「糸リフトを受けたけど、笑うと引きつる感じがする」「触るとチクチクする」「見た目に左右差が出てしまった」
糸リフトは、比較的ダウンタイムが少なく、自然な若返り効果が得られる施術として人気がありますが、術後に違和感や引きつれ感を訴える方が一定数いらっしゃいます。
本記事では、糸リフト後に起こる違和感の原因や、それが一時的なものなのか、それとも修正が必要なケースなのかの見分け方など、形成外科専門医の視点からわかりやすく解説します。
糸リフト後に起きやすい「引きつれ・違和感」の主な症状とは?
術後に起こりやすい違和感には、以下のようなものがあります。
- 表情が引きつる(特に笑顔時)
- 片側だけ引き上がって見える、非対称に感じる
- 皮膚の下にチクチクとした感覚がある
- 触ると糸がわかる、しこりのような硬さを感じる
- 皮膚に凹みや波打ちが見られる
これらの症状は、術後数日〜数週間にかけて現れることがあり、必ずしも「失敗」や「異常」を意味するものではありません。
なぜ起きる?糸リフトの「引きつれ・違和感」の原因
表情筋との癒着や過剰な引き上げ
糸が筋肉に近い層に挿入された場合、表情を動かしたときに引きつる感覚が出ることがあります。
また、無理に強く引き上げすぎることで、皮膚の突っ張りや左右差が生じることもあります。
皮膚のたるみ・硬さとのミスマッチ
肌の弾力が失われていたり、硬くなっている部位に強いリフトをかけると、凹凸が出やすくなります。とくに頬の外側やフェイスラインはたるみの影響が出やすいポイントです。
糸の種類・層・本数の設計ミス
太くて強度の高い糸を浅い層に入れると目立ちやすく、吸収されるまでに違和感が続くことがあります。
また、本数を増やしすぎることで過度な緊張感が生じるケースもあります。
“一時的な違和感”と“要注意なトラブル”の見分け方
症状 | 一時的な反応 | 要注意のサイン |
---|---|---|
表情の引きつれ | ◯(1〜3週間以内) | △(片側だけ強い、長引く) |
触れるとチクチクする感覚 | ◯(1〜2週間で軽快) | △(3週間以上続く) |
しこり・硬さ | ◯(吸収中の一時的反応) | ◯(赤みや熱感を伴う場合は感染も考慮) |
凹み・皮膚の凹凸 | △(軽度で改善傾向あり) | ◯(深く目立ち、数週間以上変化がない) |
引きつれ・違和感が出たときの対応マニュアル
まずは焦らず、無理なマッサージはしない
糸リフト直後の違和感は、腫れや組織反応による一時的なものが多いため、無理に揉んだり伸ばしたりすると逆効果です。
特に吸収糸は体内で安定するまで2〜4週間程度かかるため、その間は過度な刺激を避けることが重要です。
違和感が長引く・悪化する場合は医師に相談を
- 1ヶ月以上経っても引きつれが改善しない
- 表情の歪みや左右差が強く残る
- 痛みや赤み、膿などの炎症症状がある
こういった場合は、施術を行ったクリニックへ早めに相談してください。
よくある質問(Q&A)
Q. 笑うと引きつるのが気になります。いつ治りますか?
A. 一般的には2〜3週間で軽快しますが、表情筋に近い位置に糸が入っているともう少し長引くこともあります。
Q. 糸の“しこり”のような硬さは触って大丈夫?
A. 吸収中の反応で一時的なことが多いですが、赤く腫れていたり痛みを伴う場合は必ず受診してください。
Q. 不自然な引き上がりを修正できますか?
A. 状況により、糸の一部除去や再調整、ヒアルロン酸や脂肪注入でバランスを整えることが可能です。
まとめ|「焦らず・放置せず」が糸リフトの術後ケアの鉄則
糸リフトは、構造的なたるみに対して効果を発揮する優れた施術ですが、「引きつれ」や「違和感」といった一時的な副反応はある程度起こり得るものです。
こうした違和感は、ほとんどが自然と改善しますが、長引いたり日常生活に支障を感じる場合には、早めに医師の診察を受けることが安心につながります。
当院では、糸の選定・挿入層・本数・方向などすべてを医学的根拠に基づいて設計し、施術後のケアまで責任を持って対応しています。
「自然に若返りたい」「でも不自然な仕上がりは避けたい」そんな方に寄り添える糸リフト治療を、丁寧にご提案しています。
不安な症状がある方、これから糸リフトを検討している方も、まずはお気軽にご相談ください。
