「小鼻の広がりを小さくしたい」
そう考えて小鼻縮小を検討する方はとても多いです。
しかし、SNSなどで「小鼻縮小だけやると変になる」という声を目にして、不安に感じている方も少なくありません。
今回は、実際に小鼻縮小を単独で行った場合に起こりやすい形の変化や、その原因、そして自然に仕上げるために大切な考え方を解説します。
小鼻縮小だけだと形が変になる理由
小鼻を小さくするとき、一見シンプルな手術に見えますが、実は顔全体の印象に大きく関わる繊細な部分です。
特に注意が必要なのが、鼻先や鼻翼基部とのバランスです。
例えば、もともと団子鼻で鼻先が丸い方が小鼻だけを小さくすると、鼻先の丸みが相対的に強調されて見えることがあります。
また、切除位置や量によっては、小鼻の付け根が下に引っ張られるように下垂し、手で押さえたような不自然な形になることもあります。
つまり、小鼻の広がりだけを見て判断すると、他の部位との調和が崩れ、かえって「鼻が目立つ」仕上がりになってしまうのです。
自然に仕上げるために大切なのは「全体設計」
小鼻だけを小さくするよりも、鼻尖形成や人中短縮と組み合わせて設計する方が自然に仕上がります。
鼻先の高さや鼻柱の位置を同時に整えることで、横幅を縮めても全体のバランスが保たれ、上品な印象になります。
特に、小鼻の付け根を下げたくない方や、口元のバランスを整えたい方は、小鼻縮小と人中短縮の併用が有効です。
これは、下方向の引きつれを防ぎながら、中央部の立体感を高める組み合わせです。
後戻りはある?術式による違い
小鼻縮小の「後戻り」は、どんな方法で行うかによって変わります。
糸で縛るだけの簡易的な方法では、時間とともにほとんど元に戻ってしまうケースが多いです。
一方で、筋膜や皮下組織をしっかり処理して縫合する方法であれば、形が安定しやすく後戻りはほとんど起こりません。
見た目の変化だけでなく、内部構造をきちんと支えることが大切です。
左右差の改善はできる?
「左右の小鼻の高さが違う」という相談もよくありますが、これは骨格の非対称や鼻孔縁の形によることが多く、完全に左右対称にするのは難しいケースもあります。
ただし、鼻翼や鼻孔縁の調整である程度整えることは可能です。
この場合も、部分的な修正ではなく、鼻全体のバランスを見ながらデザインすることが大切です。
鼻翼基部の構造も重要
鼻翼基部(小鼻の根元)がへこんでいると、鼻の広がりが強調されて見えることがあります。
このような場合、小鼻を小さくするよりも、鼻翼基部を軟骨移植で支える方が自然です。
当院では、プロテーゼではなく肋軟骨などの自家組織を使用し、鼻翼下の“土手”を補うことで、鼻全体の支点を整えています。
こうすることで、小鼻を過剰に切らなくても、引き締まった印象と自然な笑顔を両立できます。
まとめ
小鼻縮小は、一見シンプルに見えて実は全体の構造バランスが仕上がりを大きく左右する手術です。
単独で行うと、鼻先や付け根の位置関係によって不自然な印象になることもあります。
大切なのは、「広がりを小さくすること」ではなく、「鼻全体をどう見せたいか」という設計です。
僕は、骨格・支点・表情の流れまで考慮したデザインで、自然な美しさを目指しています。

