「クマ」の正体は靭帯だった?〜ティアトラフと裏ハムラ法で読み解く、目の下治療の最前線〜

◆ 疲れて見える「目の下のクマ」、原因は靭帯かもしれません

「いつも疲れて見える」「メイクで隠れない目の下の影」──
このような悩みの背景には、“ティアトラフ靭帯”という解剖学的構造が深く関係していることがあります。

今回は、目の下のクマの構造的な原因であるティアトラフと、それを根本から改善できる「裏ハムラ法」について、美容外科的な視点から詳しく解説します。


目次

ティアトラフとは? ーくぼみの正体は「靭帯」

目の下に斜めに入る影、いわゆる「クマ」の原因のひとつが、tear trough ligament(ティアトラフ靭帯)です。

  • これは、目頭の下から頬にかけて走る靭帯構造で、皮膚を骨にしっかりと固定しています。
  • 年齢や骨格の影響で眼窩脂肪が前方に突出すると、この靭帯が“境目”となって段差(くぼみ)を生み、影クマとして目立つようになります。

つまり、目の下のクマは単なる色素やたるみではなく、「靭帯と脂肪の位置関係」による構造的な現象なのです。


クマができるメカニズム

原因詳細
眼窩脂肪の前方突出加齢などで目の下の脂肪が押し出されて“ふくらみ”になる
ティアトラフ靭帯の固定靭帯が皮膚を骨に強く固定しているため、段差が生まれ“くぼみ”になる
ミッドチークのボリュームロス頬の脂肪が減少すると、影がさらに強調される

これにより、「ふくらみ+くぼみ」による凹凸ができ、影が生じて“クマ”のように見えるのです。


裏ハムラ法とは?〜構造的に整える“根本治療”〜

こうした構造的なクマに対し、注入やスキンケアでは限界があります。
そこで選ばれるのが、裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)です。

▶ 裏ハムラ法の概要

裏ハムラ
  • まぶたの裏側(結膜)から手術を行い、突出した眼窩脂肪を切除せずに、くぼみに移動・再配置する方法です。
  • クマの原因となる高低差をなだらかに整えることができ、皮膚表面に傷跡が残らないのも特長です。

注目すべきポイント:ティアトラフ靭帯への処理が可能

裏ハムラ法の最大の強みの一つは、ティアトラフ靭帯を適切に処理できることです。

この靭帯がそのまま残っていると、せっかく脂肪を移動しても、靭帯の張力によって段差が残りやすく、クマの完全な解消にはつながりません。

そこで、手術中に以下のような方法で靭帯にアプローチします。

  • 剥離(リリース)して靭帯の緊張を緩める
  • 部分的にカットして再付着を防ぐ
  • 靭帯の一部を“伸ばすように”再配置する

このように靭帯の処理を行ったうえで、眼窩脂肪を適切な位置に移動・固定することで、凹凸のない滑らかで自然な目元を形成することが可能になります。

これは、ヒアルロン酸や脂肪注入では不可能な、手術でしか行えない繊細な技術です。


裏ハムラ法のメリット

特徴内容
構造的な原因にアプローチ脂肪の突出と靭帯の張力という2つの要素に同時に対応
皮膚に傷が残らない結膜側からの操作で表面に一切傷が出ない
長期的で安定した効果再発や凹凸戻りが起こりにくく、仕上がりが自然
仕上がりの調整が自由骨格や脂肪量に応じて、個別にデザインできる

他の治療との違い

治療法特徴限界
ヒアルロン酸注入くぼみを一時的に持ち上げられる靭帯の張力には効果がなく、過剰注入リスクあり
脂肪注入自然な質感が得られる出っ張った脂肪は改善できない/定着に個人差
裏ハムラ法脂肪+靭帯の“根本治療”が可能ダウンタイムが1〜2週間程度必要

実際の症例

裏ハムラ

よくある質問

◆ よくあるご質問(FAQ)

Q:脂肪は取らないのですか?
A:裏ハムラ法では脂肪は“切除せず移動”します。これにより凹みすぎず自然なふくらみを保てます。

Q:術後の見た目が不自然になりませんか?
A:靭帯と脂肪のバランスを整えるため、不自然な段差や“やりすぎ感”は出にくいです。

Q:再発しますか?
A:靭帯と脂肪の再配置により、高低差の原因を根本的に整えるため、再発リスクは非常に低いです。

まとめ:クマ治療は「靭帯と脂肪のバランス調整」へ

「目の下の影が気になる」
「疲れて見えると言われる」
「他の治療では物足りなかった」

そんな方には、ティアトラフ靭帯という“影の根本原因”にアプローチできる裏ハムラ法が有力な選択肢です。

  • 靭帯の剥離・再配置といった繊細な処理を施した上で、
  • 脂肪を段差なく移動・固定することで、
  • 「くぼみ」と「ふくらみ」の高低差をなだらかに整えることができる、極めて理にかなった目の下治療です。

私はこれまでに1,500例以上のクマ取り手術を経験しており、
かつては日本最大手の美容クリニックにて、年間症例数 全国1位の実績を持ちます。

実は、目の下のクマ取りはグラマラスライン形成の“簡易版”のような手術です。
私はそのグラマラスラインを日本一執刀してきた医師として、クマ取りにおいても構造理解と繊細な操作に絶対の自信を持っています。

目の下のクマにお悩みの方は、どうぞ安心して私にお任せください。

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