【美容外科医が解説】埋没法の抜糸とやり直しは同時にできる?二重幅を自然に整える“再デザイン”の考え方

この記事は 前之園 健太 医師(美容外科医・整形外科専門医) が監修しています。

「以前に埋没法を受けたけれど、二重の幅をもう少し狭くしたい」
そういったご相談はとても多いです。

埋没法は糸で二重を作るシンプルな手術ですが、目の形やまぶたの厚み、糸の位置などによって仕上がりが変わります。

修正をする際に大切なのが、過去の糸をどう扱うか
特に二重幅を狭くしたい場合、以前の糸を残したままでは新しいラインを作れません。


目次

なぜ抜糸が必要なのか

埋没法では、まぶたの裏側(瞼板)や筋肉に糸がかかり、その位置に“ラインのくせ”がついています。

もし高い位置に糸が残ったまま新しいラインを下に作ろうとすると、古い癒着が優先されてしまい、希望よりも広いままになったり、二重のラインが二段になる「二重の上の二重」状態になることもあります。

そのため、ラインをリセットして再構築するには、一度古い糸を抜糸してから再度埋没を行う必要があるのです。


抜糸と再埋没のタイミング

本来であれば、正確なデザインを行うために、抜糸後1〜2週間ほど間隔を空けてから修正を行うのが理想的です。
これは、抜糸直後はまぶたの腫れや浮腫が残りやすく、そのままではラインの微調整が難しいことがあるためです。

しかし今回の症例では、患者様のご希望もあり、抜糸と再埋没を同日に行いました。
同時に行うことで、まぶたを何度も開ける必要がなく、一度の施術でリセットと再構築を完了させることができます。

この方法は、腫れや組織の状態をリアルタイムに見ながらデザインを修正する必要があるため、医師の経験と感覚が非常に重要になります。


実際の症例

この方は、過去の埋没法でやや幅が広めの二重になっていました。
特に目頭側のラインが強く出ており、「もう少し自然な幅にしたい」とのご希望でした。

裏留めの糸を抜糸し、同時に新しい位置で再埋没を行いました。

  • 術直後: 腫れはありますが、ラインの位置が正確に再設定されています。
  • 術後1週間: 腫れが引き、目の開きがより自然に。
  • 術後1ヶ月: 幅が安定し、ぱっちりとした自然な二重に。

結果として、末広から平行へ自然に移行する「Mix型二重」が形成されました。


同時修正のメリット

① ダウンタイムが一度で済む

抜糸とやり直しを別日に行うと、腫れや赤みのダウンタイムが2回に分かれます。
同日に行うことで、回復を一度で完結できます。

② 組織が自然な状態で再形成できる

抜糸直後のまぶたは、癒着が解除された“素の状態”に近く、どの層に糸を通すかを正確に判断しやすいタイミングです。

③ 組織への負担が少ない

皮膚を何度も開けずに済むため、瘢痕や癒着のリスクを最小限に抑えられます。


注意点と成功のポイント

もちろん、すべてのケースで同時手術が適しているわけではありません。
癒着が非常に強い場合や、まぶたの組織が薄くなっている場合は、切開法を検討した方が安全で確実なこともあります。

同時修正を成功させるには、まぶたの構造・癒着の方向・脂肪層の厚みを触診で正確に把握し、糸を通す層とテンションを瞬時に判断できる経験が不可欠です。


二重整形で最も大切なのは「設計」

埋没法の修正で最も重要なのは、
「どこに糸を通すか」──つまり、デザインの設計力です。

自然で美しいラインとは、

  • まつ毛の生え際が見える
  • 黒目の露出が十分にある
  • まぶたが滑らかに折り込まれる

これらの条件が揃ったラインです。

そのためには、皮膚・筋肉・脂肪・骨格の関係を踏まえて、“その人にとって最も自然に見える位置”に糸を通す必要があります。


まとめ

埋没法の抜糸と再埋没は、症例に応じて同日に行うことが可能です。

まぶたをリセットし、その場で再デザインすることで、自然で安定したラインを一度の手術で完成させることができます。

手術で最も大切なのは、
「その人の目元を理解し、構造を踏まえて再設計できる医師に任せること」。

単なる“やり直し”ではなく、まぶた全体のバランスを整える再構築手術として行うことが理想です。


この記事で紹介した症例の詳細
【施術名】埋没法(抜糸+再埋没)
【経過】術直後 → 1週間 → 1ヶ月
【リスク・副作用】腫れ・左右差・イメージ違い・感染・二重消失・糸の露出など
【費用】二重埋没(裏留め2ループ)定価 24万円(税込)

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