大術+目頭切開(リドレープ法)」を組み合わせて横幅を広げた症例です。

術前は目の横幅がやや短く、控えめな印象でしたが、術後6ヶ月の時点で、目頭側はリドレープ法により自然に開き、目尻側は白目拡大術で外眼角の位置を調整することで、横方向にバランスよく拡張されました。

白目拡大術だけでも十分に効果はありますが、目の横幅をよりしっかり出したい方には、白目拡大術+目頭切開(リドレープ法)の組み合わせが特に有効です。構造的なアプローチで戻りにくく、自然な印象のまま横幅を出せるのが大きなメリットです。


“横幅だけ”広げる白目拡大術が向いている人とは?

以下のような方には、目尻を下げないタイプの白目拡大術が適しています。

  • つり目の印象を残したい方
  • クール・シャープな目元の印象を維持したい方
  • 「目を大きくしたいけど、タレ目は似合わない」と感じている方
  • 目尻の位置は変えずに、白目の余白だけを整えたい方

このようなデザインは、術者側の構造把握力と縫合設計の経験が求められます。


【白目拡大術】手術の流れ・ダウンタイム

  • 施術時間:約120分
  • 麻酔:局所麻酔、希望により静脈麻酔、笑気麻酔
  • シャワー:当日より可能です
  • 洗顔:当日より可能ですが、強くこすらないようご注意ください
  • メイク:目元は抜糸翌日より可能です
  • ダウンタイム
    • 腫れ:1週間
    • 内出血:2週間
    • 結膜浮腫:0〜2週間
    • 赤み:目尻の赤みが数ヶ月残ることがあります
      ※ダウンタイムには個人差があります

まとめ

白目拡大術は、単に目を大きく見せる手術ではありません。「横幅だけを広げたい」「タレ目にはしたくない」といった繊細なご希望にも対応できる、“構造的に設計された”アプローチが求められます。

私が行う島田式白目拡大術では、靭帯の可動域や固定角度、結膜の余剰、骨格とのバランスまでを総合的に評価し、自然で調和の取れた横幅の拡張を目指します。

  • 白目の余白を自然に広げたい
  • 目尻は下げず、クールな印象を保ちたい
  • グラマラスラインでは物足りないが、派手すぎるのは避けたい

このような方にとって、白目拡大術は有力な選択肢となり得ます。

「どこをどれだけ広げるか」ではなく、「どう見えるか」「どう感じられるか」まで含めて設計する──
その視点こそが、美しい目元づくりの鍵になると私は考えています。

「タレ目にはしたくないが、目の横幅は広げたい」
このようなご希望にも、靭帯の移動方向や固定設計を工夫することで、十分に対応できます。

白目拡大術は、柔軟に対応できる奥深い手術です。

ご自身の理想の目元に近づくために、構造から設計するアプローチを。
ぜひ一度、ご相談にお越しください。

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