貴族手術とは ~リスクとデメリット、移植材料について~

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貴族手術とは

貴族手術とは、鼻翼基部、つまり小鼻の付け根にボリュームのあるものを入れてお顔の前方に出す手術です。

鼻翼基部が前に出るとお顔の立体感が出ます。また、深いほうれい線も改善されます。

この手術が向いている方

①中顔面が凹んでいる方

②横から見たときに小鼻が頬のお肉に埋まっている方

③ほうれい線が深い方

手術方法

鼻翼や鼻柱、口腔内(移植物の種類やどんな併用する手術によって選択します)から鼻翼基部の骨膜上にポケットを作成します。移植材料を留置し周囲組織と固定します。

リスクとデメリット

①移植物が触れる

②表情(主に笑ったとき)の違和感

③感染、血腫や腫れ

④小鼻が広がって見えることがある

⑤鼻が低く見えることがある

移植材料について

移植材料には固いものと柔らかいものがありますが、鼻翼基部にはある程度硬いものが適しています。

鼻翼基部には血栓リスクの問題でヒアルロン酸が使えません。というか使っている先生もいますがリスクが高いので僕はしない、というのが正しいですね。

脂肪は簡便で素晴らしいですが、一箇所をピンポイントに高くすることは苦手です。周囲に広がりながら全体を押し上げることになります。また吸収されるので変化量が予想しにくいです。

鼻翼基部を綺麗に持ち上げるためには、プロテーゼ、軟骨、ハイドロキシアパタイト等硬いものが適しています。ただ、どんな移植材料でもズレたり、境界が触れると違和感の原因となります。

プロテーゼはシリコンかゴアテックス素材です。

シリコンの方が感染に強く取り出しやすいです。

ゴアテックスはズレにくく触ったときに自然です。

どちらも異物です。プロテーゼが入っているとそこには追加で何かを移植することはできません。

異物が嫌なら脂肪か軟骨になります。脂肪は前述の理由でここにはおすすめできません、

軟骨は耳軟骨か肋軟骨になります。

どちらもメリットデメリットがあります。

耳軟骨は簡単だし傷も目立ちませんが、量が少ないです。

肋軟骨は、量はたくさん取れますが、鼻翼基部のためだけに肋軟骨を採ることはあまりないです。

ではどんなときに肋軟骨を使うかというと、鼻中隔延長等の手術で肋軟骨を取る場合、そのついでというか同時に鼻翼基部にも肋軟骨を入れます。

ブロック(塊)で入れるよりは細かく砕いて入れることが多いです。ブロックは皮膚の上から触れると分かってしまうからです。

マエクリではご希望に応じて各移植材料を選択します。

まとめ

貴族手術と使用する移植材料の特徴について説明しました。貴族手術は小鼻の付け根を前に出すことでお顔の立体感を改善する手術です。

様々な移植材料があり、ご希望に応じて選択することができます。

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