人中短縮は、“顔の印象”も“日常生活”も左右する手術です
「鼻の下を短くして若々しく見せたい」
「口元の間延びを整えたい」
こうしたご希望に応える美容外科手術として、人中短縮(リップリフト)は近年ますます注目を集めています。
しかしその一方で、
✓ 鼻の穴が目立つようになった
✓ 唇の厚みがなくなり、笑顔が不自然に
✓ 傷跡が目立ち、化粧でも隠せない
✓ 口が閉じられない、水も飲めない
このように、見た目だけでなく、機能面にまで支障をきたしてしまった患者様が、他院修正を求めて数多く来院されています。
症例紹介|他院で人中と口角を“過剰に切除”された方
今回ご紹介するのは、他院で人中短縮と人中窩(くぼみ)形成、厚み調整を受けた患者様です。
人中の組織が過剰に切除されてしまい、機能的な障害を抱える結果となりました。
- マスクを外すことができない
- 水分補給や食事が困難
- 表情がうまく作れない
- 口がうまく閉じられない
といった日常生活への深刻な影響が出ており、患者様は大きな不安とストレスを抱えていらっしゃいました。
【修正前】他院での人中短縮・人中窩形成後の状態

修正前の状態では、人中の中央部(人中窩)が深く凹み、鼻下のライン全体が不自然に変形していました。
本来なだらかで立体感のあるはずの鼻下が、中央だけ落ち込んだような印象となり、顔の中心バランスが崩れています。
さらに、唇の厚みや丸みが失われており、上唇は内側に巻き込まれるような形状を呈していました。
その結果、口がしっかり閉じられず、水分補給や食事・会話といった日常動作にも支障をきたしていました。
このような状態は、人中の組織が過剰に切除されたことにより、構造的な支えがなくなった結果と考えられます。
また、唇の可動域にも制限がかかり、口が閉じにくくなるなどの機能障害を併発していました。
当院で行った修正施術|人中部分の再建を中心に
今回の修正手術では、傷の瘢痕化を避けるため、口腔内からのアプローチで再建を行いました。
主なポイントは以下の通りです。
- 過剰に切除された人中窩の組織を丁寧に再建し、厚みと構造の支えを回復
- 左右バランスを整え、人中のラインを自然に再構築
- 唇の閉鎖機能を取り戻し、表情・食事・会話のしやすさを改善
結果として、術後は自然に口を閉じることができるようになり、マスクなしでの日常生活も問題なく送れるようになりました。
【術後10日目】Before / After 比較



術前と術後10日目の写真です。
- 正面から:人中窩の凹みが改善され、顔の中心軸が自然に
- 斜め・横から:人中の厚み・高さ・角度が調整され、滑らかな鼻下ラインに
- 表情:唇が自然に閉じられ、笑顔も違和感なく見えるように変化
人中短縮術で「何が起こる」のか?─よくある失敗とその原因
人中短縮術は、鼻と口元の距離感を整え、顔全体のバランスを整える優れた手術です。
しかしながら、繊細な部位を扱う手術であるがゆえに、術式や医師の技量によっては思わぬトラブルを引き起こすこともあります。
ここでは、実際にご相談の多い失敗例とその原因を、構造的な観点からご紹介します。
人中短縮術でよくある失敗 | 主な原因 |
---|---|
鼻の穴が目立つ | 鼻柱基部まで切除されている |
唇の厚みがなくなった・人中が凹んだ | 表皮+脂肪+筋層まで過剰に切除 |
傷が目立つ | 表面切除範囲が広すぎ、瘢痕化 |
表情が不自然・引きつる | 筋肉の構造が破綻している |
口が閉じられない | 再建不足・支持組織の欠損 |
特に「口が閉じられない」状態は、生活の質そのものを著しく下げる重大な機能障害です。こうしたケースでは、早期の専門的な修正が必要となる場合もあります。
人中短縮は“見た目”だけでなく、“構造”と“機能”を扱う手術です
人中短縮は単に皮膚を切除するだけではなく、以下のように多層的な構造を繊細に扱う必要があります。
- 鼻柱や鼻腔底の支持構造
- 人中稜・人中窩の立体構造
- 上唇の可動を担う筋肉(口輪筋)
- 唇の閉鎖・発音・食事・表情といった機能全般
つまり、見た目・構造・機能のバランスが完璧に設計されてはじめて、“美しく整った口元”が実現するのです。
修正が可能かどうかも、まずは専門医による判断を
人中短縮の他院修正は、すべてが一度で完結するわけではありません。
特に組織欠損が大きい場合は、段階的な再建や移植術が必要なこともあります。
当院では、形成外科専門医が以下の点を丁寧に診察・ご提案いたします。
✔ 現在の状態
✔ 修正の可否
✔ 最適な治療ステップ(何回でどう戻すか)
まとめ|人中短縮は良い手術。だからこそ「誰に任せるか」がすべて
人中短縮術は、正しく行えば、
- 顔全体の印象がスッキリと若返る
- 鼻と上唇の距離感が整い、バランスが良くなる
- 上唇の丸みや立体感が自然に強調され、柔らかく上品な表情になる
というように、非常に満足度の高い素晴らしい手術です。
ただし、その美しさと機能性は、「誰が、どう設計して、どこをどう切るか」によって大きく左右されます。
術者が解剖を理解していなければ、見た目だけでなく機能にも悪影響を及ぼし、取り返しのつかない状態になってしまうこともあります。
実際に当院には、「唇が閉じない」「水も飲めない」「笑顔がひきつる」といった深刻な機能障害を抱え、他院修正を希望して来られる患者様が後を絶ちません。
人中短縮は、“簡単にできる小手術”ではなく、顔の中央構造を扱う非常に繊細な形成手術です。
だからこそ、「誰に任せるか」=「その後の人生の過ごしやすさを左右する」といっても過言ではありません。
僕自身、人中短縮の施術はもちろん、他院でのトラブル症例の修正にも数多く対応してきました。
過去のダメージを分析し、構造を再構築し、機能と見た目を両立させる、
そうした修正術こそ、自分の得意分野のひとつだと考えています。
「他院で人中短縮をしたが修正したい」という方も、
「これから人中短縮を受けたいけど不安がある」という方も、
まずはお気軽にご相談ください。
あなたの状態に合わせた最適な選択肢を、一緒に考えていきましょう。