脂肪注入豊胸のしこりはなぜできる?原因と予防法を医師が分かりやすく解説

脂肪注入豊胸を検討している方から、「しこりが怖くて踏み出せない」という相談をよくいただきます。確かに、しこりは脂肪注入豊胸において起こりうるリスクのひとつです。ただ、正しく理解すれば必要以上に怖がらなくていいことも多いです。

脂肪注入のしこりには、できやすい原因があります。その原因を知ることで、リスクを下げるためにどのような点を確認すればいいかが分かります。この記事では、しこりができる原因・予防・できてしまった場合の対応について説明します。

目次

脂肪注入豊胸でしこりはできる?

結論からお伝えすると、可能性はあります。ただし、頻度や程度は術式と技術によって大きく変わります。

しこりと呼ばれるものには主に2種類あります。

①脂肪壊死:注入した脂肪の一部が血流不足により壊死し、かたまりになるもの。術後比較的早い時期に起こることが多い。

②石灰化:時間とともに壊死した脂肪が石のように硬化するもの。数ヶ月〜数年かけてゆっくり進行することがある。

いずれも脂肪注入を行う施術全般に起こりうるリスクです。小さいものは自然に縮小・吸収されることもあります。問題になるのは、サイズが大きい場合や、触れたときに明らかな硬さや違和感がある場合です。

しこりができる原因と予防

しこりができる原因は主に3つあります。

① 脂肪の入れすぎ

一度に大量の脂肪を注入すると、周囲の組織から脂肪に届く血流が追いつかず、脂肪が壊死しやすくなります。注入量には適切な上限があり、それを超えた無理なボリュームアップを行うとしこりのリスクが高まります。「もっと大きく」という希望に応えるために過剰な量を入れることは、仕上がりよりもリスクを優先することになります。

予防:1回の注入量を適切な範囲に抑え、段階的なボリュームアップを検討する。

② 注入方法の問題

脂肪を一か所にまとめて注入すると塊になりやすく、壊死のリスクが上がります。細い注射針を使い、少量ずつ均一に分散して注入することで、脂肪が周囲の組織と馴染みやすくなりしこりができにくくなります。この「細かく分散して入れる」技術が、仕上がりの自然さとリスク管理の両方に直結します。

予防:分散注入の技術を持つ医師を選ぶ。カウンセリングで注入方法を確認する。

③ 脂肪の質

吸引した脂肪には血液・油分・細胞の破片などの不純物が含まれています。これらを取り除かずに注入すると、炎症や壊死の原因になります。MAe Clinicではコンデンスリッチ法により脂肪を遠心分離・精製してから注入しています。不純物を取り除いた質の高い脂肪を使うことが、定着率を上げしこりの予防につながります。

予防:脂肪の処理方法(コンデンスリッチ法など)をカウンセリングで確認する。

しこりができたらどうなる?

小さなしこりは、時間とともに自然に縮小・吸収されることがあります。触れてもほとんど気にならない程度に落ち着くケースも多いです。一方、サイズが大きい場合や硬さが気になる場合は、超音波で確認しながら内容物を吸引する処置や、状態によっては切開して取り除く対応が必要になるケースもあります。

以下に当てはまる場合は早めに担当医に相談してください。

  • 術後に胸を触ったときに明らかなかたまりを感じる
  • 皮膚の上から見ても形の歪みが気になる
  • 押したときに痛みがある
  • しこりが大きくなっている気がする

放置するほど処置が複雑になることがあるため、気になることがあれば早期に確認する方が安心です。

なお、石灰化が起きた場合、マンモグラフィで影として映ることがあります。乳がんとの区別が必要になるケースもあるため、豊胸後も定期的な健康診断を受け、担当医に豊胸の既往を伝えておくことが大切です。

術後の生活で気をつけること

しこりのリスクを下げるために、術後の過ごし方も重要です。

  • 術後1〜2週間は激しい運動
  • 飲酒を控える
  • 胸を強く圧迫しない(うつ伏せ寝・強いマッサージに注意)
  • 術後の経過観察のための通院を欠かさない

脂肪の定着には術後数ヶ月かかります。この間に無理な負荷をかけると、定着率が下がりしこりのリスクが上がることがあります。

後悔しないための選び方

しこりをはじめとする合併症のリスクは、どれだけ丁寧に手術を行ってもゼロにはなりません。カウンセリングでは以下の点を必ず確認してください。

  • 1回の手術でどれくらいの量を注入するか
  • 脂肪の処理方法は何を使っているか
  • 術後にしこりが生じた場合の対応方針はどうなっているか
  • マンモグラフィやエコー検査への影響についての説明があるか

価格だけで選ぶのは危険です。注入量・注入方法・脂肪の処理方法はクリニックによって大きく異なります。また、「とにかく大きく」という希望だけで量を決めてしまうと、リスクが高まります。自分の体型に合った適切な量を、医師と一緒に決めることが重要です。

まとめ

脂肪注入豊胸におけるしこりはゼロではありませんが、適切な量・適切な方法・質の高い脂肪を使うことで、リスクを大幅に下げることができます。

私は形成外科専門医として乳房再建を専門に携わり、900例以上の経験を積んできました。美容の豊胸においても、再建で培った解剖学的な知識と丁寧な脂肪処理の技術を活かしています。しこりをはじめとするリスクについては、カウンセリングで丁寧に説明した上で施術を行っています。

しこりが不安で踏み出せない方、豊胸を検討している方は、お気軽にカウンセリングにお越しください。


施術詳細

費用
コンデンスリッチ脂肪注入豊胸:¥1,100,000
※脂肪吸引2部位まで含みます。3部位以上の場合は定価の10%が追加となります。
表示価格は税込です。診察の結果、適応外となる場合があります。

リスク・ダウンタイム
術後は腫れ・内出血・痛みが出ることがあります。腫れのピークは術後2〜3日で、1〜2週間程度で落ち着いてくることが多いです。注入した脂肪の一部が吸収されることがあります。まれなリスクとして、しこり・感染・左右差があります。いずれも術前にご説明した上で施術を行います。

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