小鼻の悩みで多いのは、「丸い」「分厚い」よりも正面から見たときの横への広がりです。
- 顔が間延びして見える
- 鼻の穴ばかり目立つ
- 笑うと一気に横に広がる
こうした悩みは、小鼻の土台の幅が原因になっていることが多く、その場合に適応になるのが小鼻縮小・内側法(鼻翼縮小・内側切開)です。
私は、「小さくすること」ことはもちろん、顔全体で見たときに不自然にならないことを重視して小鼻縮小を行っています。
このコラムでは、
- 内側法でどこがどう変わるのか
- なぜ外側を切らなくても小鼻縮小になるのか
- 内側法だけで足りるケース、足りないケース
を、できるだけ分かりやすく解説します。
内側法が向いている鼻・向いていない鼻
小鼻縮小には内側法と外側法があります。
どちらが良い悪いではなく、鼻のタイプで選ぶ手術です。


内側法が向いているのは「幅広型」
内側法が最も効果を発揮するのは、
- 小鼻の付け根の間隔が広い
- 鼻の穴が横長
- 小鼻の丸みより、横への広がりが気になる
こうした幅広タイプです。
この場合、外側を切らずに、鼻の穴の底(鼻孔底)から土台を内側へ寄せることで小鼻全体の横幅を縮小します。
分かりやすい目安は「目と目の間」
ひとつの基準として、小鼻の横幅と目と目の間の距離を比べます。
小鼻の方が明らかに広い場合、内側法でバランスが整う可能性が高いです。
また私は、笑ったときにどれくらい小鼻が広がるかも必ず確認します。動いたときの変化を見ずに、術式は決められません。
内側法はどこをどう変えているのか
術中写真で見る内側法の変化

向かって左:手術前/向かって右:内側法施行後
この写真は、内側法の術中の状態です。
向かって左はまだ手術をしていない側、右が内側法を行った直後です。
注目していただきたいのは、小鼻の外側ラインそのものが内側へ移動している点です。
内側法は、外側の皮膚を切除する手術ではありません。
鼻の穴の底(鼻孔底)から組織を切除し、小鼻の付け根を内側へ寄せることで、結果として小鼻全体の幅が縮小し、外側ラインも内側へ動きます。
つまり、外側を切らなくても、きちんと小鼻縮小になります。
内側法の技術的なポイントと限界
内側法はシンプルに見えますが、仕上がりを左右するのは縫合の精度と調整力です。
私が特に意識しているのは、
- ミリ単位で切除量を調整すること
- 左右差を術中に何度も確認すること
- 表面だけでなく、深部から支える縫合を行うこと
多くの場合、二層縫合を行い、後戻りや傷の広がりを防ぎます。
一方で、内側法には限界もあります。
小鼻自体の丸みや厚みが強い、いわゆる「あぐら鼻」の場合は、内側法だけでは不自然になることがあります。
その場合は、
- 外側法
- 内側+外側の併用
を検討します。
併用術で小鼻全体のバランスを整える
小鼻縮小は、横幅だけを見て判断する手術ではありません。
丸み・位置・鼻の穴の見え方などを総合的に評価したうえで、必要に応じて、
- 鼻孔縁挙上
- 鼻翼挙上
といった手術を組み合わせます。
こうした併用術によって、正面・斜め・横、どの角度から見ても違和感のない小鼻
を目指します。
小鼻縮小のダウンタイムについて
小鼻縮小の一般的な経過は以下の通りです。
- 抜糸:術後約1週間
- 赤みや腫れなど、見た目の変化:数週間で徐々に落ち着く
- 傷の硬さが取れ、形が完成するまで:3〜6ヶ月
切開線は目立ちにくい位置ですが、笑ったり話したりといった日常動作で動きやすい部位でもあります。
そのため、術後の過ごし方やケアが、仕上がりに影響するという点があります。
後悔しないための医師選び
小鼻縮小は、見た目以上に鼻の土台を変える手術です。
だからこそ大切なのは、「どれだけ切るか」ではありません。
- 切りすぎない判断ができるか
- 変えすぎない設計ができるか
- 万一の修正まで想定しているか
こうした視点を持ち、それをきちんと説明できる医師かどうかが重要です。
小鼻は数ミリの違いで印象が大きく変わる部位です。
その微調整を、理屈と経験の両方で説明できる医師を選ぶことが、後悔しないためのポイントだと考えています。
まとめ
「内側法は外側を切らないから、あまり変わらない」
そう思われることがありますが、それは誤解です。
内側法は、外側の皮膚を切らずに小鼻の土台そのものを内側へ寄せる手術です。
その結果として、外側ラインも内側へ移動し、小鼻全体が小さくなります。
ただし内側法は、「大きく変える手術」ではなく、変えすぎないようにコントロールする手術です。
だからこそ、術中に片側ずつ確認しながら調整し、小さくなったのに不自然さのない小鼻を作ります。
小鼻の横幅が気になっている方は、ぜひ一度ご相談ください。診察のうえで、あなたに合った方法を提案します。






