しみやそばかす、肝斑などの色素トラブルに悩んでいる方は少なくありません。紫外線対策や美白化粧品を続けていても、「なかなか効果を実感できない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで注目されているのが、体の内側からメラニンの働きを抑える「美白内服」です。
美白内服は、トラネキサム酸やビタミンC、ビタミンEなどを組み合わせ、しみ・肝斑の改善や予防をサポートする治療法です。外側からのケアでは届かない部分にアプローチできるため、美容医療の現場でも広く用いられています。
この記事では、医師の視点から「美白内服とは何か」「どのような効果や副作用があるのか」「おすすめのセット内容」について分かりやすく解説します。
美白内服とは?
「美白内服」とは、しみ・そばかす・肝斑などを改善し、肌全体のトーンを明るくすることを目的に飲むお薬です。外側から塗るスキンケアやレーザー治療と違い、体の内側からメラニンの生成を抑えたり、抗酸化作用でくすみを取り除いたりするのが特徴です。
紫外線やホルモンバランスの乱れ、ストレスなどの影響で肌の中ではメラニンが過剰につくられます。これが沈着してしまうと、しみや肝斑となって表れてきます。美白内服は、このメラニンの過剰な働きを抑えることで、将来的なしみの予防や、今ある色素沈着の改善を助ける役割を果たします。
「美白は外側のケアだけで十分」と思われがちですが、実際には肌の深いところで起きているメラニンの反応にアプローチするには、体の中から働きかける内服治療が効果的です。特に肝斑治療では、内服が第一選択とされることも多く、近年ますます注目されている方法です。
美白内服の効果
しみ・そばかすの改善と予防
トラネキサム酸は、メラニンを作る細胞の「働きすぎ」を抑える作用があります。
これにより、今あるしみが濃くなるのを防ぎ、紫外線による新しいしみの発生も予防できます。
肝斑の改善
肝斑はホルモンや紫外線、生活習慣など複数の要因が重なって起こります。
塗り薬やレーザーだけでは難しいケースもありますが、トラネキサム酸を中心とした美白内服は肝斑治療の基本薬として有効性が世界的にも報告されています。
肌のトーンアップ・くすみ改善
ビタミンC・ビタミンE・グルタチオンなどの抗酸化成分が、体内の酸化ストレスを抑えます。
その結果、肌全体のトーンが明るくなり、疲れたときの「どんより感」や「くすみ」が軽減されます。
他の治療との相乗効果
美白内服は単独でも効果がありますが、レーザー治療や美白点滴と組み合わせるとさらに効果的です。
レーザーでしみを薄くしながら内服で再発を防ぐ、点滴で即効性を補いながら内服で維持する、など相乗効果が期待できます。
美白内服の主な成分と役割
当院で処方している美白内服セットは、3剤または4剤を組み合わせて構成されています。それぞれの薬には役割があり、相互に補い合うことでより高い美白効果が期待できます。
トラネキサム酸
肝斑治療の第一選択薬。メラニンを作る細胞の働きを抑えることで、肝斑やしみの悪化を防ぎます。もともとは止血薬として開発されましたが、美白効果があることが分かり、美容医療でも広く使われています。
シナール(ビタミンC+B5)
ビタミンCには強力な抗酸化作用があり、紫外線で発生する活性酸素を除去します。メラニンの生成を抑えるだけでなく、コラーゲン生成を助け、ハリや弾力のある肌づくりにも貢献します。
ユベラ(ビタミンE)
血流を改善し、細胞のターンオーバーを正常化させる作用があります。これにより、古い角質や色素沈着を含む細胞がスムーズに入れ替わり、透明感のある肌へと導きます。
グルタチオン
体内で作られる強力な抗酸化物質で、デトックス作用や肝機能のサポートも行います。美白点滴で使われることも多い成分で、内服でも継続することで肌の明るさを引き出します。
副作用と注意点
美白内服は比較的安全性の高い治療ですが、副作用や服用できない方もいらっしゃいます。
- トラネキサム酸:血栓症の既往がある方、ピルを服用中の方は注意が必要です。血液を固めやすくする性質があるため、服用できないケースがあります。
- ビタミン剤:大量に摂取すると胃腸の不快感や下痢などが起こることがあります。
- グルタチオン:まれに吐き気や発疹などが報告されていますが、一般的には安全性の高い成分です。
また、妊娠中・授乳中の方は基本的に美白内服を避けるべきです。必ず医師が体調や既往歴を確認し、安全と判断した場合のみ処方を行います。自己判断で市販のサプリメントを多量に摂取することは避け、専門医の管理のもとで正しく続けることが大切です。
美白内服セットの種類とおすすめ

当院では、目的やご希望に応じて2種類のセットをご用意しています。
- 3剤セット(5,800円)
トラネキサム酸、シナール、ユベラの基本セット。肝斑治療やしみ・そばかす予防におすすめです。 - 4剤セット(7,800円)
上記3剤に加えてグルタチオンを追加。より強力な抗酸化作用を求める方、全体的なくすみ改善を希望される方に適しています。
服用を始めてから効果を実感するまでには、平均して2〜3か月程度が目安です。すぐにしみが消えるというより、少しずつ肌質が明るく変わっていくイメージです。短期間でやめてしまうのではなく、継続して飲むことで違いを感じやすくなります。
また、レーザー治療や美白点滴と併用することで、より短期間で変化を実感する患者さまも多くいらっしゃいます。
まとめ
美白内服は、体の中からメラニンの働きを抑え、肌の透明感を引き出す治療です。特に肝斑やしみ、そばかすに悩む方に効果的で、外側からのケアだけでは難しい部分をサポートします。
トラネキサム酸・ビタミンC・ビタミンE・グルタチオンといった成分が相互に作用し、しみの改善だけでなく、くすみや肌全体のトーンアップにも役立ちます。
「外からのスキンケアだけでは不安」「将来のしみを予防したい」という方にとって、毎日続けられる美白内服は有効な選択肢となります。
当院でも多くのスタッフが実際に美白内服を取り入れており、日々の習慣として続けることで肌の透明感アップを実感しています。
ご興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたのお肌に合った美白内服のプランをご提案いたします。