ヒアルロン酸が入ったまま脂肪豊胸はできる?「溶かす・溶かさない」の判断基準と切り替え症例

「手軽に始めたヒアルロン酸豊胸だけど、繰り返す維持費が大変……」 「いつか吸収されてなくなると思うと不安。そろそろ一生モノにしたい」 「注入直後より、少し感触が硬くなってきた気がする」

プチ整形感覚でできるヒアルロン酸豊胸は入り口として素晴らしい施術ですが、長く続けていると「維持費(コスト)」「質感(硬さ)」の悩みが出てくるものです。

そこで検討されるのが、ご自身の脂肪を使った「脂肪注入豊胸」への切り替えです。 しかし、多くの方が疑問に思うのが、「今入っているヒアルロン酸はどうすればいいの?」「溶かさないと手術できないの?」という点だと思います。

本記事では、ヒアルロン酸が入った状態での脂肪豊胸について、「溶かすべきか・そのままで良いか」の医学的な判断基準と、実際に切り替えられた方の症例をご紹介します。

目次

ヒアルロン酸が入ったままでも脂肪豊胸はできる?

結論から申し上げますと、ヒアルロン酸が残っている状態でも、脂肪注入豊胸を行うことは基本的に「可能」です。

ヒアルロン酸は「乳腺下」や「乳腺内」に入っていることが多く、脂肪注入は「皮下」「乳腺下」「大胸筋内」など複数の層(レイヤー)に行います。 残っているヒアルロン酸の状態が良い場合は、それを土台(ボリューム)として残しつつ、違う層に脂肪を注入してさらなるバストアップを目指すこともできます。

ただし、全てのケースで「そのまま」ができるわけではありません。 より美しく、安全に仕上げるためには、事前に溶解注射でリセットした方が良い場合もあります。

「溶かす・溶かさない」の判断基準

では、どのような場合に溶かす必要があり、どのような場合ならそのままで良いのでしょうか。当院では以下の基準で判断しています。

【そのままでOK】のケース

  • 吸収が進んでいる: ピーク時より減っており、ボリュームの足しにしたい場合。
  • 柔らかい: 触れても硬いしこりがなく、ジェル状の柔らかさを保っている場合。
  • トラブルがない: 痛みや炎症、移動(変形)がない場合。

この場合は、残存ヒアルロン酸をボリュームの助けとして利用し、脂肪でカバーするように注入することで、コストを抑えながらサイズアップが可能です。

【溶かした方が良い】のケース

  • パンパンに入っている(内圧が高い): ここが最も重要なポイントです。胸の皮膚の伸びには限界があります。ヒアルロン酸で皮膚がパンパンに張っている状態で無理に脂肪を入れると、胸の内部の圧力(内圧)が高くなりすぎて、注入した脂肪の血流が阻害され、定着せずに死んでしまう(壊死・しこり化)リスクが高まります。 質の高い脂肪を定着させるためには、一度スペースを空ける必要があります。
  • 硬いしこりがある: ヒアルロン酸がカプセル(被膜)を作って硬くなっている場合、その上から脂肪を入れても綺麗な形になりません。
  • 感染のリスクがある: 古いヒアルロン酸の周りにバイオフィルム(菌の膜)がある疑いがある場合は、完全除去が必要です。

ヒアルロン酸から脂肪注入へ切り替える3つのメリット

脂肪注入へ切り替えることで、以下のメリットが得られます。

  1. 「維持費」からの解放(経済的メリット)
    ヒアルロン酸は数年で吸収されるため、維持し続けるには定期的な再注入が必要です。脂肪注入で定着した脂肪は、自分の体の一部として半永久的に残るため、長期的なコストパフォーマンスは圧倒的に良くなります。
  2. 「水風船」から「人肌」の柔らかさへ
    ヒアルロン酸は凝集性があるため、どうしても「水風船」のような弾力が残ります。一方、脂肪はご自身の組織そのものです。温かみのある柔らかさと、寝た時に自然に流れる動きは、脂肪注入でしか出せません。
  3. 部分痩せも同時に叶う
    脂肪豊胸には、太ももやお腹の脂肪を使用します。バストアップと同時に、気になる部分の痩身ができる「一石二鳥」の手術です。

【症例解説】ヒアルロン酸豊胸から脂肪注入へ切り替えた実際の経過

実際に、当院で脂肪豊胸へ切り替えられた方の症例をご紹介します。

脂肪注入豊胸 症例
脂肪注入豊胸 症例

【患者様データ】

  • 年代・体型: 身長157cm・体重44kg(痩せ型)
  • お悩み: これまでヒアルロン酸豊胸を受けていたが、長期的な維持が難しいため切り替えを検討。「夏に水着を着る時に、自然なボリュームが欲しい」とのご希望。
  • 施術: コンデンスリッチ脂肪豊胸(大腿・腹部より採取)

この患者様は痩せ型であったため、シリコンバッグやハイブリッド豊胸も選択肢にありましたが、「自然さ」を最優先したいとのことで脂肪注入を選択されました。 当院では、しこりのリスクや長期的な持続性の観点から、ヒアルロン酸豊胸はあくまで一時的なものと考え、長期的には推奨しておりません。

今回の施術では、脂肪注入の最大のメリットである「デザインの自由度」を活かし、以下の3点を重点的に調整しました。

  1. アンダーラインの形成: 丸みのある美しいラインになるよう注入。
  2. トップ位置の調整: バストトップが中央に来るように整える。
  3. 上胸部のなめらかさ: 痩せ型特有の骨っぽさが出ないよう、凹凸をなめらかに。

結果、アンダーバストのラインが整い、全体的にふっくらとしたバランスの良いバストに仕上がりました。

切り替え手術の注意点

ヒアルロン酸からの切り替えをご検討の方へ、2点だけ注意点があります。

  1. 溶解のタイミング
    診察の結果「溶かした方が良い」となった場合、手術の1週間〜数日前に溶解注射を行います。同日に行うことも可能ですが、正確な皮膚の伸び具合を判断するために、数日空けることを推奨する場合が多いです。
  2. ダウンタイムの違い
    ヒアルロン酸は「注射」ですが、脂肪豊胸は「手術」です。胸の痛みよりも、脂肪を採取した部位(足やお腹)に1〜2週間程度の筋肉痛や内出血が出ます。

「私の胸の状態でも、脂肪注入に切り替えられる?」 「溶かす必要があるか診てほしい」

そのような疑問をお持ちの方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。エコー診断にて現在のヒアルロン酸の状態を確認し、あなたにとって最適な治療方針をご提案させていただきます。

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