こんにちは、美容外科専門医、美容外科11年目の島田です。今回は私の専門である”目の施術”の中でも、ご相談が多い「二重整形」について詳しく解説していきます。
美容医療の中でも人気の高い「二重整形」。その中で、より長期的に安定した二重ラインを希望する方に選ばれているのが「切開法(二重全切開)」です。
埋没法のように糸だけで作る方法と比べて、切開法では皮膚や脂肪にまでアプローチするため、まぶたの構造からしっかりと整えることが可能です。
本記事では、全切開二重術の仕組み・適応・術後経過・リスク・埋没法との比較を、美容外科医の視点から分かりやすく解説します。
二重の仕組みと手術の基本

まぶたの奥には「瞼板」という軟骨があり、そこに「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」という筋肉が付着しています。目を開くとき、この筋肉が瞼板を持ち上げることで、まぶたの皮膚が引き込まれ、二重ラインが生じます。
一重の方は、この“皮膚が筋肉に引き込まれる構造”が弱いため、まぶたの皮膚が黒目に被さってしまい、目が小さく見える原因になります。
二重手術では、この仕組みを人工的に再構築することで、皮膚が自然に引き込まれるような状態を作るのです。
基本的に二重整形の目的は「二重を新しく作る」「元の二重幅を広げる」「左右差を整える」などがありますが、それぞれの目的によって最適な術式が異なります。
切開法とは?|まぶたの構造に根本からアプローチ

切開法(二重全切開)は、まぶたの皮膚を希望の二重ラインに沿って切開し、余分な皮膚や眼輪筋、眼窩脂肪(場合によりROOF)などを取り除いたうえで、まぶたの内部構造を調整しながら二重ラインを固定する方法です。
縫合したラインがそのまま二重として定着するため、取れる心配がほとんどなく、くっきりとした美しいラインを長期間保てるのが特徴です。
この術式は、厚ぼったいまぶたや加齢によるたるみが強い方でも、まぶたの構造からしっかりと整えることができ、幅広でくっきりとした理想の目元を実現することができます。
埋没法と切開法の比較|どちらが向いている?
埋没法は糸だけでラインを作る方法で、手軽でダウンタイムも短いという大きなメリットがあります。ただし、まぶたの厚みがある方や皮膚がたるんでいる方には向きません。
一方、切開法は皮膚・脂肪・筋肉に直接アプローチできるため、腫れぼったさやたるみを根本的に改善できます。何度も埋没法が取れてしまった方や、幅広くしっかりとしたラインを希望される方におすすめです。
また、切開法では脂肪の除去や眼瞼下垂の同時修正も可能で、まぶたの開き自体を改善することで、目元全体の印象を若々しく明るく変えることも可能です。
切開法が向いている方
二重幅が狭すぎて目が小さく見えると感じている方
まぶたが厚く、脂肪が多い方
加齢により皮膚がたるんでいる方
埋没法が取れてしまった経験のある方
幅広でしっかりとしたラインを希望する方
長期的な安定性を求めている方
切開法のメリット
二重ラインの安定性が高い
切開して癒着させることで、ラインが取れにくく、形が安定します。
脂肪・筋肉・たるみを調整できる
腫れぼったい印象や老け感の原因に直接アプローチできるため、若々しく引き締まった目元が目指せます。
デザインの自由度が高い
理想の幅や形に近づけやすく、平行型・幅広ラインなども安定して作りやすいです。
埋没が取れやすい方にも対応
複数回埋没を経験された方、皮膚が伸びてしまっている方にも適応があります。
切開法のデメリット・リスク
ダウンタイムが長い
術後は腫れや内出血が出やすく、落ち着くまで1〜2週間、完成までは3〜6ヶ月程度かかります。
傷跡が完全にゼロにはならない
まぶたの構造上、術後しばらく赤みや硬さが残ることもありますが、時間とともに自然に馴染みます。最終的には目立たなくなります。
埋没法との比較|自分に合うのはどっち?
比較項目 | 埋没法 | 切開法 |
---|---|---|
手術の種類 | 糸で固定 | 皮膚・組織を切開し固定 |
傷跡 | ほぼなし | あり(徐々に目立たなくなる) |
ダウンタイム | 2〜7日 | 1〜2週間以上 |
対応できるまぶた | 薄い・たるみなし | 厚ぼったい・たるみあり |
修正や後戻り | やり直し可能 | 基本的に戻すことは難しい |
適応年齢 | 10〜30代中心 | 幅広い年齢層に対応可 |
切開法の施術の流れ
- カウンセリングとデザイン
- 患者様のご希望とまぶたの状態を丁寧に確認し、自然なラインになるようデザインします。
- 局所麻酔
- 極細針で行うため、痛みや内出血を最小限に抑えます。
- 皮膚切開と組織の処理
- 希望のラインに沿って切開し、必要に応じて脂肪・眼輪筋・ROOFを除去します。
- 二重ラインの固定と縫合
- 二重を形成するように組織を固定し、丁寧に縫合します。
- 抜糸と経過観察
- 術後1週間で抜糸、数ヶ月かけて自然なラインに仕上がります。
術後経過とアフターケアのポイント
- 施術時間:約30分
- シャワー:目元以外は当日から、目元は2日目より可能
- 洗顔・メイク:2日目より洗顔可能、目元メイクは抜糸翌日から
- 抜糸:術後1週間目
- ダウンタイム:腫れ1〜2週間、最終的な完成は約3〜6ヶ月
切開法は有力な選択肢のひとつですが、全ての方に最適とは限りません。
切開法は、まぶたの構造に直接アプローチできる施術であり、持続性・安定性ともに高く評価されています。特に、まぶたに厚みがある方や、加齢によるたるみがある方にとっては、その効果が発揮されやすい方法です。
しかし、こうしたメリットがある一方で、すべての患者様に適応するわけではありません。たとえば、二重幅を狭く自然に仕上げたい方や、まぶたが薄く柔らかい方には、「埋没法」がより適している場合もあります。埋没法は、メスを使用せずに施術ができ、ダウンタイムも短く、元に戻せる可逆性があることから、特に初めての整形を考える方に選ばれやすい方法です。
美容外科において最も重要なのは、患者様それぞれのまぶたの状態やお顔全体とのバランス、理想とする仕上がりを丁寧に分析し、その上で最適な術式を提案することです。一律の方法論ではなく、医師の診断力と技術力によって、満足度と安全性の高い結果につながります。
さらに、二重幅についても注意が必要です。一般的には「幅広=目が大きく見える」と思われがちですが、実際には逆効果になることもあります。幅が広すぎることで目の開きが妨げられ、黒目の露出が減り、結果として“目が小さく見える”ことがあるのです。
また、「ハム目」と呼ばれる腫れぼったい印象の目元は、幅広の二重を無理に作ろうとした際に起こりやすい現象であり、切開法・埋没法のいずれでも生じるリスクがあります。
デザインを幅だけで決定してしまうと、皮膚の厚みやまぶたの開き具合、脂肪量などの要素との不整合が起こり、不自然な仕上がりになってしまう恐れもあるのです。
特に、目の開きが弱い方には「眼瞼下垂の手術」との併用が必要になることもあります。そのため、的確な診断と施術経験を兼ね備えた医師によるカウンセリングを受けることが、納得のいく仕上がりへの第一歩となります。
まとめ|自分にとって最適な二重整形を選ぶために
今日は、切開法のメリット・デメリットや、埋没法との違い・選び方について、美容外科医の立場から解説させていただきました。
切開法は、まぶたの構造を根本から整えることができ、ラインの安定性や持続性、美しい仕上がりが期待できる術式です。まぶたの厚みやたるみが気になる方、埋没法が取れやすい方にとっては有力な選択肢となります。
ただし、すべての方に最適というわけではありません。まぶたが薄く、自然な仕上がりや短いダウンタイムを重視する方には、埋没法の方が合っている場合もあります。
また、二重幅を広げれば目が大きく見えるとは限りません。幅が広すぎると目の開きが悪くなり、黒目の露出が減って逆に小さく見えてしまうことも。さらに、無理なデザインは「ハム目」など不自然な印象を招くリスクもあります。
施術法を選ぶ際は、まぶたの厚み・開き・脂肪量などを含めた総合的な診断が必要です。特に、目の開きが弱い方には眼瞼下垂の手術を併用するケースもあるため、経験豊富な医師によるカウンセリングを受けることが大切です。
二重整形を考えている方、切開と埋没のどちらが自分に合うか迷っている方は、どうぞお気軽にご相談ください。