切らない人中短縮の効果と限界|切開法との違いや適応・リスクを医師が解説

鼻と口の間(人中)が長いと、どうしても間延びした印象を与えてしまいがちです。「人中を短くしたい」と考える方は非常に多いのですが、同時に「顔に傷跡が残るのは怖い」「ダウンタイムが取れない」という理由で、切る手術(リップリフト)を躊躇される方も少なくありません。

そこで選択肢に上がるのが「切らない人中短縮」です。 今回は、実際に診察室でよくいただく質問をもとに、切らない人中短縮の適応や効果、他手術との組み合わせについて、医師の視点で解説していきます。

目次

そもそも「切らない人中短縮」は誰にでも効果がある?

まず、「自分の人中の長さでも、切らずに効果が出るのか?」という疑問についてです。

元の長さよりも重要なのは「皮膚の余り」

「かなり人中が長いのですが、適応になりますか?」と聞かれることがありますが、実は「今の長さ」自体は、適応かどうかにあまり関係がありません。

切らない人中短縮ができるかどうかの判断基準として重要なのは、以下の2点です。

  • どれくらい変化させたいのか(理想の変化量)
  • どれくらい皮膚に余り(ゆとり)があるのか

元の長さがどうであれ、皮膚に短縮できるだけの「余り」があり、患者様が求める変化量が切らない施術の範囲内であれば適応となります。逆に、皮膚がパンパンに張っている場合などは、変化が出にくいこともあります。

上唇が薄い人の場合の注意点

「上唇が薄くて人中が長い」というお悩みの場合、人中の長さ自体は切らない施術で短縮効果を見込めることが多いです。

ただし、上唇の厚みそのものは変わりません。 人中短縮によって上唇がめくり上がることで、多少厚く見えたとしても、ヒアルロン酸注入のようなボリュームアップ効果までは期待しないでください。「唇をぷっくりさせたい」という要望が強い場合は、別途注入などの併用を検討する必要があります。

「切る人中短縮」vs「切らない人中短縮」徹底比較

「切るのと切らないの、どっちがいいですか?」というのも非常に多い質問です。それぞれの特徴を比較してみましょう。

物理的に皮膚を切除して縫い縮める「切る手術」の方が、変化量としては大きくなります。

しかし、「切らない=変化が乏しい」というわけではありません。 切らない人中短縮であっても、組織を適切に処理し引き締めることで、しっかりとした変化を出すことは可能です。「傷跡は残したくないけれど、変化は欲しい」という方にとって、十分に満足度の高い選択肢となり得ます。

人中短縮ボトックスとの違い

「ボトックスが効いている時の顔に似ますか?」と聞かれることがあります。 筋肉の動きを少し低下させるという点では似ている部分もありますが、切らない人中短縮は組織自体にアプローチするため、ボトックスとはまた少し違う仕上がりや感覚になります。 このあたりは個人の感覚による差も大きいため、一概に「ボトックスと同じ顔になる」とは言えません。

すでに他の整形をしている場合の注意点(鼻・プロテーゼ)

鼻や口周りの手術歴がある方は、切らない人中短縮を受ける際に注意が必要です。

鼻中隔延長術を受けている場合

鼻中隔延長の手術を受けた後、切らない人中短縮を受けたい場合は、最低でも4ヶ月は期間を空けていただきたいです。

鼻中隔延長の術後は、腫れや炎症が完全に引くまでに数週間〜数ヶ月かかります。そのデリケートな期間中に人中短縮の操作を加えると、炎症が悪化したり、仕上がりに悪影響を及ぼしたりするリスクがあります。 腫れや炎症がしっかり治まり、組織が安定するのを待つための「4ヶ月」とお考えください。

貴族手術(プロテーゼ)を受けている場合

鼻翼基部(小鼻の付け根)や猫手術などでプロテーゼが入っている場合でも、切らない人中短縮を行うこと自体は可能です。

ただし、リスクはあります。 特に、左右が繋がっているタイプのプロテーゼや、挿入位置によっては、手術操作の際にプロテーゼが露出してしまう可能性がゼロではありません。万が一露出すると、そこから感染してしまう恐れがあります。 この感染リスクについては、カウンセリングでしっかり理解していただいた上で検討する必要があります。

口角挙上など、他の施術と組み合わせるとどう見える?

最後に、口元のバランスを整えるための併用についてです。

「切らない人中短縮と一緒に口角挙上もしたら、上唇全体が上がりますか?」という質問をいただきますが、口角挙上をしたからといって、物理的に上唇の中央部分まで引き上がるわけではありません。

しかし、口角がキュッと上がることで、視覚的に中顔面(顔の中心部)や下顔面が引き上がったような印象を与えることはできます。 「物理的に上がる」のと「上がったように見える」のは違いますが、顔全体のバランスや可愛らしさを高めるという意味では、相性の良い組み合わせと言えるでしょう。


まとめ

切らない人中短縮は、傷跡を残さずに人中の印象を変えたい方にとって非常に有効な選択肢です。 切る手術とはアプローチが異なりますが、適応を見極めることで、傷跡のリスクを負うことなくしっかりとした変化が望めます。

「自分の皮膚の余りでどれくらい変わるのか」など、気になる点はぜひ一度カウンセリングでご相談ください。お顔の状態に合わせて、最適なプランをご提案します。

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次