こめかみ・頬のコケをヒアルロン酸で改善|やつれ顔・老け顔に見せない自然な若返り治療とは?

「やせた?」「疲れてる?」
そんなふうに声をかけられることが増えた方のなかには、「こめかみ」や「頬のコケ」が原因でそう見えているケースが少なくありません。

しわやたるみと違って、“影による老け見え”は気づかれにくく、自分では「なんとなく老けた気がする」としか言い表せないことが多いのが特徴です。
しかし実際は、こめかみや頬のボリュームロス(脂肪や骨の萎縮)によって顔の輪郭や立体感が崩れ、陰影が強くなっている状態です。

今回は、美容皮膚科・形成外科の視点から、「コケた顔」に見える原因と、その治療として非常に有効なヒアルロン酸注入について、症例を交えて詳しく解説します。


目次

顔の“コケ”はなぜ起きる?

〜加齢だけではなく、骨と脂肪、靭帯の変化〜

こめかみや頬がくぼんで見える主な原因は、以下のような複合的な要素によるものです。

側頭骨・頬骨の萎縮(骨格のボリューム減少)

年齢とともに顔面の骨格は萎縮します。特にこめかみを形成する側頭骨の陥凹、頬の立体感を支える頬骨が縮小すると、その上に乗っていた脂肪・皮膚が“落ち込んで”見えるようになります。

中顔面脂肪パッドの萎縮・移動

加齢により、皮下脂肪は減る・ずれる・垂れるの三拍子が揃います。特に頬の上部(ミッドチークファット)や側頭部の脂肪パッドが減ると、頬の“高さ”が失われ、平面的でやつれた印象になります。

靭帯のゆるみと支持力の低下

皮膚を内部で支えている靭帯(リガメント)がゆるむと、皮膚や脂肪の位置が下がり、凹凸が生まれます。その結果、影ができやすく、コケたように見えるのです。

噛みしめ・筋肉緊張・元々の骨格

痩せ型・エラが張りやすい・咬筋が発達しているなどの骨格要素もコケを目立たせます。若年層でも「顔の上部が痩せて見える」という方は、これらの要素が関与していることがあります。


ヒアルロン酸は“ふくらませる”治療ではない

正しくは「影を消して、バランスを整える」

ヒアルロン酸注入というと「ボリュームを足してふっくらさせる」というイメージを持たれる方も多いですが、適切な設計のもとで行う注入治療は、単に膨らませるものではありません。

私たち医師が注入設計で行うのは、“顔の立体構造を補い、自然なラインを再構築すること”。
凹みによってできた“影”を光で飛ばすように、滑らかで光が反射しやすい表面を作り出すのが本来の目的です。

注入層と位置の違いが印象を変える

  • こめかみ:骨膜上や深部に硬めのヒアルロン酸(例:ボリューマXC)を少量ずつ注入
  • 頬上部(ミッドチーク):骨膜上〜皮下に中等度の硬さ(例:ボリフトXC)をポイント注入
  • 頬前面(チークエリア):真皮下層に柔らかめの製剤で仕上げ補正

このように、ヒアルロン酸は「製剤の種類×層×注入量×位置」の組み合わせで、非常に繊細な変化を与えることができます。


実際の症例紹介|30代後半女性:初めてのヒアルロン酸注入

ご紹介するのは、30代後半の女性。ヒアルロン酸注入は初めてで、「どこをどう変えたらいいかわからない」といったご相談から始まりました。

カウンセリングの結果、今回は

・こめかみ・頬のコケ部分へのヒアルロン酸注入(合計4cc)

を実施しました。

ビフォーアフターでの変化

  • こめかみのへこみ → なだらかな曲線に
  • 頬のコケ → ふっくらと自然に改善
  • 輪郭全体 → 卵型になり、フェイスラインが引き締まった印象

また、少量のヒアルロン酸を右のほうれい線にも注入したところ、

  • 右側は直接注入で改善
  • 左側も、頬のリフトアップ効果で自然に軽減

という変化が見られ、顔全体が明るく、穏やかな表情へと変化しました。


よくあるご質問(Q&A)

Q:ヒアルロン酸はどれくらい持ちますか?
使用する製剤にもよりますが、こめかみや頬の深部注入で使用するヒアルロン酸は12〜18ヶ月程度持続することが多いです。

Q:不自然になったりパンパンになりませんか?
医師が骨格や皮膚厚を見ながら、ごく少量ずつ注入するため、過剰に膨らむことはありません。自然な仕上がりが基本です。

Q:ダウンタイムはありますか?
針跡の赤みや内出血が2〜5日程度残ることがありますが、メイクでカバー可能な範囲です。

Q:脂肪注入との違いは?
ヒアルロン酸は注入量の調整がしやすくダウンタイムが少ないのが特徴。脂肪注入は定着まで時間がかかり、吸収率に個人差があります。


まとめ|“印象を変える”ヒアルロン酸注入

こめかみや頬のコケは、年齢を問わず“老け見え”や“疲れ顔”の主な原因となります。

こうした骨格的なへこみやボリュームロスは、スキンケアでは改善が難しく、ヒアルロン酸注入による構造的な補整が非常に効果的です。

  • 頬にふくらみを戻すことで、ほうれい線が薄くなる
  • こめかみの丸みが“柔らかさ”や“多幸感”を生む
  • 輪郭を整えることで、全体の印象が若返る

ヒアルロン酸は、入れる“量”よりも、“入れる場所”と“デザイン”が結果を左右します。

当院では、単なるシワの充填ではなく、立体バランスを重視した輪郭形成としてのヒアルロン酸注入をご提案しています。

顔の印象を根本から変えたい方、若々しさや幸福感のある印象を目指したい方は、ぜひ一度ご相談ください。



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