【若返り】下に落ちた中顔面を根本から持ち上げる“裏ミッドフェイスリフト”の実際

中顔面、つまり目の下から口角にかけてのゾーンは、年齢とともに徐々に“落ちて”きます。
特に30代後半から50代にかけて、頬の位置が下がり、法令線が深くなったと感じる方が多くなります。
この変化は、単なる皮膚のたるみではなく、皮下脂肪・支持靭帯・骨格の構造的な変化が大きく関係しています。

スキンケアや注入では一時的に改善するものの、
“土台そのものが緩んでいる”場合、表面のケアだけでは追いつかなくなります。
そんな方にこそ知ってほしいのが、構造ごと引き上げる「ミッドフェイスリフト」です。
この記事では、実際の術中動画を交えながら、
皮膚表面ではなく深部の骨膜層からしっかりとリフトアップする本格的な若返り手術をご紹介します。

目次

ミッドフェイスリフトとは?注入や糸リフトとの決定的な違い

一般的なたるみ治療は、「表面」を引き上げるものが多く、時間とともに効果が薄れてしまうことがあります。
たとえば糸リフトは皮膚の下に糸を入れて物理的に引き上げますが、
皮膚の牽引力に依存するため、持続性には限界があります。
ヒアルロン酸や脂肪注入といったボリューム補填も、皮膚のたるみや構造の崩れまでは改善できません。

一方、ミッドフェイスリフトは、骨に近い深層(骨膜)から中顔面全体を再配置するというアプローチです。
たとえるなら、「シーツのシワを表から伸ばす」のではなく、「シーツの土台そのものを動かす」ような手術です。

この手術では、皮膚、脂肪、靭帯、筋膜、骨膜といった複数の層のうち、
最も深部にある「骨膜」層をターゲットに、土台ごと持ち上げていきます。

そのため、

  • 法令線やゴルゴラインなどの“落ちた構造”に直接アプローチできる
  • ボリュームの再配置によって頬の高さが戻り、若々しい立体感が生まれる
  • 皮膚を引っ張らないので、不自然な仕上がりになりにくい
    といった特長があります。

注入で膨らませるのではなく、本来あるべき位置へ構造ごと戻してあげる——
それがこの手術の本質であり、“根本治療”と呼ばれる理由です。

術中映像で見る|骨膜下を剥離して引き上げる“裏側の操作”

実際の手術では、口腔内と下眼瞼の結膜側からアプローチし、頬骨周囲の骨膜を丁寧に剥離していきます。皮膚を一切切開することなく、裏側からの操作で中顔面の構造を広範囲に展開します。

術中動画では、以下のような工程が確認できます。

  1. 骨膜の剥離:下眼瞼結膜、口腔内から骨膜下へアクセスし、頬骨基部に付着した骨膜を丁寧に剥がしていきます。これにより、脂肪・靭帯・皮膚が一体化した層が可動化されます。
  2. リガメントのリリース:中顔面を支える支持靭帯を緩め、リフトの可動域を拡げます。
  3. 感覚神経の温存:頬骨弓周囲には顔面の感覚神経が走行しており、それらを視認しながら慎重に操作することで、安全性を確保します。
  4. 固定操作:リフトした骨膜層を上方で固定。重力に抗する向きに、しっかりと深部構造を保持します。

この一連の操作により、皮膚表面だけでなく、中顔面のボリュームそのものが「本来の位置」に戻されます。特に法令線・頬の凹み・ゴルゴラインの改善が顕著に見られるポイントです。

また、術中の動画では、骨膜層を引き上げた際に、頬の皮膚や脂肪体が一塊となって動く様子が映っており、
「リフトされているのは表面ではなく構造そのもの」であることが視覚的にも確認できます。

このような深層からのアプローチが、より長期的でナチュラルな若返りを実現しているのです。

骨膜下からの引き上げが“持続力”に差をつける理由

リガメント(靭帯)や脂肪は骨膜に近い層にあります。
そのため、表面的なリフトでは支えきれず、時間とともに「戻り」が起こりやすいのです。

一方、骨膜を上方で固定することで、支持構造ごと引き上げられるため、
法令線の原因になる中顔面の“たるみの核”に、しっかり作用します。

表面のシワだけでなく、「顔の印象そのもの」が若返るのはこのためです。

ミッドフェイスリフトが向いている方

以下のようなお悩みがある方には、特に効果が期待できます。

  • 注入や糸リフトを繰り返しているが、満足できない
  • 法令線が深く、頬の位置が下がって見える
  • 静的なたるみ(表情を動かさなくても見えるたるみ)が中心
  • たるみを根本から改善したい

逆に、ごく軽度のたるみや、皮膚の質感が主訴であれば、糸リフトやレーザー、注入でも十分な場合があります。
診察で適応を見極めることが重要です。

ダウンタイム・リスク・術後経過

  • 腫れや内出血:1〜2週間(個人差あり)
  • 傷跡:口腔内+結膜切開なので、外見には残りません
  • リスク:感染、一時的な感覚鈍麻、左右差など(時間とともによくなります)

当院のこだわり|形成外科の技術と審美眼の融合

僕たちが行っているミッドフェイスリフトは、 見た目の変化だけでなく、「生理的に正しい位置」への復元を大切にしています。

  • 神経を確認しながら行うマイクロ手術
  • 骨格・脂肪・皮膚の3層を評価する立体的アプローチ
  • 額・フェイスラインとの組み合わせによる全顔のデザイン

単に“引き上げる”のではなく、「戻す」ことで美しさが再現される。 そんな考え方をもとに、手術を行っています。

さらに当院では、骨切り術にも対応しているため、顔面の骨構造に精通しています。 骨格レベルでの美的バランスや神経の走行を踏まえたうえで、骨膜下リフトをより安全かつ的確に行うことが可能です。

骨の厚み・凹凸・支点の構造など、骨レベルでの理解があるからこそ、深く・自然に・長期的に支えるリフトアップが実現できるのです。

まとめ|中顔面を整えることが、自然な若返りへの近道

ミッドフェイスリフトの本質は、“たるんだ皮膚を無理に引っ張る”のではなく、
「加齢によって落ちた組織を、あるべき場所に戻す」ことにあります。

皮膚表面の変化だけでなく、中顔面のボリュームバランス、靭帯の再配置、筋膜の緊張など、
顔の印象に大きく影響する“根本構造”へアプローチすることで、
自然で立体的な若返りが実現します。

今回ご紹介した骨膜下からの裏ミッドフェイスリフトは、
まさにそうした“構造的アプローチ”を体現した手術です。

  • 法令線が深くなってきた
  • 頬が下がって影が出る
  • 糸や注入の効果が物足りない

こうしたお悩みをお持ちの方にこそ、裏ミッドフェイスリフトという選択肢を知っていただきたいと思います。

「自然に若返ったね」と言われる変化は、構造を理解し、正しい層にアプローチすることから生まれます。
当院では、顔全体のバランスを見極めながら、あなたに最適な治療を提案します。

まずは、カウンセリングで現在の状態を評価し、必要なアプローチを一緒に考えていきましょう。
お気軽にご相談ください。

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