HIFU(ハイフ)とは?たるみ改善の仕組み・効果・ダウンタイム・他施術との違いまで徹底解説


HIFU(ハイフ)とは?〜“切らない”たるみ治療の選択肢〜

HIFU(High Intensity Focused Ultrasound)は、高密度焦点式超音波という医療技術を用いた、非侵襲的(皮膚を切らない)リフトアップ治療です。
美容皮膚科や美容外科の現場では、「切らずにフェイスラインを引き締めたい」「自然な若返りを目指したい」という方に対し、HIFUが第一選択となるケースも増えています。

超音波というと、エコー検査などの“画像診断”を思い浮かべる方も多いと思いますが、HIFUでは「熱エネルギー」として超音波を利用します。
この熱を、肌の奥にある“たるみの原因”であるSMAS筋膜(表在性筋膜)までピンポイントで届けることで、外科手術でしか届かなかった深さへアプローチすることが可能になりました。

従来の美肌治療との違い

従来のレーザーや高周波(RF)では主に真皮層までしか届かず、肌のハリやキメには効果的であるものの「たるみ」という構造的な問題への効果は限定的でした。
一方HIFUは、顔の輪郭を支える“土台(筋膜層)”に働きかけられるという点で、アンチエイジング治療に革命をもたらした技術です。


HIFUのメカニズム|どうして“切らずに”たるみが改善するのか?

HIFUは以下のような2段階のメカニズムによって、リフトアップ・引き締め効果をもたらします。

ステップ1:高温による筋膜の収縮(即時効果)

照射によってSMAS層が65〜70℃に達すると、タンパク質変性が起こり筋膜が収縮します。
これにより、施術直後からフェイスラインの引き締まりや目元のスッキリ感を感じる方が多く、即効性の高さがHIFUの魅力のひとつです。

ステップ2:創傷治癒によるコラーゲン再生(遅延効果)

熱ダメージを受けた組織は、時間をかけて自己修復しようとします。その過程で新たなコラーゲンやエラスチンが生成され、肌のハリや弾力が高まります。
この反応は施術後約1〜2ヶ月後をピークに、最大で半年程度持続するとされています。


HIFUが適しているお悩みとは?

以下のような症状に対して、HIFUは非常に有効です。

  • 頬やフェイスラインの“ゆるみ”やもたつき
  • あご下(いわゆる二重あご)のたるみ
  • ほうれい線、マリオネットラインの深さ
  • 毛穴の開き(たるみによるもの)
  • 将来的なたるみ予防としてのエイジングケア

特に30代後半〜50代の「老け感が気になり始めた世代」にとって、HIFUは“手術に頼らず若々しさをキープする”理想的なメンテナンス治療と言えるでしょう。


当院で導入している機器|ウルトラセルQプラス(Ultracel Q+)

当院では、HIFUの中でも安全性・即効性・施術時間の短縮に優れた「ウルトラセルQプラス」を導入しています。

特徴1:高速照射で施術時間が短い

1ショット0.1秒という高速照射により、全顔でも20〜30分程度で施術が完了します。

特徴2:照射深度の選択が可能

1.5mm/3.0mm/4.5mmと、肌の構造に合わせて最適な深さに照射できるため、たるみの根本改善から肌表面のハリ感アップまでをカバーします。

特徴3:痛みの軽減設計

従来機種に比べ、皮膚表面への熱拡散が少なく、痛みや火傷リスクが低減されており、麻酔不要でも快適に施術を受けられます。


他のリフトアップ治療との違い

治療法作用する深さ目的特徴・違い
HIFUSMAS層引き締め切らずに深部にアプローチ。自然な仕上がり
糸リフトSMAS層+皮下組織物理的な引き上げ変化が明確だがダウンタイムあり
レーザー/IPL表皮〜真皮肌質改善シミ・くすみ・毛穴に効果。たるみには限界
外科的リフトSMAS層を切開大幅な若返り効果は高いがダウンタイム・リスクも大きい

HIFUは「引き上げ」ではなく「引き締め」による若返りであるため、整形感が出にくく、日常生活への支障も最小限に抑えられることが魅力です。


ダウンタイムと副作用|本当に“すぐ仕事に戻れる”?

HIFUは「ダウンタイムが少ない」と言われますが、これは生活に支障をきたすような強い腫れや内出血が少ない”という意味です。
完全なノーダウンタイムではなく、「軽度の生体反応」はむしろ
正常な治療効果の一部とも言えます。

ここでは、施術後に起こりうるダウンタイム症状について、医学的な観点から詳しく解説します。


■ 赤み・熱感(火照り)

発生頻度:高|発現時間:直後〜数時間
超音波照射により皮膚の深部温度が65〜70℃に達することで、表皮〜真皮層でも毛細血管の一時的な拡張が起こり、施術直後に軽い赤みや火照りを感じることがあります。

ほとんどの場合、当日〜翌日には自然に治まります
赤みが強く感じられる方には、クーリングや抗炎症作用のある美容液でのアフターケアをおすすめします。


■ 軽度の腫れ・むくみ

発生頻度:中|発現時間:翌日〜数日
熱エネルギーに反応した周囲の組織が微細な浮腫(むくみ)を起こすことがあります。これは皮下脂肪層やリンパ周囲に起こる軽度な炎症反応で、一時的な組織修復プロセスの一部です。

むくみが出やすい部位:

  • あご下・頬の外側(咬筋周囲)
  • 耳下腺〜フェイスライン沿い

通常は2〜4日ほどで自然に引きます。塩分やアルコールを控え、就寝時に頭を少し高くすると改善が早まります。


■ 圧痛・筋肉痛のような違和感

発生頻度:中|発現時間:翌日〜1週間
HIFUが照射されるSMAS層は、顔面筋と連続しており、筋膜に微細な熱損傷が生じることで“筋肉痛に似た違和感”が起こる場合があります。

特に、

  • 嚙むとき(咬筋)
  • 笑ったとき(口輪筋・頬筋)
  • あごを動かすとき(顎舌骨筋)

などに軽い痛みを感じることがありますが、これは筋膜の再生過程でよくある反応で、1週間以内に解消されるのが一般的です。


■ 神経刺激によるピリピリ感や違和感

発生頻度:低〜まれ|発現時間:当日〜数日間
照射の深さが顔面神経の走行付近に及ぶ場合、ごくまれに「ピリッとした電気刺激のような感覚」や「皮膚の一部が鈍く感じる」ような症状が一時的に出ることがあります。

これは通常、皮膚表層の知覚神経(眼窩下神経・頬神経・オトガイ神経など)の一過性刺激によるもので、多くは数日〜2週間ほどで自然消失します。

医療機関で照射深度・角度を正確に設定すればほとんど起こらず、起きた場合も冷却と安静で対応可能です。


■ 内出血(極めてまれ)

HIFUは針や切開を伴わないため、通常内出血は発生しません
ただし、ごく一部の体質的に毛細血管が破れやすい方では、照射部位に淡い紫斑が点状に出現することがあります。

この場合でも、化粧でカバーできる程度であり、1週間以内には自然に吸収されます。


■ 熱傷(やけど)・神経麻痺(極めてまれ)

これは「HIFUのリスク」として記載される重篤な副作用ですが、正しい出力・照射角度で行えば、まず起こりません

  • 熱傷:出力過剰、照射重複、肌の水分量不足が原因
  • 神経麻痺:顔面神経主幹部(特に下顎縁)の誤照射

医療機関では事前に肌質・解剖構造を把握した上で照射設定を行うため、非医療機関や経験不足な施術者におけるリスクであることが多いです。


安全に受けるために知っておきたいこと

  1. 照射機器が医療用であるか確認する
    市販やエステ用HIFU機は出力が不安定で、やけどや効果不足の原因に。
  2. 医師または十分なトレーニングを受けた看護師が照射する
    SMASや神経・血管走行を正確に理解していないと、リスクが高まります。
  3. アフターケアを丁寧に行う
    紫外線・摩擦を避け、保湿をしっかり行うことで反応を最小限に抑えられます。

よくあるご質問(Q&A形式)

Q. HIFUはどれくらいの頻度で受ければいい?
A. 一般的には6ヶ月に1回が目安ですが、肌質や年齢により年2〜3回のペースが最適です。

Q. 効果のピークはいつ頃?
A. コラーゲンの再生がピークに達するのは1.5〜2ヶ月後。その後、ゆるやかに効果が続きます。

Q. メイクや洗顔はいつから?
A. 当日から可能です。赤みが強い場合は、低刺激のスキンケアをおすすめします。

Q. 糸リフトとの併用はできる?
A. 可能です。糸で「持ち上げ」、HIFUで「引き締める」ことで、より立体的なリフトアップが期待できます。


まとめ|HIFUは“メスを使わずに、たるみの原因へ届く”現代美容医療のスタンダード

HIFUは、医療技術として確立された“高密度焦点式超音波”を用い、皮膚の表面ではなくたるみの本質である筋膜層(SMAS)にアプローチできる画期的な治療です。

従来の美容医療では難しかった「皮膚の奥の“ゆるみ”を、切らずに改善する」という選択肢が可能になったことで、

  • 手術には抵抗がある
  • 周囲にバレずに若返りたい
  • 将来のたるみを予防したい

といった患者様のニーズに、より安全かつ的確に応えられるようになりました。

とくにHIFUは、劇的な変化より“自然な引き締まり”や“肌の土台作り”を目的とした治療であり、加齢によるたるみを無理なく、段階的にケアしていきたい方に最適です。

当院で採用している「ウルトラセルQプラス」は、

  • 深さ別に細かくターゲットを設定できる
  • 痛みが少なく、治療時間も短い
  • 経験豊富な医師・看護師が出力を細かく調整

といった点から、忙しい方や美容医療が初めての方にも選ばれやすいHIFU機器です。

また、照射後の赤みやむくみといった軽度のダウンタイムは、組織が再生しようとしているサインでもあり、「効いている証拠」でもあります。
だからこそ、無理に変化を求めるのではなく、「継続的にコツコツ積み上げる美容医療」の一環として、HIFUはとても理にかなった選択なのです。


たるみは気になるけど、何をしたらいいのかわからない
整形までは踏み切れないけど、何か始めてみたい

そんなあなたにこそ、HIFUはぴったりの治療です。
まずは一度、あなたの骨格・脂肪・筋膜の状態を診察し、今の肌に合った“たるみ治療のスタートライン”を一緒に考えてみませんか?

当院では、無理な施術の提案は一切せず、「今のあなたに必要な施術だけ」をご提案します。
初めての方も、どうぞお気軽にご相談ください。

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