眉下リフト(眉下切開)を検討する際、多くの方が最も気にされるのが「傷跡が目立たないか」という点です。切開を伴う手術である以上、術後に傷が目立つ時期があるのは事実ですが、その経過を事前に知っておくことで、ダウンタイム中の不安は大きく軽減されます。
今回は私が担当した症例の経過写真を、術前のデザインから術後5ヶ月まで順番に見ながら解説します。「実際どのくらい傷が目立つのか」が気になっている方に、お伝えできればと思います。
眉下リフトとは
眉下リフトとは、眉毛の下縁に沿って切開を行い、上まぶたの余剰な皮膚を直接取り除くことで、目元の重みを解消する手術です。
- 目的: 上まぶたのたるみを取り除き、重たくなった目元をスッキリと若々しい印象に戻します。
- 二重ラインへの影響: この手術は二重のライン自体には直接触れません。そのため「今の二重の形は気に入っているけれど、重なりが深くなってラインが隠れてしまった」という方や、「二重の幅を広げずにまぶたの厚みだけを取りたい」という方に非常に適しています。
- 眼瞼下垂へのアプローチ: 眼瞼下垂手術(挙筋前転術など)を受けた後に、まだ皮膚の被さりが気になって重みを感じる方にとっても、非常に有力な選択肢となります。
- 自然な変化: まぶたの厚い部分ではなく、眉毛に近い側の比較的薄い皮膚を処理するため、術後の「整形した感」が出にくく、周りに気づかれにくい自然な変化を出しやすいのが特徴です。
眉下リフトの傷はどこにできるのか
手術を検討する上で最大の懸念点である「傷跡」についてですが、当院では眉毛の生え際に精密に合わせた設計を行うことで、時間の経過とともに傷が目立たなくなる工夫を徹底しています。
- デザインの重要性: 眉毛の形、左右差、まぶたのたるみの位置をミリ単位で計算し、傷が最も目立たなくなるラインを決定します。
- 内部処理: まぶたの重みの原因が皮膚だけでなく、眼輪筋や脂肪層(ROOF、眼窩脂肪)にある場合は、これらも適切に処理します。皮膚だけを切除するよりも、内部から構造を整えることで、より自然で軽い目元に仕上がります。
- 眉毛によるカモフラージュ: 切開ラインを眉毛の生え際に設定するため、術後、眉毛が伸びてくるにつれて傷跡を覆い隠すような仕組みになっています。
デザインで一番大切なこと
私は、二重や目元の手術において「流行」を追うべきではないと考えています。数年後、あるいは10年後に鏡を見たときに、「このとき手術をしておいて良かった」と納得できるラインを提案するのが医師の役割です。
デザインを決定する際は、以下の要素を総合的に診察しています。
- 骨格: 眉骨の張り出しや、目の周りの骨の形に合わせた自然な引き上げ角度を考慮します。
- まぶたの厚み: 皮膚の伸び具合だけでなく、皮下組織のボリュームを見極めます。
- 目の開き: 筋肉の動きを診て、術後にどれくらい目が開きやすくなるかを予測します。
- 眉との距離: 眉と目の距離が近づきすぎると、険しく不自然な表情に見えてしまうため、適切な余白を維持します。
私は「今かわいい」だけを追求するのではなく、「将来も違和感が出ないライン」を患者様と一緒に探すことを最も大切にしています。
術直後から5ヶ月までのリアルな経過
実際の症例写真を見ながら、傷跡の変化を追っていきます。
術直後の状態

手術直後は、切開部に沿って赤みがあり、腫れも伴います。 この症例では目立ちにくい透明な糸で縫合していますが、切開した直後の「傷」としての赤みは避けられません。
術後2〜3日が腫れのピークとなり、一時的にまぶたが重たく感じることがありますが、これは正常な反応です。この時期は血流が良くなりすぎないよう、激しい運動や飲酒などは控えていただきます。
術後1週間|抜糸


手術から約1週間後に抜糸を行います。 この症例では透明な糸で縫合しています。透明糸を使用すると、糸がついている状態でも遠目には分かりにくいのが大きな特徴です。
抜糸直後は、一時的に赤みが強く見えることがありますが、正常な経過であり、数日で落ち着いていきます。
抜糸が完了した翌日から傷跡を含めたフルメイクが可能になりますので、コンシーラーなどでカバーすれば、ほとんど目立たなくなります。
術後1ヶ月・2ヶ月|傷が隠れ始める


術後1ヶ月から2ヶ月にかけて、傷跡の質感が大きく変わります。
デザイン通り、眉毛が傷の上に重なるように生えてくるため、ノーメイクの状態でも「どこを切ったか分からない」という状態に近づいていきます。
赤みもピンク色から徐々に肌色へと馴染んでいき、患者様からも「思ったより早く傷が気にならなくなった」と喜んでいただくことが多い時期です。
術後5ヶ月|仕上がり

術後5ヶ月の状態です。
傷跡は眉毛のラインに完全に溶け込み、至近距離で見てもほとんど目立たない状態になっています(白い矢印の範囲が傷跡の部分です)。まぶたの引き上がりも安定し、重苦しかった目元が自然に、かつ確実にスッキリしています。まぶたが軽くなることで、額のシワが改善されるなどの副次的な効果も現れています。

傷を綺麗に仕上げるために徹底していること
眉下リフトは「切って縫うだけ」のシンプルな手術に見えるかもしれませんが、実は術者の技術差が非常に出やすい術式です。私が特に徹底しているのは以下の3点です。
- 緻密な縫合: 傷跡が太くならないよう、極細の糸を使用し、皮膚に余計なテンション(引っ張り)がかからないように精密に合わせます。
- 毛根を温存する切開: 眉毛の毛根を傷つけない角度で切開を行うことで、術後に傷跡をまたいで眉毛が生えてくるように工夫しています。
- 適切な内部処理: 皮膚だけを無理に引っ張ると傷が広がる原因になります。眼輪筋やROOFなどの内部組織をしっかり整え、表面の皮膚に負担をかけないことで、細く綺麗な傷跡を実現します。
ダウンタイム中のケアについて
傷跡をより美しく回復させるために、ご自宅で行っていただくケアは非常にシンプルですが重要です。
- 軟膏による保湿: 抜糸までの期間は、乾燥を防ぐために処方した軟膏を塗布していただきます。
- 紫外線対策の徹底: 術後半年間の傷跡は紫外線の影響を受けやすく、放置すると色素沈着の原因になります。日焼け止めや帽子などを活用し、物理的に日光を遮断することが、最終的な傷跡の美しさを左右します。日常のスキンケアに紫外線対策を組み込むことが、理想的な回復への近道です。
まとめ
眉下リフトの傷は、術直後こそ不安に感じるかもしれませんが、時間の経過とともに確実に馴染んでいきます。今回ご紹介した症例のように、5ヶ月後には眉毛のラインに溶け込み、目立たない状態まで改善するのが一般的です。
私は大阪院(新大阪)を中心に診療し、定期的に東京院でも診察を行っています。まぶたのたるみや重みでお悩みの方は、まずはカウンセリングで現在の状態を拝見させてください。あなたの骨格や筋肉の動きを診断し、最適な改善プランをご提案いたします。





