鼻整形を検討されている方の中には、「多孔性プレート(吸収性プレート)」という素材の名前を聞いたことがある方も多いかと思います。とくに韓国ではよく使用されており、国内でも取り入れているクリニックも増えてきています。
「曲がらない」「体内で吸収される」──
そんなふうに説明されることも多いこの素材ですが、実際のところはどうなのでしょうか?
今回の記事では、実際に僕が手術中に取り出したプレートの状態をもとに、メリットとデメリットの両面から解説します。
多孔性プレートとは?
多孔性プレートとは、鼻整形手術、とくに鼻中隔延長などで使われる吸収性のプレート状の素材です。自家組織(耳や肋軟骨など)を採取せずに済むため、手術の負担を減らす目的で用いられることがあります。
この素材は、
- 「硬くてしっかりしている」
- 「曲がらない」
- 「やがて自分の組織と一体化する」
といった説明をされることが多いのですが、実際には体内で完全に吸収されることは少なく、術後もプレートが残存しているケースを多く見かけます(この点については後ほど詳しく解説します)。
実際に取り出してみた状態


僕が手術中に実際に取り出した多孔性プレートは、以下のような状態でした
- 1年前に韓国で挿入されたもの(鼻中隔延長の素材として)
- 鼻の中で明らかに変形
- 本来の板状から曲がった状態に変化
吸収性であっても、完全に吸収されるわけではなく、長期間残存することもあるとわかります。
多孔性プレートのメリット
- 軟骨採取が不要(耳や肋軟骨を取らなくてもよい)
- 手術が短時間・低侵襲で済む
- 一時的な支えとして使用できる
多孔性プレートのデメリット
- 変形するリスクがある(時間とともに曲がることがある)
- 感染や免疫反応のリスク
- 完全吸収されず異物として残る場合も
- 自家組織に比べて術後の安定性が劣る可能性
まとめ:鼻の整形は「何を使うか」がとても重要
鼻整形を成功させるためには、「どんな形にするか」だけでなく、「その形をどう支えるか」=素材選びがとても重要です。
僕自身は、多孔性プレートのような人工素材は基本的に使用していません。
その理由はシンプルで、自分の軟骨を使ったほうが予後が安定し、長期的に見ても安全性が高いと考えているからです。
確かに、多孔性プレートは「軟骨を取らなくていい」という点で手術は簡便になります。
ですが、異物である以上、時間が経つことで体内反応や変形のリスクがゼロとは言えません。
だからこそ、
- どんな鼻にしたいか
- その形をどうやって保つか
- 将来的にどう安定させるか
まで見据えた上で、治療を選ぶことが大切だと思っています。
僕は鼻の初回手術はもちろん、修正手術にも多く携わっており、さまざまなケースに応じたアドバイスが可能です。
鼻の手術を検討している方は是非お気軽にご相談ください。
動画でも解説しています。
