貴族手術で肋軟骨を使用すると3割吸収されるのは本当?

口元がゴボッと出ている、あるいは鼻の横が陥没していて顔が平たく見える……。 こうした「中顔面の陥没」を解消し、立体的な横顔を作る「貴族手術」や「猫手術」が非常に人気です。

しかし、自分の肋軟骨を使用する場合、「せっかく手術しても体に吸収されて無くなってしまうのでは?」という不安の声もよく耳にします。 今回は、肋軟骨の吸収率のリアルな数字や、すでに他の整形をしている場合の組み合わせについて、僕の診断・経験をもとに解説します。

目次

肋軟骨の猫貴族手術は「3割吸収される」って本当?

「肋軟骨は術後に3割吸収されるという話を聞きましたが、本当ですか?」 これはカウンセリングでも頻繁にいただく質問です。

結論:MAXで3割程度という印象

僕の経験則でお話しすると、「最大で3割くらいは吸収される可能性があるな」という印象です。 もちろん全員が必ず3割減るわけではありませんが、生体組織である以上、定着する過程で多少のボリュームダウンは起こり得ます。

減ったら再手術が必要?

では、吸収されたらまた手術が必要になるかというと、「減ったから再手術を受ける」という方は実は少ないです。 3割吸収されたとしても、残りの7割はしっかりと定着してボリュームを出してくれるため、見た目上の満足度は維持されることが多いからです。

もし、最初から吸収分を見越して「2回目」を想定される場合は、「バンキング」という方法もあります。採取した肋軟骨の残りを胸の皮下に埋め込んで保存しておき、必要な時に取り出して使うというテクニックです。 もちろん、吸収が気になる方にはプロテーゼや人工真皮という選択肢もありますので、ご自身の優先順位に合わせて選ぶのが良いでしょう。

すでに鼻整形をしている場合でも手術できる?

次に多いのが、すでに鼻の手術を受けている方からのご相談です。

過去に「肘軟骨」を使っている場合

「すでに肘の軟骨を使って鼻中隔延長や隆鼻術をしているのですが、新たに肋軟骨で貴族手術はできますか?」 というご質問ですが、これは全く問題なく可能です。

実際にそういった履歴をお持ちで、さらに貴族手術を追加される患者様はたくさんいらっしゃいます。鼻の内部構造と、貴族手術でアプローチする土台部分はまた別の話ですので、安心してご相談ください。

「顔平たい族」脱却 おでこや眉間も出すべき?

日本人に多い、顔の凹凸が少ない悩み(いわゆる顔平たい族)。 鼻の土台(貴族・猫手術)を出す際に、額や眉間も一緒に出すべきか悩む方も多いです。

おでこは「アリ」、眉間は「要注意」

バランスとして、おでこ(額)は丸く出した方が綺麗に見える人が多いですね。横顔のSラインが整います。

一方で、眉間(眉と眉の間)に関しては注意が必要です。 男性や、ホリの深い外国人風の顔立ちを目指すなら出しても良いのですが、一般的な女性の可愛らしさを求める場合、眉間を高くしすぎるとゴツゴツとした男っぽい印象になってしまうことがあります。 「とにかく高く!」ではなく、なりたい雰囲気に合わせて引き算することも大切です。

鼻中隔延長で鼻先を出したい時の注意点

「鼻中隔延長で鼻先を高くしたいけれど、鼻が長く見えたり、魔女鼻のように垂れ下がったりするのは嫌」というオーダーも非常に多いです。

猫貴族手術でバランスを取る

鼻先を前に出す際、少し出す程度であれば下向きにならず綺麗に仕上がります。 さらに、猫手術・貴族手術を併用することが非常に有効です。

鼻の付け根(土台)が埋もれていると鼻が長く見えがちなのですが、猫貴族手術で土台を持ち上げることで、相対的に鼻の長さが気にならなくなり、バランスの良い「忘れ鼻」に近づけることができます。

ルフォー後のプレートがある場合、いつから手術可能?

骨切り手術(ルフォー)を受けた後の方からの専門的なご質問です。 「上顎に吸収性プレートが入っている場合、いつから貴族手術ができますか?」

プロテーゼならいつでもOK、軟骨は要相談

シリコンプロテーゼを使用する場合であれば、時期を問わず可能です。

しかし、肋軟骨などの自家組織を入れる場合、吸収プレートが溶けていく過程で起きる炎症反応が、移植した軟骨に影響を与え、一緒に吸収されてしまう可能性が理論上考えられます。せっかく入れた軟骨が減ってしまうのは避けたいですよね。

吸収性プレートが完全に溶ける期間はメーカーにもよりますが、一般的に1〜2年程度です。 僕は個人的にチタンプレート派なので吸収プレートは使いませんが、もし吸収プレートが入っている場所に軟骨移植を希望される場合は、プレートが落ち着くまで待つか、影響を受けにくいプロテーゼを選択するのが無難かもしれません。


まとめ

貴族手術における肋軟骨の吸収は「最大3割」程度のリスクがありますが、再手術が必要になるケースは稀です。 また、過去の鼻整形や骨切り手術との兼ね合いも、正しい知識と技術があれば多くの場合で対応可能です。

鼻周りの土台を変えることは、顔全体の印象を洗練させる大きな鍵となります。ご自身の骨格や過去の手術歴に合わせて最適なプランを組みますので、まずは一度カウンセリングにお越しください。

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