【人中短縮】傷のつかない人中短縮は後戻りする?

今日は「人中短縮の後戻り」についてお話したいと思います。

特に傷のつかない人中短縮は後戻りするのか?これはカウンセリングでもよく聞かれるところです。

まず結論をいうと、

「皮膚を切る、切らない関係なく、不自然に(無理矢理)組織を移動させると後戻りする」です。

今日は人中短縮の術後、後戻りしてしまう原因と、後戻りしないための注意点など解説したいと思います。

目次

人中短縮の施術の種類

人中短縮

鼻の下を切開し、余分な皮膚を切除して鼻と唇の間の距離を縫い縮め、鼻の下を短くします。

外側人中短縮

上口唇の外側の余分な皮膚を切除して縫合することで、上口唇の外側を引き上げ、鼻の下を短くします。

皮膚に傷がつかない人中短縮

一般的な切開による人中短縮術は鼻の下に傷がつきますが、皮膚に傷がつかない人中短縮は口腔内から切開するため皮膚に傷をつけることなく半永久的な効果があります。

人中短縮で後戻りする原因

人中短縮で後戻りする原因は大きく2つあります。

① 短期的に固定が取れてしまう

単純に施術時の固定が取れてしまい、元に戻ってしまうケースです。
当院では内部組織もしっかり処理し、口輪筋をしっかり硬い組織に吊り上げ固定することで、後戻りの心配をなくすようにしています。ですが、腫れている時に糸が取れてしまう等、リスクとしてはゼロではありません。

② 長期経過で徐々に元に戻る

これは切る人中短縮も切らない人中短縮も共通しているのですが、人中短縮術を行うと、物理的に人中の距離が短くなります。

当院では人中短縮の際、筋肉や脂肪を処理するのですが、唇付近の口を動かす筋肉(口輪筋)はすべて残します。ですので、術後麻痺が取れてきたら口を動かす筋肉は完全に元に戻ります。

人中短縮で人中が短くなると、口が開きやすくなり下唇で無理やり閉じようとします。同時に上唇も閉じようとするので、どうしても人中が伸びる動作をしてしまうこととなります。

唇が閉じにくいから、ぐっと力を入れて口を閉じる動作(人中が伸びる動作)を長期的に続けると、人中が伸びてしまい後戻りしてしまいます。また、皮膚を切開した人中短縮の場合は、この傷にも大きな負担がかかります。傷も伸び、人中も伸び、後戻りすることになってしまいます。

後戻りしないための注意点

せっかく手術しても後戻りしては意味がないですよね。
後戻りしないようにしっかり対策することが大事です。

・直線距離としての上下の短縮はしない、過度な短縮はしない

を意識して手術しています。

直線距離としての上下の短縮はしない

人中は短くしようと思えばいくらでも短くできます。
ですが、無理やり上唇をあてる、無理やり短くする、そういった手術をしていると、口を閉じる動作によってだんだん後戻りしてきます。無理に人中を短くすると、口を閉じる際の筋肉の緊張も強くなります。その表情が固定されると、人中も伸びていってしまいます。また過度な短縮をすると固定している糸にも負担がかかり取れやすいといったリスクも発生します。

口にぎゅっと力を入れないと口が閉じられない形になってしまうと、人中短縮としては失敗だと思います。距離だけ短くすると、上記のようなことになってしまうことが多いです。

では人中の上下の距離を短くしないなら、どうやって人中を短縮するのか?を説明します。

①3次元的に考える
②他のパーツとのバランスも考える

この2点を考えて施術することで、しっかり人中は短縮されます。

3次元的に考える

上下の距離だけ短くなると、正面から見るとかわいくなるのですが、横から見たときにのっぺりしていてあまりかわいくない…といったことになることが多いです。

横から見てかわいくなかったらせっかく手術しても意味ないですよね。横から、斜めから見てもかわいくないと意味がありません。

このふたつの画像の人中の長さは同じです。
長さは同じでもカーブがつくと短くなりますよね。このカーブをつけるために、人中の組織の内部処理をします。具体的には厚みを取ったり、凹みを作ったりして、立体的な口元を作ります。そうすることで盛り上がった口元がすっきりし、のっぺりとした平たい印象を改善、人中も短くすることができるのです。

他のパーツとのバランスも考える

人中をパーツ単独でみるのではなく、周りのパーツとのバランスを考えることも非常に重要です。
人中だけを短くするのは簡単ですが、そうすると先ほどお話したように、後戻りしてしまったり、横から見た時にかわいくなかったり、といったことが起こります。
人中短縮の手術をする人は、鼻や小鼻、中には両顎の手術をしている方も少なくありません。それらのパーツとのバランスや機能面を考慮して施術を行う必要があります。

実際の症例

症例①人中短縮(皮膚切開)

術式:人中短縮(皮膚切開)

他院で人中短縮術を受けたが術後に人中が平坦化したとのことでした。上口唇の形態改善とさらに人中を短くしたいと希望し来院されました。
人中長は18mmで、4mm皮膚切除しました。皮下脂肪と口輪筋も一部切除し厚みを調節、さらに口輪筋や粘膜下層も引き上げて処理することで、横からみた時にのぺっと平らな感じの上唇が、丸みのある綺麗なCカールとなりました。正面から見た際の人中も短縮されています。

症例②傷のつかない人中短縮

術式:人中短縮(皮膚を切らない)鼻柱下降 鼻尖形成 鼻翼縮小 他院修正

他院で鼻翼縮小術、耳介軟骨を用いた鼻尖形成術と鼻中隔延長術を受けられていました。口元の突出感と外鼻形態を改善したいと来院されました。
鼻翼の傷あとを修正し、鼻尖から鼻柱基部に耳介軟骨を移植しました。
上口唇の粘膜を切開し、人中の皮下脂肪と口輪筋の一部を切除し、唇の形と長さを調整しています。
横から見た際に、人中は理想的な角度となり、口元の突出感も軽減しました。

まとめ

傷のつかない人中短縮は後戻りするのか?
=皮膚を切る、切らない関係なく、不自然に(無理矢理)組織を移動させると後戻りする。

ということを説明しました。

後戻りは、
固定している糸が取れてしまう、上唇を伸ばす動作で徐々に戻ってしまう、
この2つが大きな原因です。

そうならないように、
・直線距離としての上下の短縮はしない、過度な短縮はしない
ことが重要で、

長さだけを短くしなくても
・3次元的に考える
・他のパーツとのバランスも考える

ことでしっかり人中は短縮できるということを説明しました。

せっかく人中短縮をしても後戻りしてしまっては意味がありません。
そうならないようにしっかり対策をして、後戻りしない、前から見ても横から見てもバランスの取れた綺麗な口元を作ります。

今回の症例の治療内容について

【症例1】施術内容:人中短縮(皮膚切開)
施術費用:¥420,000

※これ以外に、検査費用・麻酔費用等がかかることがあります。
リスク:術後は腫れや内出血、違和感を伴います。感染や出血、キズ、感覚異常、後戻り、ガミースマイル、鼻翼の広がり術前の説明との相違等の可能性があります。
【症例2】施術内容:人中短縮(皮膚を切らない)鼻柱下降 鼻尖形成 鼻翼縮小 他院修正
施術費用:¥1,200,000

※これ以外に、検査費用・麻酔費用等がかかることがあります。
リスク:術後は腫れや内出血、違和感を伴います。感染や出血、キズ、感覚異常、後戻り、ガミースマイル、鼻翼の広がり術前の説明との相違等の可能性があります。

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