年齢が出やすい“首元”のたるみと二重あごに― 脂肪だけじゃない、筋肉から整える「ペリカン手術」―

目次

実は「脂肪だけじゃない」二重あごの正体

多くの方が、「二重あご=脂肪が多いことが原因」と思われがちですが、実はそれだけが原因ではありません。

脂肪以上に深く関係しているのが、首元にある「広頸筋(こうけいきん)」という筋肉のゆるみです。
この筋肉は、あご下から首にかけて広がっており、フェイスラインを内側から支える重要な存在です。

若い頃はこの筋肉がピンと張っているため、首元はすっきり引き締まり、輪郭もシャープに保たれます。
しかし、加齢や表情のクセなどによって広頸筋が左右に開き、ゆるんでしまうと、皮膚がたるみ、その下に脂肪がたまりやすくなってしまうのです。

こうして現れるのが、いわゆる「二重あご」や「ペリカン首」と呼ばれる状態です。


ペリカン手術とは?

― 筋肉と脂肪、両方にアプローチする“根本治療” ―

ペリカン手術

こうした状態を根本から改善するためには、
単に脂肪を取り除くだけでは不十分です。

当院で行っているペリカン手術(広頸筋縫縮術)は、
たるみの主因である「筋肉のゆるみ」と「脂肪の蓄積」両方にアプローチする手術です。

手術では、あご下を2〜3cmほど切開し、広頸筋を丁寧に露出。
必要に応じて、脂肪吸引や脂肪の直接切除を行います。

さらに、左右に広がった広頸筋を中央に縫い寄せて固定することで、筋肉の支持力を回復させ、内側からしっかりとフェイスラインを引き締める構造を再構築します。


脂肪吸引とペリカン手術の違い

一般的な二重あごの脂肪吸引は、カニューレという器具を用いて脂肪を吸い出す方法です。
脂肪が主な原因である場合には効果的ですが、筋肉のゆるみがある場合にはたるみが残ることもあります。

一方、ペリカン手術では、

  • 吸引ではなく切開による脂肪除去を行うため、脂肪の再蓄積リスクが少ない
  • 筋肉を中央に縫合して引き締めるため、時間が経ってもフェイスラインが崩れにくい
  • 内側から立体的にリフトアップされるため、自然で滑らかな仕上がり

といったメリットがあります。


ペリカン手術のダウンタイムについて

ダウンタイムの経過目安

  • 腫れ・内出血:術後2〜3日目をピークに、1〜2週間かけて徐々に軽減します。
  • 痛み・違和感:術後数日間は鈍痛やつっぱり感を感じることがありますが、鎮痛薬の内服でコントロール可能です。
  • 抜糸:通常は術後5〜7日目に行います。
  • :顎下に数cmの傷ができますが、顎下なので正面からは見えず目立ちません。

起こりうるリスクと合併症

どの外科的手術にもリスクは伴いますが、以下は注意しておきたいポイントです。

  • 感染症:抗生物質などで対応可能
  • 内出血や腫れ:圧迫とアイシングで軽減可能
  • 神経の一時的な違和感:時間経過で改善することが多い
  • 左右差や仕上がりの個人差

事前に医師が状態をしっかり見極め、無理のない施術計画を立てることが重要です。


ペリカン手術はこのような方におすすめ

  • 二重あごを何度か脂肪吸引しても満足できなかった
  • 年齢とともに首元がもたついてきた
  • 自然な方法で輪郭を引き締めたい
  • 効果を長く維持できる治療を探している

ペリカン手術は、「根本的に整えたい」方にこそ適した施術です。

実際の症例

4か月前に頬骨セットバックおよび両顎手術を受けられた患者様が、今回は鼻・たるみ・口角に関するご相談で来院されました。今回は、首元のたるみに対してペリカン手術と顎下の脂肪吸引を実施しました(鼻および口角については別記事でご紹介いたします)。

手術では顎下を約3cm切開し、皮下および深部の余分な脂肪を丁寧に除去。その後、広頚筋を縫合・寄せることで、筋肉層からしっかりと引き締めを行いました。

術後1ヶ月時点の経過では、首元のぽっこりとしたたるみが明らかに改善され、輪郭がすっきりとした印象に変化しているのが分かるかと思います。

切開部は顎の下に位置するため正面からは見えません。まだ1ヵ月なので傷は分かりますが、経過とともに肌になじみ、最終的にはほとんど目立たなくなります。


まとめ

加齢や筋肉のゆるみによって現れる首元のたるみや二重あごは、脂肪だけを取り除いても根本的な解決にはなりません。ペリカン手術は、皮下脂肪の除去に加えて、広頚筋をしっかりと縫合・補強することで、内側から輪郭を整える根本的な治療です。

今回の症例でも、術後1ヶ月という早い段階で明らかな輪郭の変化が見られ、患者様ご自身にも高い満足度を感じていただいています。切開部も顎下に隠れる位置のため、目立ちにくく、時間とともにより自然な仕上がりへと落ち着いていきます。

また、今回の症例のように、僕は複合的なアプローチを必要とする手術を得意としています。首元のたるみだけでなく、鼻や口元をはじめとしたお顔全体のお悩みに対しても、単独ではなく総合的に診断・治療を行うことが可能です。パーツひとつひとつを切り離して考えるのではなく、お顔全体のバランスを重視しながら、その方に最も自然で美しい変化をご提案いたします。

首のたるみで悩んでいる方はもちろん、お顔のお悩みが複数あってどこから相談すれば良いかわからないという方も、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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