鼻整形を検討している方の中には、アレルギー性鼻炎をお持ちの方も少なくありません。
「鼻炎があると手術に影響する?」「術後に炎症が起きやすい?」
そんな不安の声を、僕たち医師は日々のカウンセリングでよく耳にします。
今回は、アレルギー性鼻炎の方が鼻整形を受ける際の注意点と、術後に起こりうる症状とその対応について、詳しく解説していきます。
鼻整形はアレルギー性鼻炎があっても受けられる?
結論から言えば、アレルギー性鼻炎をお持ちの方でも鼻整形を受けることは可能です。
ただし、以下のような点には特に注意が必要です。
鼻を頻繁にかむ習慣がある方は要注意
鼻整形(特に鼻尖形成・鼻中隔延長・鼻翼縮小など)では、鼻の中や周囲に繊細な操作を加えるため、術後に強く鼻をかむことは厳禁です。
アレルギー性鼻炎があると、どうしても鼻水やくしゃみが増える傾向があるため、術後の腫れや出血、炎症のリスクが高くなる可能性があります。
術後の感染リスクも上がる
手術後の鼻腔は一時的にバリア機能が低下しています。
そこに鼻を頻繁にかむ行為が加わると、粘膜が傷つき、細菌やウイルスが入り込みやすくなります。これが原因で術後に感染を起こすケースもあります。
鼻整形後、鼻水が出たらどうしたらいい?
術後1~2週間は鼻の粘膜が浮腫みやすく、鼻水や鼻詰まりが起こりやすくなります。
これは手術による「正常な反応」ですが、鼻を強くかむことはNGです。
鼻水が出たときの正しい対処法
粘膜が完全に落ち着くまでは2〜4週間程度かかります。無理に刺激を与えると傷の治りが遅れたり、左右差が生じる原因になることもあります。
- 強くかまず、優しくティッシュでぬぐう
- 片側ずつ、力を入れすぎずに軽くかむ(医師の許可が出てから)
鼻水や鼻詰まりはいつまで続く?
ほとんどの方は2週間程度で症状が落ち着きますが、アレルギー性鼻炎が強い方は1ヶ月近く続くこともあります。
こんなときは受診を
- 1ヶ月以上経っても鼻詰まりや鼻水が続く
- 黄緑色の膿のような鼻水が出る
- 発熱や腫れが強くなってきた
こうした場合は、感染や炎症の可能性があるため、主治医への相談が必要です。
アレルギー性鼻炎持ちが鼻整形前後で気を付けるべきこと
術前の準備
- 花粉症シーズンなど症状が強く出る時期は避ける
- 内服薬や点鼻薬でアレルギー症状を事前にコントロールしておく
- 事前に医師に現在の治療内容や薬の服用状況を必ず伝える
術後の注意点
- 術後2週間は、強く鼻をかまない
- アレルギーが出そうな場面(ホコリ・花粉・ペットなど)を極力避ける
- 決して自己判断で薬の中止や変更はしない(術後の飲み合わせには注意が必要)
まとめ
アレルギー性鼻炎を持っている方でも、正しい知識と対策をもって臨めば、鼻整形を安全に受けることは十分可能です。ポイントは、術前の体調管理と、術後の丁寧なケアです。
特に、鼻を頻繁にかむ習慣やアレルゲンへの接触は、術後の炎症や感染リスクを高めるため注意が必要です。術後の数週間は、鼻の粘膜が非常に繊細な状態となるため、鼻をかむタイミングや方法にも細心の注意を払いましょう。
また、鼻整形は見た目だけでなく、呼吸や嗅覚といった鼻の機能にも関係するデリケートな手術です。アレルギー体質を理解し、対応できる医師のもとで施術を受けることが、安全で満足のいく結果につながります。
「アレルギー性鼻炎があるから不安…」という方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちは一人ひとりと丁寧にカウンセリングを行い、最適な方法を一緒に探していきます。
不安なことや気になる点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

