オステオポールとは?2年後に吸収されるって本当?鼻整形での使用リスクと現状まとめ

未だお客さんから質問を多くいただくオステオポール。
検討している人もいれば入れてから悩んでいる人もいます。
最初は安全と言われて多くのクリニックに導入されましたがトラブルも多く使用の是非が議論されています。

今回はそんなオステオポールについて歴史や最新の状況をまとめたいと思います。

目次

この記事のポイント

  • オステオポールとは吸収される人工骨素材
  • 鼻整形では軟骨の代わりに使われてきた素材
  • 2年後には吸収されるが、その過程に問題が起きることも
  • 赤みや変形、感染などのトラブルが報告されている
  • 使うかどうかは慎重な判断と信頼できる医師選びが大切

オステオポールの歴史

オステオポールはもともと韓国で多用されていました。それが日本に持ち込まれて、多くのクリニックで導入されました。

素材はPCL=ポリカプロラクトン
形状は様々で鼻先に入れるのはボール(球状)または半球状です。シート状や楕円形のものもあります。

PCLはFDA(アメリカ食品医薬品局:厚生労働省みたいなもの)に認可された素材でスレッドリフトにも使用されている吸収性の素材です。いずれ瘢痕組織に置き換わるので鼻に入れても安心安全と謳われました。

それ自体は間違っていませんが、糸として使用したり体内に入れて良いからといって鼻先に入れて良いということにはなりません。同じ素材でも使用する部位が違えば安全性や効果は変わります。

オステオポール以前に使用されていたのはシリコン等の非吸収性人工物です。こちらは美容医療の長い歴史の中で鼻先に入れると良くないことが分かってきていました。オステオポールはそれら非吸収性人工物に変わって鼻先に入れても良い(可能性がある)新しい素材として使用されたのです。
また鼻先への移植物の代表である軟骨は安全ですが体のどこかから採取する必要があります。
比べてオステオポールは軟骨採取の技術は不要、手術時間を短縮できる点から一部のクリニックとドクターに好まれました。

簡単・早い・安い・ダウンタイムが少ない・傷がつかない
これらの商業的に有利な広告で、オステオポールはどんどん広まり多くの方が施術を受けました。

「2年後に吸収される」は本当。でも問題はその過程に

オステオポールは体内でおよそ1.5〜2年かけて吸収されるとされています。
この性質自体は間違っていませんが、実際には「吸収されるまでの過程」で、以下のようなトラブルが生じるケースが報告されています。

吸収=安心ではない?2年後に起きるリスクとは

オステオポールは、約2年で吸収されることが前提の素材です。
しかし、問題はその「吸収されるまでの2年間」であり、以下のようなトラブルが現実に報告されています。

吸収過程で起きやすい問題

  • 慢性的な炎症反応
  • 組織との強い癒着
  • 吸収後の凹みや形の崩れ
  • 鼻先の皮膚菲薄化(ひはくか)や赤み

特に鼻先は皮膚が薄く、血流も少ないデリケートな部位。
そこに異物を入れることで、外からも変化が目立ちやすく、感染や壊死のリスクも高くなるのです。


実際の症例|他院で挿入されたオステオポールの除去と再建

当院では、オステオポールによるトラブルの修正手術も多数行っております。以下はその一例です。

Before→After(オステオポール除去+軟骨再建)

オステオポール除去後に軟骨で再建した症例写真
オステオポール除去後に軟骨で再建した症例写真

オステオポール除去後、軟骨を用いて再建した症例。鼻筋〜鼻先が自然なラインに整いました。

術式

  • オステオポール除去
  • 鼻中隔延長
  • 鼻尖形成

施術内容

他院修正の症例です。
鼻先に挿入されたオステオポールと、鼻筋から鼻先にかけて入っていた糸(メッシュ)を除去し、自家軟骨に置き換えて再建を行いました。


オステオポールの位置がずれていた実際の写真

オステオポール除去後に軟骨で再建した症例写真


鼻先とずれた位置に挿入されたオステオポール。時間とともに位置が移動し、形が浮き出ていました。

オステオポール除去後に軟骨で再建した症例写真


術中の様子。瘢痕(はんこん)と癒着により、オステオポールが鼻先からずれ、頭側に落ち込んでいる状態が確認できます。

医師所見

オステオポールは吸収性素材ですが、今回のように瘢痕拘縮(きずあとが引きつれること)で鼻筋が引き上がり、素材自体がずり落ちるような変位を起こすケースもあります。

鼻先の皮膚も非常に薄くなっており、状態によっては皮膚に穴が開いてしまうリスクもありましたが、今回はなんとか温存・修復ができました。

当院では?

当院では、オステオポールを新規に使用することはありません
理由はシンプルで、耳の裏から1cm程度の切開で軟骨を安全に採取できるからです。形成外科の視点から見ると、自家組織のほうがトラブルのリスクが低く、長期的にも安定すると考えています。


不安な方は、まずは相談を

オステオポールを入れたからといって、必ずトラブルが起きるわけではありません。何年も問題なく過ごしている方も多くいます。

ただし、もし以下のような症状が出ている場合は、注意が必要です。

  • 鼻先の赤みや痛み
  • 違和感や腫れが長く続いている
  • 鼻の形が変わってきた感じがする

症状の有無にかかわらず、不安な方は専門医による評価を受けることをおすすめします。

当院では、オステオポール除去のご相談・手術も行っておりますので、ご希望の方は予約時にその旨をご記載ください。


まとめ|「2年で吸収」は安心材料ではない

使用を避けるクリニックが増えており、今後は慎重な判断が必要

オステオポールとは、吸収性の人工骨素材

鼻整形では手軽さや傷の少なさから一時期流行

しかし、2年後の吸収=安心ではなく、その過程にリスクあり

赤み・感染・変形といったトラブル事例が多数

\カウンセリングは無料です。何でもお気軽にご相談ください/

この記事をシェアする
目次
閉じる