小鼻縮小で鼻の穴が大きくなる?土手がなくなる?傷が後から出てくる?小鼻縮小の失敗例と注意点を解説

小鼻縮小とは、鼻翼(小鼻)や鼻腔底(鼻の穴の下側)の皮膚を切除して、小鼻を小さくする手術です。

小鼻を小さくすることで、すっきりとした優しい印象の鼻にすることができるので、小鼻のふくらみが気になる方や、鼻の穴を小さくしたいという方に人気の施術です。

ですが、小鼻縮小でも失敗例をよく見かけるようになりました。今日は小鼻縮小でのよくある失敗例をいくつか解説したいと思います。あわせて注意事項や修正事例なども紹介しますので、参考になれば幸いです。

目次

小鼻縮小とは

鼻翼とは、鼻の穴の横の左右両端にふくれている部分を指します。 小鼻とも呼ばれます。小鼻が外側に広がっていると、鼻の穴の大きさが強調されて見えてしまいます。

小鼻縮小は、鼻翼(小鼻)を数ミリ切除して、鼻全体のバランスを調整しながら丁寧に縫い縮めていくことで小鼻がすっきりし、鼻の穴も目立たなる、といった手術です。

そんな小鼻縮小の手術ですが、失敗例も少なくありません。どういった失敗例があるか説明していきたいと思います。

小鼻縮小失敗例①傷が汚い【修正難易度1】

小鼻の傷跡修正

小鼻縮小の術後、小鼻の横に白い線が何本かある傷跡になっている症例を見かけます。

これは何故起こるかというと、中縫いといって、切って開いた部分をPDSなどの吸収糸で無理やりぎゅっと寄せて縫うことで起こります。たしかに皮膚は閉じるのですが、その下の真皮の部分にずっと張力(テンション)がかかった状態になります。そうするとそこに白い瘢痕が出来てしまい、それが傷となって見えるのです。

ですので、何カ月もかけてその傷が出てきます。こういった傷の厄介なところは、縫った時や抜糸の時はすごく綺麗な傷なのに、数カ月かけて徐々に汚い傷になっていってしまうところです。小鼻縮小はいらない部分を切って縫えばいいんじゃと思う方もいると思うのですが、そんな単純な話ではありません。無理やり皮膚同士、皮下組織を皮下縫合で寄せるというのは、このような傷跡になってしまうので全然よくないです。

そうならないためにも、皮膚よりももっと前の段階で寄せないといけません。

簡単に言うと

【内部処理をする】

ということです。

鼻翼も人中も基本的には内部処理で寄せないといけないです。具体的には、真皮よりももっと前の筋肉や皮下組織も巻くなどして、真皮には張力(テンション)をかけないようにします。そうすることで、綺麗な傷跡にすることが可能です。これが出来ていないと、前述したように半年~1年かけて白い線がピッと出てきて見栄えのよくない傷跡になってしまうのです。ですので、傷跡を最低でも半年はフォローしてくれるドクターを選ぶことも大切です。

小鼻縮小失敗例②変形が起きる(土手がなくなる)【修正難難易度2】

土手再建(鼻翼の組織を用いた皮弁法)

本来小鼻の横は丸くなっているのですが、小鼻縮小の術後に鼻の横がピタッとくっついて変な形になる症例があります。これはそこだけ組織がなくなってしまっていることが原因です。組織がなくなってしまっていると聞くとどうしようもないと思うかもしれませんが、ただ組織がなくなって変形が起きているだけの場合は、他のところから持ってきたらなんとかなる場合があります。例えばZ形成といって弁を作って入れ替える、鼻の中から皮弁を持ってきて修正する、などで対応が可能です。

この症例の方は鼻翼の組織を用いた皮弁法でなくなった土手を再建しました。また小鼻も丸くなるように調整しているのが分かるかと思います。術後3ヶ月で傷の赤みが目立つ時期ですが皮弁もバッチリ生着しています。何より近くの組織で再建しているので耳介等の移植組織よりとても馴染みがいい方法です。

小鼻縮小失敗例③重度の変形が起きる【修正難易度3】

鼻孔縁下降(耳軟骨移植)

修正難易度2の、組織は足りないけど、鼻の中の組織でなんとか修正できるのはまだいいのですが(といっても大変ですが)、もっと大変なのは組織が取られすぎて鼻の中の組織では足りず、耳の軟骨や皮膚を取ってきて移植したり、頬の肉を切ってきて伸ばして土手を作る、などといった修正です。これはかなり難しいです。難易度2~3段階目になると、傷跡修正というよりかは再建の手術です。傷跡修正ぐらいのレベルで済むといいのですが、そこからさらに組織量の不足と変形の程度によって、修正難易度が2段階、3段階と難しくなってきます。

こちらの方は先ほどの修正難易度2の症例と同じ患者様です。なくなった土手は鼻翼の組織を用いた皮弁法で行いましたが、鼻孔縁の下降も行いました。鼻孔縁があがっていることで鼻の穴も大きく見えてしまっているので、なくなってしまった鼻孔縁に耳軟骨を移植して下げました。

小鼻縮小をして鼻が広がることがある?

小鼻縮小で小鼻を小さくしたのに、鼻の穴が大きくなることがあります。

これはなぜかというと、傷の治り方が関係しています。

切った傷は一方向に向かって治ることはありません。小鼻を内側に向けて切ったら、戻っていくときに外に引っ張られます。外の皮膚に小鼻の下が引っ張られるのです。皮膚の切り取りだけで縮小しようとすると、鼻の穴が大きくなってしまう可能性があります。

土手の重要性について

小鼻縮小や人中短縮で皮膚を切り取られてしまって土手がなくなってしまい、修正に来られる方も多いです。

鼻の土手がないと、

・鼻の穴が大きく見える

・人中がのっぺりして立体感がない

・鼻水が垂れる

等などの問題が起こります。

鼻の土手、あまり注視されていませんが、とても重要なパーツなのです。

人中を短くするために人中を切りますが、切った縁の中の組織同士は引っ張り合っているので、土手の下で切ったとしても土手がなくなります。内部処理をしなかったら土手の下で切ったとしても土手の皮膚が引っ張られてしまい、土手の膨らみはなくなります。

鼻の土手を気にする患者様は正直あまりいらっしゃらないです。ですが、人中短縮したあとになんか変になった、小鼻縮小したら鼻の穴が目立つようになった、と困って相談にきたら土手がなくなっているからだね、といった方は本当に多いです。

こういったことがあるので、小鼻縮小にしても人中短縮にしても、やりすぎ(皮膚の切りすぎ)はよくないと思います。いっぱいい切るとその分引っ張られる力も大きくなるので、変形も強くなります。

まとめ

今回は小鼻縮小で起こりうる失敗例や対策方法、注意点を解説しました。

小鼻縮小の術後に鼻が変形し、後悔されている方も実際に多くいらっしゃいます。

修正手術にも難易度の段階があります。

1段階目:形が変になるほど組織は取られてはいないが、傷が汚い。傷を綺麗に縫合しなおすことで対応。

2段階目:組織がなくなっていて変形。鼻の中の組織の移植で対応。

3段階目:かなりの組織がなくなり変形。鼻の中の組織だけでは完結しないため、頬や別の部位から移植して対応。

小鼻縮小の失敗の修正は

「皮膚の切りすぎ」「傷が汚い」この2点に集約されます。

まだ傷が汚いは綺麗に縫合しなおせば何とかなります。

「皮膚の切りすぎ」で変になった鼻の修正は本当に大変です。

ただ小鼻を小さくするという目的で、皮膚をたくさん切り取られてしまった方は少なくありません。

小鼻縮小は人気の施術ですが、小鼻を安易に切ると鼻の形が崩れるということがあるので、そういったことも踏まえて検討することが大事です。

当院はなくなってしまった土手再建や、傷跡修正などの修正手術も得意としております。

鼻翼の組織を用いた皮弁法だけでなく、口輪筋を移動させてボリュームを出して再建する方法など、様々な方法があります。また再建だけすればいいというわけではなく、人中を含めた中顔面のバランスも考慮した上で、その方にあった術式やデザインを考えていきます。お悩みの方はぜひご相談お待ちしております。

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