【切開二重の失敗で悩んでいませんか?】幅・食い込み・左右差…“自然な修正”のために知ってほしいこと

「切開法の二重手術をしたけれど、なんだか理想と違う…」

私の元には、そうしたお悩みを抱えた患者様が数多く相談に来られます。
切開法は、埋没法と違って後戻りしにくく、半永久的な効果が期待できる一方で、「一度ラインを作ると簡単には戻せない」という側面があります。

だからこそ、『失敗かもしれない』と思ったときにどう向き合うか、修正は可能なのか、そもそもそれは本当に“失敗”なのか?

今回は、二重整形(切開法)後の“違和感”の正体と修正方法について、詳しくお伝えしていきます。

目次

切開法で後悔しないために知っておくべき“見えないリスク”

切開法は、まぶたを切開して余分な皮膚や脂肪を取り除き、二重のラインを癒着によって固定する方法です。

確実性が高く、まぶたが厚い人や埋没法ではラインが取れやすい人に向いています。しかし、構造的な変更を伴うため、失敗したときのリカバリーが難しいのが実情です。

多くの失敗相談で共通しているのは、「デザイン・適応・技術」のいずれか、または複数が適切でなかったという点です。

「失敗かも」と感じやすい代表的な症状と原因

幅が狭すぎる

主な原因:

  • デザインミス(元のまぶたに合っていないライン設定)
  • 癒着の浅さ(しっかりとラインが固定されなかった)
  • 腫れが引いた結果、見た目の幅が思ったより狭くなった

「自然にしたい」と希望していたのに、実際にはほとんど変化が見えない、あるいは“もともと一重のように見える”というケース。
狭すぎる二重は、特に腫れが引いたあとに顕在化します。もともとのまぶたが厚い場合、浅い癒着では持たず、二重のラインが曖昧になりやすいのです。

幅が広すぎる/眠たそうに見える

主な原因:

  • 開瞼量(まぶたの開き)が足りない状態で、ラインを高く設定
  • 腫れが長く残っているために二重が不自然に見える
  • 固定位置が適していない or 高すぎる癒着

目が眠たそう、あるいは“腫れぼったい印象”になってしまう場合。特に眼瞼下垂がある方に対して、開瞼量の補正をせずに二重ラインだけを高くすると、黒目が隠れた状態になり、目の力がなく見えてしまいます。
これは「ラインの高さ」と「開きの量」のバランスが崩れている典型例です。

左右差がある

主な原因:

  • もともとのまぶたの構造(眼輪筋の厚み・開瞼力など)の非対称性
  • 手術中の固定位置のズレ(0.5mmでも見た目に影響)
  • 術後の腫れや瘢痕の偏り

「右はきれいに仕上がったのに、左だけ違和感がある」──非常によくあるご相談です。
人間の顔は完全に左右対称ではないため、術前からバランスを見越した“設計”が必要です。術者がその非対称性を把握しきれていない場合、手術後に顕著な左右差が残ってしまうことがあります。

傷跡が目立つ

主な原因:

  • 縫合の技術不足
  • 術後管理の不適切(血腫や感染)
  • もともとの瘢痕体質や皮膚の張りの影響

切開法の傷跡は、適切な層で縫合されていれば半年〜1年で目立たなくなることがほとんどです。
しかし浅すぎる/深すぎる縫合、皮膚表面での段差が残るような処置をされた場合は、赤み・ミミズ腫れ・陥没といった形で傷が残ることもあります。


食い込みが強い(二重が深すぎて不自然)

主な原因:

  • 固定が深すぎる(挙筋や瞼板深層に強く固定している)
  • 皮膚が薄い/脂肪が少ないまぶたで深い癒着を作った
  • 幅広設定との相乗効果で、段差がくっきり出過ぎる

解説:
“凹んで見える”、“窪んで老けて見える”、“漫画のような不自然な目”と表現されることもあります。
特に皮膚の薄い方は、浅く自然な固定が必要であり、構造を無視して深い癒着を作ると、影が強調されて不自然な印象になります。修正もやや難易度が高い項目です。

まぶたが重い・ハム目になる

主な原因:

  • 厚みのある眼窩脂肪・隔膜脂肪が処理されていない
  • 二重ラインの設定位置が誤っており、押し返しが強い
  • 過剥離(必要以上に広い範囲をはく離した結果の癒着不良)

「二重にはなっているけど、目が重くて開けづらい」「まぶたに肉が乗っかっている感じがする」といった表現で悩まれる方が多いタイプ。
このようなケースでは、余剰脂肪や厚みの調整が不十分で、ラインがきれいに出ていないことが原因です。皮膚・脂肪・筋肉の層をどう整理するかがポイントになります。

「幅広すぎ・食い込みが強い」二重のやり直し|二重切開2回後の他院修正症例

今回ご紹介するのは、他院で二重切開を2度受けた方の症例です。
「自然な二重にしてほしい」と希望していたにもかかわらず、実際にはラインが高すぎて不自然、強い食い込み、目の開きの悪さに長年悩まれていました。

診察により以下のような状態が見られました。

  • 二重ラインが高すぎる位置に固定されていた
  • 深い癒着による強い食い込み(くっきりしすぎた段差)
  • まぶたの開きが悪く、眼瞼下垂の兆候がある

切開位置の高さだけでなく、挙筋の働き自体が弱っていることで、眠たそうな印象・黒目が隠れる印象が強調されていました。
このままでは、いくらラインを変更しても根本の改善には至りません。

修正手術の内容

今回の修正手術では、以下のように構造ごと見直した設計を行いました。

  • 新たな二重ラインで再切開
  • 挙筋前転による眼瞼下垂の修正
  • 幅を狭く設定し、自然でやさしい印象を目指す

二重のデザインを調整するだけではなく、「開く力」そのものを回復させる処置を加えることで、機能面と審美面の両立を図りました。

術後経過と仕上がり

術後は腫れの落ち着きとともに、まぶたの開きが大きく改善し、食い込みの浅いナチュラルな二重ラインが再建されました。

キツい印象だった目元もやわらかくなり、表情全体が明るく・優しい印象へと変化
何より、患者様ご本人にもとても喜んでいただけました。

修正手術は誰でもできるわけではない

「切開法の修正」は非常に高度な技術を要します。

  • どこを剥離すれば癒着を解除できるか?
  • 皮膚や眼輪筋をどこまで温存すべきか?
  • 開瞼筋の状態や脂肪の残存量は?

など、単なるやり直しではなく、構造の読み解きと再構築が求められます。

そのため、初回手術の10倍以上の慎重さが必要であり、経験豊富な医師でなければ対応できないケースも少なくありません。

そもそも「修正できるか」は何で決まる?

  • 皮膚の余裕があるか?(ラインを下げるには皮膚が必要)
  • 開瞼力は保たれているか?
  • 前回手術からの期間(癒着の成熟度)

こうした条件が揃わなければ、理想の修正は難しく、場合によっては段階的修正制限つきの改善となることもあります。

はじめての手術で「失敗しないために」

  1. 術前診察でのシミュレーションが丁寧か?
  2. 「可逆性」のある手法を提案してくれるか?(例:まずは埋没)
  3. 目の構造や開き具合について医学的な説明があるか?

外見の変化だけでなく、構造や機能を見極める力のある医師を選ぶことが、何よりの“失敗しない方法”だと私は考えています。

まとめ|切開法で失敗しても、やり直せる選択肢があります

二重整形のなかでも、切開法は「元に戻せない」と思われがちな手術です。
実際に、構造を変える施術である以上、修正には高度な判断力と技術力が求められます。

しかし──それでも、適切な診断と計画のもとであれば、修正は可能です。

今回のように「二重幅が広すぎる」「食い込みが不自然」「目の開きが悪くなった」など、
見た目の違和感と同時に、機能的な問題(眼瞼下垂や開瞼障害)を抱えているケースは少なくありません。

こうした問題は、多くの場合、

  • デザインミス(幅の設計不良)
  • 不適切な癒着・固定
  • まぶたの構造に対する理解不足
    といった「医師側の判断や技術のズレ」に起因しています。

そのため、単なる“再切開”ではなく、構造と機能の両方にアプローチする修正手術が必要になります。

私は、目元の他院修正に多く携わっています

「何度も手術を受けて、もう誰を信じていいかわからない」
「このまま一生、不自然なまぶたで過ごすしかないのか」

そんな不安や悩みを抱えた患者様と、私はこれまで何度も向き合ってきました。

他院修正で本当に大切なのは、単に“元の状態に戻す”ことではありません。
一度手を加えられたまぶたには、癒着や瘢痕、構造の変化が複雑に残っています。

そのために、私は一人ひとりのまぶたを診察し、
「どこが問題なのか」「どうすれば改善できるのか」を丁寧にお伝えすることを大切にしています。

二重整形の修正は、状態の見極めと的確なアプローチが何より重要です。
まずは今のまぶたの状態を丁寧に診察し、必要な処置があるかどうかを判断します。

悩まれている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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