眉下リフトの傷あとってどうなる?術後経過と仕上がりを症例とともに解説|美容外科医が徹底解説

眉下リフトを検討している方の中で、最も多い不安のひとつが「傷あとって目立ちませんか?」というものです。

たしかに、まぶたの皮膚は薄くて目立ちやすい部位ですし、眉の下に沿って切開するという話を聞くだけでも、術後の赤みや盛り上がりを心配されるのは当然だと思います。

実際、ネットやSNSでも「眉下リフトで傷が残った」「赤みが引かない」といった不安の声を見かけることがあります。しかし、私はこれまで多くの眉下リフトを手がけてきた中で、“本当に大切なのは経過を正しく知ること”だと強く感じています。

傷あとは時間とともに変化していきます。術直後の状態を見て「思ったより赤い」と感じたとしても、それは決して最終的な仕上がりではありません。

このコラムでは、実際の症例写真をもとに、眉下リフト後の傷あとがどう経過し、どう馴染んでいくのかを時系列で詳しく解説していきます。

また、単に「時間が経てば薄くなる」というだけでなく、傷が目立たないように仕上げるためのデザイン・縫合法・内部処理といった外科的要素についても、医師としての視点でわかりやすくお伝えします。

眉下リフトは、まぶたの“重たさ”や“たるみ”を構造から改善する、非常に効果的な治療です。だからこそ、その効果を安心して受け取っていただけるよう、「術後の傷あとについて」説明したいと思います。

目次

眉下リフトとは?

眉下リフト(眉毛下皮膚切除術)は、眉毛のすぐ下を切開し、まぶたの余分なたるみや厚みを改善する手術です。
加齢やまぶたの構造によって重たく見える上まぶたに対し、皮膚そのものを調整することで、自然な軽さと明るい印象を引き出します。

特徴的なのは、「二重ラインを変える」のではなく、もとの目のかたちを活かしながら、まぶたの負担を取り除くという点です。
そのため、すでに二重整形をされている方や、ナチュラルな変化を求める方にも適応しやすい手術です。

適しているのは以下のようなケースです。

  • 上まぶたが分厚く、重たく見える
  • 二重のラインがたるみによって埋もれてきた
  • 目尻側がかぶさって、外側の開きが悪い
  • 無意識に眉を持ち上げてしまう癖がある
  • 他の手術ではすっきり感が出なかった

また、切開するラインが眉毛の下に沿うため、傷あとが毛に紛れて目立ちにくいという利点もあります。
必要な皮膚・脂肪を丁寧に処理し、構造に沿って設計することで、無理のない若々しさを実現できます。

「切る手術=不自然」というイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、眉下リフトは構造を整えることで自然に見せる手術です。

眉下リフトの傷あと経過を時系列で解説

眉下リフトのご相談で最も多いのが「傷あとが目立たないか心配です」という声です。
実際、術後すぐは赤みや線状の跡が確認できるものの、時間の経過とともに確実に目立たなくなっていくのが特徴です。

以下に、症例写真とともに、一般的な経過の流れをまとめます。


術直後

切開ラインは眉毛の下に沿ってデザインされ、極細の透明糸で丁寧に縫合されます。赤みはあるものの、腫れは比較的軽く、術直後から「意外と目立たない」と感じる方も多い印象です。


術後1週間(抜糸前後)

抜糸前は軽い盛り上がりと赤みがあり、眉下に細い線が見える状態です。抜糸後すぐは一時的に赤みが増すことがありますが、これは自然な反応で心配ありません。


術後1ヶ月

赤みや硬さがピークになる時期です。この段階ではまだ「線」がわかるため不安になる方もいらっしゃいますが、ここからが本当の回復の始まりです。


術後2ヶ月以降

赤みが落ち着き、眉毛の毛並みに傷が紛れてきます。皮膚の質感もなめらかになり、自然な印象へと近づいていきます


術後数ヶ月かけて、「目立つ線」から「違和感のない質感」へと変化していくのが、眉下リフトの傷あとの特徴です。写真でもその変化ははっきり確認できます。

眉下リフトの傷が目立ちにくい理由

眉下リフトは「切開を伴う手術」ではありますが、適切に行えば傷あとがほとんど分からないほど自然に仕上がることも珍しくありません。
実際に診察室で、「どこを切ったのか分からないですね」とご本人が驚かれることもあります。

その理由は、大きく3つあります。


① デザイン:眉毛下縁に沿った切開ライン

傷あとが目立ちにくくなる最大の理由は、切開するラインそのものが目立ちにくい位置にあることです。

眉毛の下縁にぴったり沿わせて切ることで、術後に毛が再生すれば傷が自然に毛の中に隠れます
また、眉毛の“根元の毛”は斜め下に生えているため、ちょうど切開線に覆いかぶさるような角度になるのも有利な点です。

顔の中でも眉毛という構造は視線を集めやすい部分ですが、逆に言えば「意識的に見る部位」でもあります。
その中に違和感なく収まっている限り、傷として認識されることが少ないのです。


② 縫合法:極細の透明糸と密な縫合

当院では、非常に細い糸を使用し、皮膚のズレが起きないよう高密度に縫合します。

縫い方にもコツがあり、皮膚の表面だけでなく真皮層にもしっかりとアプローチすることで、創部の盛り上がりや凹凸を防ぎます。

また、極細の糸を使うことで、縫合による刺激や糸跡の色素沈着も最小限に抑えることができます。


③ テンション分散設計:傷に力をかけない構造処理

もうひとつ見落とされがちな大切な要素が、「創部にどれだけテンション(張力)がかかっているか」という点です。

傷あとが広がったり、赤みが長引いたりする最大の原因は、“傷に常に引っ張る力がかかっている状態”です。
眉下リフトでは、皮膚だけでなく内部の眼輪筋や脂肪層(ROOFなど)を丁寧に処理し、切開部に負担がかからないように調整しています。

この内部処理と層ごとのテンションコントロールを行うことで、縫合部分に無理な力がかからず、結果として傷がフラットで綺麗に治るのです。


これら3つの工夫が組み合わさることで、眉下リフトの傷は「線」ではなく、肌の一部として自然に馴染むような形で治癒していきます。

よくある質問Q&A

眉下リフトを検討される方からは、カウンセリングや術後経過の中でさまざまなご質問をいただきます。
ここでは、その中でも特に多いご質問をQ&A形式でまとめました。


Q1. 傷あとが完全に目立たなくなるまで、どれくらいかかりますか?

A. 一般的には3〜6ヶ月程度で赤みが引き、質感もなじんできます。
眉毛の生え際に沿ったラインで縫合するため、眉毛が生えそろうことでほとんど分からなくなります。
ただし、体質によっては赤みや色素沈着が長引くこともあります。


Q2. 抜糸は痛いですか?麻酔は使いますか?

A. 基本的に麻酔は不要で、軽いチクチク感がある程度です。
痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの方が「想像より全然平気だった」とおっしゃいます。
不安が強い場合には、冷却などで対応可能です。


Q3. 傷あとにメイクはいつからできますか?

A. 抜糸の翌日から可能です。
ただし、強くこすったり、クレンジングでゴシゴシ洗うのは避けてください。
UVカット機能のあるコンシーラーやファンデーションで軽くカバーする程度であれば、術後2週間目以降は問題ありません。


Q4. 眉毛が薄くても傷は隠れますか?

A. 眉毛が薄い方でも、時間が経てばなじみます。
切開ライン自体が細く、周囲の皮膚としっかりなじむように縫合しているため、毛が少ない方でも数ヶ月で目立たなくなるケースが多いです。
気になる方は、眉アートとの組み合わせも検討できます。


Q5. 他の手術(二重整形や眼瞼下垂)と併用できますか?

A. 併用は可能ですし、むしろ適応となることもあります。
たとえば、二重切開だけではまぶたの重さが取れない場合、眉下リフトと同時に行うことでより自然な仕上がりが得られます。
設計と順序が重要なため、カウンセリング時にしっかりご相談ください。


Q6. 傷が残りやすい体質でも受けられますか?

A. ケロイド体質や色素沈着が出やすい方でも受けられますが、術後のケアが特に重要です。
内服、遮光、保湿など、体質に応じたアフターケアを計画的に行うことでリスクを最小限に抑えることができます。

まとめ

今回は、眉下リフトにおける傷あとの経過や仕上がりについて、症例とともにご紹介しました。

術直後は赤みや線状の跡が見えても、1ヶ月を過ぎた頃から徐々に眉毛の中に傷がなじみ、目立たなくなっていくことがわかります。
切開ラインを眉下に沿わせ、適切に縫合・処理を行うことで、時間の経過とともに自然な仕上がりへと変化していきます。

眉下リフトで大切なのは、

  • 丁寧な縫合
  • 骨格に合ったデザイン
  • まぶたの厚みに応じた適切な内部処理

といった“構造を読み取る力”と“精度の高い技術”です。

「傷あとが心配で踏み切れない」という方も、まずは正しい情報を知ることから始めてみてください。
まぶたの構造やたるみ方は人それぞれ異なりますので、ご自身が眉下リフトの適応かどうかを知ることが、自然な目元づくりへの第一歩になります。

気になる方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。

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