鼻整形後の鼻先の赤み|原因・経過・注意すべき症状まで医師が詳しく解説

鼻整形後、鼻先に赤みや腫れが生じることは比較的よく見られる反応です。しかし「いつまで続くの?」「この赤みは正常?異常?」といった不安を感じる方も少なくありません。

とくに鼻先は皮膚が薄く血流が豊富な部位であり、術後の炎症が現れやすいのが特徴です。この記事では、形成外科専門医・美容外科専門医の視点から、鼻整形後の赤みの原因や経過、注意すべき症状、そして当院で行っているダウンタイム軽減のための内服・点滴治療について詳しく解説します。


目次

鼻先の赤みが起こる理由とは?

術後の赤みにはさまざまな原因があり、それぞれ対処法や予後も異なります。代表的な要因を下記にまとめます。

① 正常な炎症反応(術後の生体反応)

皮膚を切開し、軟骨やプロテーゼを挿入する外科的操作を行った直後は、組織の修復過程で一時的に炎症反応が生じるのは当然のことです。とくに鼻先は皮膚が薄く軟骨に近いため、腫れや赤みが目立ちやすく、1ヶ月程度持続することもあります。

② 感染

術後1〜2週間以内に赤みが強くなり、痛みや熱感を伴う場合、感染症の可能性があります。感染が進行するとプロテーゼの露出、皮膚の壊死、瘢痕拘縮など、修正困難な合併症を引き起こすリスクもあります。

③ 異物反応・免疫反応|自家組織とプロテーゼの違い

プロテーゼなどの人工物(シリコンやゴアテックス)を使用した場合、体が異物と認識し、慢性的な炎症や赤み、最悪の場合プロテーゼの露出や感染といった合併症を引き起こすことがあります。

一方、耳介軟骨や肋軟骨などの自家組織を用いた鼻整形では、体にとって“自分自身の組織”であるため、異物反応のリスクは大幅に低下します

ただし、自家組織であっても血流の不良や過度な癒着、圧迫などがあった場合には炎症を引き起こすこともあり得るため、完全にリスクゼロというわけではありません。

そのため当院では、自家組織を用いる際も移植後の血流環境や組織の安定性を十分に考慮し、デザイン・固定方法・術後管理に至るまで細心の注意を払って手術を行っています。


鼻先の赤みはいつまで続くのか?経過の目安

赤みの程度と経過には個人差がありますが、おおよその目安としては以下のような経過をたどります。

経過期間状態の目安
術後〜1週間腫れ・赤みがピーク。内出血があることも。
2〜4週間徐々に赤み・腫れが引いてくる。メイクでカバー可能になることが多い。
1〜3ヶ月赤みが残る場合もあるが、自然に軽快していく。
3ヶ月以降ほとんどの場合は赤みが目立たなくなるが、炎症性トラブルがある場合は診察が必要。

特に皮膚の薄い方や血行が豊富な鼻尖部は赤みが長引きやすく、目立つ傾向にあります。


赤みが長引く場合のチェックポイント

以下の症状が見られる場合、通常の炎症ではなく異常所見(感染・異物反応など)の可能性もあるため、速やかに医師の診察を受けてください。

  • 赤みが数週間以上持続し、改善の兆しがない
  • 鼻先に強い痛みや熱感を感じる
  • 鼻先の皮膚が薄くなり、テカりや破れそうな質感がある
  • 膿や血の排出がある
  • 全身の発熱や倦怠感がある

放置するとプロテーゼ露出や皮膚壊死などの重篤な合併症につながる可能性もあります。


当院で行う“ダウンタイム軽減ケア”|術後の赤み・腫れを最小限に抑えるために

鼻整形の仕上がりに満足するためには、術後の回復プロセス=ダウンタイムのコントロールも非常に重要です。

当院では、術後の赤みや腫れ・内出血を最小限に抑えるために、内服+点滴によるサポート体制を整えています。


① ダウンタイム軽減用の内服セット

手術直後から数日間は、身体が炎症反応を起こしている状態です。当院ではこの反応をコントロールするために、ご希望の方には下記のような効能を持つ内服薬を組み合わせて処方しています。

  • 抗炎症・血流改善成分
     → 術後の腫れや赤みを軽減し、組織の修復をサポートします。
  • 水分代謝を整える成分
     → むくみを抑え、炎症物質の排出を促進。体内の余分な水分による腫れ感を改善します。
  • 打撲や内出血に働きかける成分
     → 微細な内出血や皮下の滲出液の吸収を助け、ダウンタイムの短縮を目指します。

これらの内服は、漢方・西洋医学の知見を組み合わせた当院独自の処方構成です。患者様ごとに体質や既往歴に応じて調整し、安心して服用いただけるよう配慮しています。


② 術後点滴で内側から炎症と戦う

ご希望の方には、「ダウンタイム軽減点滴」もご案内しています。

この点滴には以下のような働きがあります。

  • 抗炎症作用
     → 手術によって生じた組織のダメージを穏やかに鎮めます。
  • 抗浮腫・代謝促進成分
     → 術部の余分な水分の排出を促し、腫れを軽減します。
  • ビタミン類(B群・Cなど)
     → 細胞修復・創傷治癒・コラーゲン生成をサポート。術後の肌の回復を内側から支えます。
  • 疲労回復・免疫サポート成分
     → 術後の体力回復を助け、感染リスクの軽減にもつながります。

こうした点滴治療は、回復を早めたい方・仕事復帰を急ぎたい方・ダウンタイムを最小限に抑えたい方に特におすすめです。


鼻整形後の赤みは“必ず落ち着く”もの。必要なサポートは医師と一緒に

鼻先の赤みは、多くの場合時間の経過とともに自然に改善する正常な反応です。しかし、赤みの裏に隠れたリスクや異常を早期に見極めるには、術後の経過観察と医師による適切なサポートが重要です。

当院では、術後のケアまでしっかりとサポートする体制を整えています。「赤みが不安」「感染が心配」と感じたときは、遠慮なくご相談ください。術後も安心して過ごせるよう、あなたに合った対処法をご提案します。

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