「自分に似合う二重が分からない」「流行の幅広二重に憧れるけど、私の顔に合うのかな?」
このようなお悩みは、二重整形を考える多くの方が抱える共通のテーマです。
実は、“似合う二重”には医学的に導き出せる“正解”があります。
目の構造、まぶたの厚み、開瞼力(目の開き具合)、顔全体のバランスなどを踏まえた上で、自然で美しいラインを導くことが可能です。
この記事では、美容外科医の視点から「自分に本当に似合う二重」の見つけ方を解説します。
かわいい理想の二重に必要な3つの条件
可愛らしく、かつ自然な印象を与える理想的な二重まぶたには、解剖学的・機能的に満たすべき基本的な条件があります。以下の3点を満たすことで、目元本来の魅力が最大限に引き出され、バランスの取れた「似合う二重」を形成することができます。
✔︎ まつ毛の生え際が見えている
まつ毛の根元がしっかりと露出している状態は、目元の印象を明瞭にし、アイメイクの映えやすさにも直結します。二重ラインが適切な位置で固定されていない場合、生え際が隠れてしまい、目が重たく、眠たそうに見えてしまうことがあります。
✔︎ 二重部分の皮膚がたるまず、スムーズに折れ込む
二重ラインが皮膚のたるみによって隠れたり、不自然に段差が生じたりすると、仕上がりの美しさが損なわれます。適切なライン設計とまぶたの厚みに応じた処置(脂肪除去など)を行うことで、滑らかで安定した二重ラインを実現することができます。
✔︎ 黒目の開きが良好で、瞳がしっかり見える
黒目の露出(開瞼度)が十分であることは、目の印象を大きく左右します。眼瞼挙筋の機能が低下している場合、黒目が隠れて「眠たそうな目元」になりやすく、可愛らしさや明るさが損なわれてしまいます。必要に応じて、眼瞼下垂修正を併用することで、理想的な目の開きを確保することが可能です。
あなたのまぶたタイプは?
似合うデザインを見つけるためには、まず自分のまぶたの特徴を知ることが大切です。
【タイプ①】皮膚が薄く、目の横幅が広い
→ どんな二重デザインも馴染みやすく、ナチュラルに仕上がるタイプです。
おすすめ: やや広め〜平行型ラインにも挑戦しやすい
【タイプ②】まぶたが厚く、脂肪が多い
→ 幅広二重は不自然に見えることがあります。
対策: 脱脂(脂肪除去)を併用した埋没法・切開法が効果的
【タイプ③】黒目が隠れがち・眼瞼下垂気味
→ 眠そうに見える傾向があります。
対策: 挙筋前転術など「開瞼手術」を併用すると根本から改善できます
二重のデザイン選び:平行型と末広型とミックス型、あなたに合うのは?
二重整形において、「どんなラインにするか」は非常に重要なポイントです。代表的なデザインには「平行型」「末広型」「ミックス型」の3種類があり、それぞれに適したまぶたの形や印象があります。
以下では、それぞれの特徴と向いている方の傾向を、医師の視点から解説します。
末広型(すえひろがた)

特徴:
目頭は一重に近く、目尻にかけて徐々に二重の幅が広がるタイプ。日本人の顔立ちによくなじむ自然なデザインです。
印象:
・控えめでナチュラル
・優しく落ち着いた雰囲気
・「元から二重だったような」自然さ
向いている方:
- 一重・奥二重の方
- まぶたに脂肪が多めの方
- 自然な仕上がりを希望する方
- 接客業・公務員などナチュラルさが求められる方
注意点:
華やかさや目の強調を重視する方には物足りなく感じる場合も。
平行型(へいこうがた)

特徴:
目頭から目尻まで、二重のラインが平行に走るタイプ。目の縦幅を強調しやすく、パッチリとした印象を与えます。
印象:
・華やかで存在感がある
・目が大きく見える
・トレンド感や芸能人風の目元に近い
向いている方:
- まぶたが薄く脂肪が少ない方
- 黒目の露出(開瞼力)が良好な方
- 鼻筋が通っていて立体的な顔立ちの方
- メイク映えを重視したい方
注意点:
まぶたに厚みがある場合はラインが不安定になる可能性があり、脱脂や眼瞼下垂手術との併用が必要なケースも。
ミックス型(二重ラインの中間デザイン)

特徴:
目頭側はやや狭く、目尻に向かって平行型に近づく中間的なデザイン。末広型と平行型の“いいとこ取り”とも言えるラインです。
印象:
・ナチュラルさと華やかさを両立
・幅広すぎず、控えめすぎない
・TPOに左右されない万能型の印象
向いている方:
- 平行型に憧れつつ、自然な印象も残したい方
- 職業上ナチュラルさが求められるけれど、少し目力も欲しい方
- 自然な“モテ目元”を目指したい方
注意点:
明確な平行ラインを求める場合はやや物足りなさを感じることもあるため、事前のシミュレーションが重要です。
美容外科医が見る「似合う二重」の判断軸
似合う二重を判断する際、私は以下のようなポイントを総合的に見ています。
1. まぶたの厚み・脂肪量
→ 脂肪が多いと二重が食い込みにくくなるため、脱脂を併用すると定着しやすくなります。
2. 目の開き(眼瞼挙筋の働き)
→ 開きが弱いと眠たそうに見えることも。眼瞼下垂手術との併用で、より自然でパッチリとした仕上がりに。
3. 顔全体の骨格バランス
→ 平面的な顔立ちには末広型、立体感のある顔立ちには平行型がマッチしやすい傾向があります。
4. 職業・ライフスタイル
→ ナチュラルさが求められる職業の方には控えめな末広型を、写真映えを重視する方にははっきりした平行型をおすすめすることもあります。
デザインだけでなく「目の機能」も大切に
二重整形というと、見た目の変化ばかりに注目されがちですが、実は「目の開き」や「まぶたを動かす筋肉の働き」といった機能面の診断が非常に重要です。
たとえば、普段から無意識に眉を持ち上げて目を開けている方は、手術によって目が開きやすくなることで、術後に眉の位置が自然と下がり、顔全体の印象が大きく変わることもあります。
目元は、表情や顔全体のバランスに直結する繊細なパーツです。だからこそ、単なるデザイン重視ではなく、医学的な視点に基づいた診断と提案が、理想の仕上がりを叶えるカギとなります。
よくある質問(FAQ)
Q1. カウンセリングではどこまで詳しく診てもらえますか?
A. 目の開き具合(開瞼力)やまぶたの厚み、脂肪の量、骨格とのバランスなどを医師が細かく診察します。ご希望のデザインだけでなく、医学的な視点から「似合う形」「安定するライン」をご提案いたします。
Q2. 平行型にしたいのですが、まぶたが厚くてもできますか?
A. 可能なケースもありますが、まぶたが厚い方はラインが不安定になりやすいため、必要に応じて脱脂や眼瞼下垂手術を併用することで、より美しい仕上がりが期待できます。術前の診断が重要です。
Q3. 埋没法と切開法、どちらが向いていますか?
A. まぶたの状態やご希望の仕上がりによって最適な方法は異なります。まぶたが薄く腫れぼったさが少ない方は埋没法で対応できる場合が多く、厚みやたるみが強い方は切開法や併用法が適しています。
Q4. 二重整形と一緒に眼瞼下垂の治療もできますか?
A. はい、可能です。むしろ目の開きが弱い場合は、同時に開瞼機能の改善を行うことで、より自然で明るい目元に仕上がります。美容面と機能面の両立が可能です。
Q5. ナチュラルな仕上がりにしたいのですが、派手になりすぎませんか?
A. ご安心ください。ご希望に応じて控えめなライン設計や末広型・ミックス型の提案を行います。職業やライフスタイルに合わせたナチュラルな仕上がりを実現できます。
症例動画
施術内容:自然な範囲の中で二重幅をデザインし、さらに患者様のご希望を丁寧にすり合わせてデザインを決めました。
今回の症例のように、皮膚が薄く目の横幅がある方は、比較的どのような二重幅でも美しく仕上がりやすい傾向にあります。
出目傾向のある方は、手術直後に目頭側の腫れが強く出る場合もありますが、時間の経過とともにしっかりと落ち着いていきますのでご安心ください。
また、まぶたが軽くなることで、無意識に持ち上げていた眉毛の動きにも変化が現れます。
(今回も、眉毛の挙上が落ち着き、自然な位置に下がりました)
まとめ
二重整形は、「ただ幅を広げればキレイになる」という単純なものではありません。理想的な仕上がりのためには、「まぶたの厚み」や「目の開き具合(開瞼力)」、「顔全体の骨格バランス」など、多角的な視点からの診断が必要不可欠です。
平行型、末広型、ミックス型といった代表的なデザインにも、それぞれに適したまぶたの特徴や顔立ちがあります。たとえば、まぶたが厚く脂肪が多い方には末広型やミックス型が自然に馴染みやすく、まぶたが薄く目の開きが良好な方であれば、平行型で華やかな印象を作ることも可能です。
また、「見た目の美しさ」だけでなく、「目をしっかり開けられるか」といった機能面の改善も、実は整形を成功させる大切なポイントです。普段は気づかなくても、目の開きが弱く、眉を無意識に上げて生活している方も多くいらっしゃいます。そうした状態を見逃さず、必要に応じて眼瞼下垂の手術を組み合わせることで、より自然で明るい目元に仕上げることができます。
「自分に似合う二重がわからない」と感じるのは、ごく自然なことです。だからこそ、信頼できる医師と一緒に、自分の顔立ちやまぶたの特徴を正しく理解しながら、納得のいくデザインを見つけていくことが大切です。
ナチュラルで可愛い、そして“あなたらしい”目元を叶えるために。焦らず、丁寧に、理想の二重を一緒に探していきましょう。