乳頭縮小ってどんな手術?効果・ダウンタイム・リスクまで詳しく解説

「乳首の大きさが気になる」「授乳後に乳頭が伸びてしまった」——そんなお悩みをお持ちの方へ。乳頭縮小術は、見た目の美しさだけでなく、機能面の回復や快適な日常生活にもつながる治療です。

このコラムでは、乳頭縮小手術の内容や術式の違い、ダウンタイムやリスク、そして実際に当院がどのような診療を行っているかまで、専門医の視点からわかりやすく解説します。

目次

乳頭縮小とは?

乳頭縮小

乳頭縮小術とは、肥大化した乳頭を患者さんのご希望や体型に合わせて小さく整える外科手術です。「乳首が長い」「太くて存在感がある」「バストとのバランスが悪い」など、人には相談しづらいお悩みに対応できる治療として、近年注目されています。

単に美容目的だけでなく、授乳後の変形や衣類とのこすれによる痛みを改善したいという機能面の理由で選ばれることもあります。当院では形成外科的アプローチを重視し、見た目だけでなく“機能の温存”にもこだわっています。

乳頭が大きくなる原因とは?

乳頭の大きさには個人差があり、以下のような要因が関係しています。

  • 先天的な体質(遺伝):生まれつき大きい方もいらっしゃいます。
  • 思春期以降のホルモン分泌:第二次性徴による変化。
  • 妊娠・授乳:授乳による機械的刺激やホルモンの影響で伸びたり太くなったりすることがあります。
  • 摩擦や圧迫の影響:スポーツブラや下着、日常の摩擦で徐々に肥大化することも。

一度大きくなった乳頭は、自然に元に戻ることは難しく、外科的手段での縮小が必要となります。

乳頭縮小手術の方法(術式の種類)

手術法は、乳頭の「高さ(縦方向)」や「直径(横方向)」のどちらを改善したいかで異なります。また、乳管(母乳の通り道)を温存するかどうかでも術式が分かれます。

高さ(縦の長さ)を短くしたい場合

乳頭縮小

「ドーナツ状切除法(central wedge excision)」が代表的です。乳頭の中央部を輪切り状に切除し、上下を縫い合わせることで縦の長さを縮めます。

直径(太さ)を細くしたい場合

乳頭縮小

乳頭の周囲を縦に切開し、余分な皮膚や組織を切除したのち縫合します。いわゆる「縦切除法(vertical excision)」が該当します。

高さと直径の両方が気になる場合

乳頭縮小

ドーナツ状切除法と縦切除法を組み合わせることで、乳頭全体をコンパクトに整える「複合術式」が用いられます。

いずれの方法でも、美的バランスはもちろん、将来授乳する可能性がある方には乳管をできるだけ温存する工夫を行います。

手術の流れと所要時間

  1. カウンセリングと診察:お悩みやご希望のサイズ感、今後の授乳予定などを丁寧に伺います。
  2. デザイン:乳頭の形、乳輪・バスト全体とのバランスを見ながら細かくマーキングします。
  3. 手術:局所麻酔下で、片側30〜60分程度。両側で1〜1.5時間を想定します。
  4. 術後処置・ご帰宅:術後は軟膏とガーゼで保護。1週間後の抜糸があります。

手術は基本的に日帰りで可能です。ご希望に応じて笑気麻酔、静脈麻酔も選択可能です。

ダウンタイムと術後の過ごし方

  • 腫れ・内出血:術後2〜5日目にピーク。1週間前後で落ち着きます。
  • 痛み:手術当日〜2日程度。内服の鎮痛薬でコントロールできます。
  • シャワー:翌日から可能ですが、患部は濡らさないよう注意。
  • 入浴・運動:1週間後から可能。
  • 下着:ワイヤーのないブラや、締めつけのない柔らかいインナーを推奨します。

術後の過ごし方によって仕上がりや瘢痕に影響するため、当院ではアフターケアもしっかりお伝えしています。

乳頭縮小のリスクと注意点

  • 瘢痕(傷あと):ほとんどが乳頭のしわに沿って隠れますが、体質によってはやや赤みや硬さが残ることがあります。
  • 左右差:乳頭はそもそも左右非対称なことが多く、完全な左右対称は難しい場合もあります。
  • 授乳への影響:乳管温存術式を選べば、授乳は可能なことがほとんどです。
  • 感染・出血・縫合不全:どの外科手術にも共通するリスクとしてありますが、当院では滅菌管理や術後フォローを徹底しています。

※喫煙や糖尿病などがある方は、創傷治癒に影響する可能性があるため、事前に医師としっかり相談しましょう。

よくあるご質問

Q:手術中は痛いですか?
A:局所麻酔を行うため、術中の痛みはありません。必要に応じて笑気麻酔や静脈麻酔も併用できます。

Q:授乳はできなくなりますか?
A:乳管を温存する術式を選べば、授乳機能を維持できる可能性が高いです。ご希望は事前にお伝えください。

Q:術後に乳頭の感覚がなくなることはありますか?
A:一時的な感覚の鈍さは起こることがありますが、数ヶ月かけて徐々に回復することがほとんどです。

Q:将来的に豊胸や乳輪縮小も考えていますが、順番は?
A:乳頭縮小と豊胸術を同時に行うことも可能です。組み合わせについては診察時にご相談ください。

どんな人が適している?

  • 見た目として乳頭が大きく、バストとのバランスが気になる
  • 授乳後に乳頭が伸びた、太くなった
  • 豊胸手術後に乳頭の存在感が強くなってしまった
  • 下着とのこすれで乳頭が痛む

※未成年の方は保護者の同意が必要です。妊娠・授乳中は手術を延期する場合があります。

他の施術との組み合わせ

乳頭縮小は、バスト全体のバランスや美しさを整えるために、他の施術と併用されることが多い治療です。以下に代表的な組み合わせ例とその意図をご紹介します。

  • 脂肪注入豊胸との併用:バストのボリュームアップと同時に乳頭の大きさも調整することで、より自然で美しい仕上がりになります。脂肪注入は胸全体にふんわりとした丸みを出すのに適しており、乳頭のサイズ感や位置との調和が重要になります。
  • シリコンバッグ豊胸との併用:人工インプラントによってバストの高さや形が明確に出るため、大きく張りのあるバストに対して相対的に乳頭が目立ちすぎてしまうことがあります。乳頭縮小を同時に行うことで、全体的なバストデザインがより洗練されます。
  • 乳輪縮小との併用:乳頭と乳輪のバランスが気になる方には、同時に乳輪縮小を行うことで「美乳の黄金比」に近づけることが可能です。乳輪が広がっていると乳頭が小さくなっても違和感が残ることがあるため、両者の調和を取ることが大切です。
  • 乳房吊り上げ術との併用:バストのたるみを改善する施術においても、乳頭の位置やサイズを整えることは非常に重要です。下垂していた乳頭を中央に配置し直し、必要に応じて縮小することで若々しい印象が得られます。

このように、乳頭縮小は単独でも高い満足度が得られる施術ですが、他のバスト系手術と組み合わせることで、よりトータルバランスの取れた美しいバストラインを実現できます。

当院が選ばれる理由

私は形成外科専門医として、胸に関するすべての手術を担当しています。形成外科医としてのキャリアでは、乳がん術後の乳房再建を多数手がけてきた経験があり、乳房・乳頭に関する構造や解剖、手術手技について深い知識と技術を有しています。また、3人の子どもの母として妊娠・出産・授乳を経験しており、患者さまが抱えるデリケートなお悩みに深く共感できます。

女性同士だからこそ、気兼ねなく相談できる——そんな安心感をもって来院いただけるよう、診療では常に「寄り添う姿勢」を大切にしています。

美容外科と形成外科の視点をあわせ持った技術力に加え、術後の仕上がりだけでなく「安心して治療を受けられる環境づくり」にも力を入れています。

まとめ

乳頭縮小術は、「小さな手術」でありながら、バスト全体の印象を大きく左右する繊細な美容外科手術です。乳頭の大きさや形に対する悩みは非常に個人的でデリケートなものであり、人に相談しにくい分、長年抱えてきたコンプレックスを解消するきっかけになることも少なくありません。

見た目の整え方だけでなく、将来的な授乳への影響や感覚の温存、左右差の調整など、さまざまな要素を丁寧に考慮する必要があります。特に、乳頭の縮小は単なる“サイズダウン”ではなく、全体のバストバランスとの調和を図る設計力と、微細な縫合技術が求められる分野です。

当院では、美容的な美しさと機能的な配慮の両方を重視しながら、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療をご提案しています。ほんの少しの変化でも、毎日の気分や自己肯定感が大きく変わることがあります。だからこそ、安心して相談できる環境と信頼できる技術が大切です。

まずは、お気軽にご相談ください。

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